かわるビジネスリュックmini – 完成された製品の向こう側へ #スーパーコンシューマー新製品

SUPER CONSUMER(ブランド)MacbookPro,mini,かわるビジネスリュック,モニター,リュック,レビュー

完成された製品には、向こう側があるのか

そんな問いかけをしてくれたのが、スーパーコンシューマーの新製品「かわるビジネスリュックmini」です。すでに完成されていた「かわるビジネスリュック」のサイズが変わり、「mini」が付与すると、いったいなにが起こるのでしょうか。

完成されていたのに、次がある、のか?

ここ数年、僕の背中と一体化してしまったのではないか?というくらいに、ヘビーユースしているリュックがあります。「かわるビジネスリュック」は、その背負い心地と使い勝手から、我が家に大量にあったリュックをほぼ駆逐してしまいました。だって仕方が無いんです、365日のうち、電車に乗る日はほぼ全て、そうでない日も子供を連れての外出や取材なら100%このリュックを使っていたから。

これはまさに「完成」された製品で、もしかしたらもう新しいリュックは不要なのではないか、とまで思っている自分がいました。

そんな僕の背中に対して、同リュックを作った製造元であるスーパーコンシューマーことアブラサスさんが、「かわるビジネスリュックmini」なる新製品のサンプルを送ってくれました。

小型化は「自己否定」なのか

そもそもですよ、ここまで完成度が高く、大容量が売りで、背負い心地も良く、ヘビーユースにも耐え抜いている「かわるビジネスリュック(ややこしいので以下:初代)」に対して、「かわるビジネスリュックmini(以下:mini)」を作る必要性はあるのでしょうか

正直なところ、最初に「mini」の話を聞いたとき、「えっ」って思ったものですよ。だって、初代で事足りているもの。満足だもの。あまつさえ、僕は「大は小を兼ねる」タイプの人間で、荷物は常に多め。miniでは僕の使い方にはそぐわないに決まってる。

……

そう思っていた頃が、僕にもありました。ほんの数時間くらい。すみません、miniのことを侮っていました。

違ったんです。使ってみてわかったんです。miniは、けっして初代の自己否定ではなかった。初代とminiは対立関係にある立ち位置じゃ無かったんです。miniには、初代の向こう側がありました。

miniは新しい可能性を秘めたリュックだった

これまで幾度となくミラクルを起こしてくれた初代。思えば、そのミラクルとは

こ、こんなに荷物がはいるのか…
限界かと思ったらさらに詰め込めてしまった…
尋常では無い重さだけど、背負ったらまあ耐えられるしリュックも壊れることは無さそう

というシーンが多かったように思えます。これって冷静に考えると、初代が大容量なのを良いことに、半ば無計画に荷物を詰めてしまっていたのかもしれません。もちろんそれで助かることも多いのですけど。

例えば取材の時、初代へは EOS 5D4の本体に、24-105mmのレンズ、100-400mmのレンズ、50mmか90mmの単焦点、なんならそこに予備機のEOS Kiss MとMマウントレンズ3本、予備バッテリを含む電源類、MBP15インチ、これらに関するケーブル類、そして財布、タオル、場合によっては着替え…という、気の遠くなるような量の荷物をその内部に収納していました。重さにするとだいたい14キロくらいありました。これだけの量を収納できて、荷室がわかれていて、背負い心地も悪くないなんてリュック、なかなかありません。

でも、それが仇となるときもありました。例えば電車移動。初代のサイズは都内へ向かう通勤電車においては、少なからずオーバースペックなサイズであることは間違いがありませんでした。その大きさから、何度か隣の人に迷惑をかけたこともありますし、満員の電車で仕方が無く網棚の上に逃がしたことも数回ではすみません。なんなら超満員の電車では、座って膝上に抱えてても、つり革の人に邪魔になるレベルだったことがあります。

さらにきつかったのがバス移動です。バスには電車に輪をかけて空間にスペースがありません。バスと初代は、とても相性が悪かったのです。

一方で相性最高だったのが、飛行機です。機内持ち込みサイズギリギリ、いわゆる2泊3日レベルのスーツケースを持ち込んだような便利さがありました。しかも背負えば移動は高速にできます。タラップの段差も気になりません。海外出張時、中に機内着を入れておいて、着替えたことも何度もありました。まさに魔法のリュックで、ロストバゲージした時には、リュックに入っていた非常用の着替えがとても役に立ちました

ああ、初代って便利だなと思うわけですが、とはいえ、そんなに大きくなくても良くね?という場面は多分にあったような気がするんです。

もし、もしですよ。初代と同じ背負い心地、使い勝手がありつつ、省スペース化したような製品があったら…これまでの365日のうち、300日くらいはそっちで良かったのかもしれません

こうして並べると、子供と大人くらいに違う初代とmini

なんでこんな回りくどいことを書いているのかと言えば、miniが本当にそういう製品だったからです。おいおい、僕が肌身離さないレベルで使って来た初代はなんだったんだ。いや、初代はそれはそれで今でも素晴らしいのだけど、普段使いにはオーバースペックだったんだな…ということに気がつかせてくれたんですよ。

リュックは空気を運ぶものだけど

思えば初代を背負って通勤しているとき、少なくともその中身のうち5割は空気でした。「もしも」のためにスペースを開けて空気を運んでいましたが、その「もしも」が来ることは、2ヶ月に1回あるかないかでした。しかも「もしも」になることがおおよそわかっている時ばかりです。

そこで恐る恐るminiを使ってみました。初めての利用用途は、最初からハードな長距離移動しての取材。片道2時間ほどの移動に対して、PCとカメラをがっつり持っていくミッションです。

大きさは違えど見た目や雰囲気は同一だ

まずは初代から、いつも入っていた荷物を移します。これは財布、名刺入れ、非常用のコネクタ類や薬など。初代の上部スペースに入っていたものは同じくminiの同スペースにすっぽりと。フタ裏収納に入っていたものも、そのまま同じスペースに入りました。あれ、もしかして、背面の荷室以外はリプレイスが可能かも???

フタ裏にあるポケットのサイズは大きく変わらず、中身のリプレイスが容易。

そうなんです。miniはminiなんて名前が付いちゃってるのでアレなんですが、初代で培った経験を元に開発されているので「コンパクトだけど収納力がめっちゃある上に使い勝手が良い」という大きな利点があったんです。背中のスペースにはMacBookProの13インチも余裕で入りました。

MacBookProが吸い込まれていく収納スペース。PCに傷がついたことは1度もない。

ちなみにメインスペースはさすがに初代よりは小さくなるため、

・5D4
・24-105mmレンズ
・ケーブル類をまとめた12cm×20cmのケース
・念のためミニ三脚

に留めました。結果として、これ以外は使わなかったのでこの選択は正解でした。あれ、もしかしていままでは荷物もオーバースペックだった???

さて、これだけ入れるとさすがにminiの容量ギリギリになってきていますが、初代ほど詰め込まれていないこともあって重さも適度ですし、初代から受け継いだ背負い心地は良好の一言

初見では背中面のデザイン変更が心配だったんですが、杞憂ですね。あの独特の「あれ?なんか妙に軽くない?」という背負い心地、これは何度経験しても良いものです。

2時間の移動ではほとんど電車の座席だったんですが、なんと隣の方にまったく干渉しない、素晴らしいサイズ感です。しかもベルトは背面に収納できます。なお、ベルトを背面収納すると背面荷室が開けにくくなるので、その場合はベルトを前面に回しましょう。これで解決です。

ちなみにチェストベルトがなくなったので、これは個人で追加した方が良いかもですね。良いものを探そう。

新デザイン部分が考え抜かれていて痺れる

さて、上記の通り取材やらなんやらで数日使ってみまして、miniは単なる小型化ではないことがよーくわかりましたので、最後にまとめておきます。

まず上面の収納スペース。初代は側面に半円のジッパーがついており、そこから横に刺すような収納として成立していましたが、miniではボストンバッグのように横一文字のジッパーを開けて出し入れをするスタイルになっています。これ、使ってみるとわかるんですが、よく考えられているんですよね。特に電車で座席に座っているときなどに超絶便利でした。フタを閉めているときはサイドを少しだけあけて出し入れができますし、フタを開けているときは豪快にあけて、サッと出し入れができます。

初代のこのスペースって、奥に入ったものを出すのが少しだけ面倒だったんですが、miniではそんなこともありません。

この部分のジッパーはシングルですので、開けるときには必ず一定の位置にあります。フタをしていても開けられる位置にジッパーを置きたかったんでしょうね。この定位置にない時はポケットが開いているので要注意です。

個人的にはジッパーをフタの下に隠してセキュリティを高める使い方もしてみたかったなあと思うので、好きな場所を始点・終点にできるダブルジッパーでも良かったかな?とは思いますが、ジッパーを探さなくて良いのは作業のオートメーション化を考えると悪くないですね。

miniの真骨頂(だと勝手に思ってる)テンポラリーポケット

背中の荷室がガバッと開くのは初代と同じですが、背面の作りはだいぶ変わっています。これは、ベルト部分を収納できるようにした作りなんだとか。

じつは、このベルト収納部分が「テンポラリーポケット」としていい味だしているんですよ。例えば電車に座っていて、一瞬だけスマホをどこかに置きたいときとかありますよね。くしゃみが出そうとか。そんなとき、このポケットにスマホをサッと入れておけば、手が自由になります。

同じような感じで、瞬間的に取ったマスクを入れておいたりA4クリアファイルを刺したり。基本的にはオープンスペースなので、長時間の安定した収納には向きませんが、短時間のテンポラリーとしてはとても優秀なんです。このポケット、実はこのminiの中でも最も個々人の使い方がわかれそうなところで、その使い方ノウハウがネットに出てくると、大化けしそうな予感がします。とりあえず僕は外したマスクを入れるスペースとして1票。夏場にはタオルを入れる場所としても使えそう。

miniは小さくなっただけではなかった

ということで、2週間ほどminiを使い、そこまで多くは無いですが遠出もしてみました。その結果、初代を使っていたころには気がつけなかった「空気を運びすぎていたかもしれない」というごく当たり前の気づきと、新しい生活様式、すなわち周囲の人にできる限り接触しない=堆積を減らしたリュックの、この時代へのマッチさを痛感しています。

同じ背負い心地・使い勝手を有しながらも、その容量が異なる2つの製品。両方を所有するからこそ見える、それぞれの良さ。この感覚はちょっと言語化が難しいのですが、もう少し両方を共存させてみて、半年後くらいに答えがでてくるかもしれません。あとはテンポラリーポケットの新しい使い方ですよね。マスク入れ以上の用途が出てくるのか、個人的にも楽しみです。

購入はこちらから。

かわるビジネスリュックmini – SUPER CLASSIC

なお、この記事はサンプル提供を受けています。