KOFFEE MAMEYA Kakeru – コーヒーのフルコースを堪能できる唯一無二の存在

2021/03/17おいしいものだけ紹介します(食全般),お茶やコーヒーカフェ,コーヒー,東京,清澄白河

表参道の名店「KOFFEE MAMEYA」が、まったく新しいコーヒー体験をするための実験場を作り上げました。清澄白河エリアに新しくオープンした「KOFFEE MAMEYA Kakeru」は、コーヒーのフルコースやテーマのある飲み比べ、さらにはコーヒーカクテルをこころゆくまで楽しめる、唯一無二のお店に仕上がっていました。率直に言って最高です。

化学反応を楽しむお店「Kakeru」

KOFFEE MAMEYA Kakeru は、表参道コーヒーからはじまり、KOFFEE MAMEYA、そして虎ノ門コーヒーとして培われてきた、一連のコーヒーに対する情熱と、その他の要素を「かける(×)」ことで生まれる。化学反応を楽しむお店です。だから、店名が「Kakeru」なんですね。綴りですが、Kakeruが正しいのか、kakeruが正しいのかはちょっと謎です。

お店の場所は、清澄白河〜木場のゾーン。正直、最寄り駅がどこなのかは難しいですね。

大型倉庫を改造したお店は、ブルーボトルコーヒーっぽさもあります。

もちろん基本的には「KOFFEE MAMEYA」の名を冠していますから、本店と同じようにチャートからコーヒーを選び、飲むことができるシステムは健在です。

kakeruの真骨頂たるコーヒーのフルコース

しかし、kakeruの真骨頂を味わいたいのなら、絶対に選ぶべきはコーヒーのコースです。

このコース、いくつか種類があるのですが、簡単に紹介すると以下のようなもの。

①:Koffee Mameya Course
同じ銘柄のコーヒーを、多種多様な5種類+αもの飲み方で味わいつくすコース。コーヒーの可能性や面白さ、遊び心までもが堪能できる、kakeruイチオシのメニュー。スタンダード豆(といってもハイグレードです)と、高級豆が選べます。

②:Roaster Course
単一焙煎所の複数銘柄を、同程度の火入れで飲み比べるコース。僕が行ったときは九州の誇る最強ロースター「豆香洞珈琲(とうかどうこーひー)」さんの豆の飲み比べでした。ロースターがどんなコンセプトで製品を生み出しているかを体感し理解できるコースですね。

③:Farmer Course
複数のロースターが焙煎した同一の豆を飲み比べるコース。ロースターによる違いを楽しむにはうってつけです。

とまあ、ここまでが表のコース。いわゆる「コーヒーでこんなことができたらな」を実現した、コーヒー好きにとっては夢のようなコースですよね。それぞれが、コーヒーをより楽しみ、味わうためのぜつみょうな「かけ算」になっているのが面白いですね。

 

コーヒー × アルコールの禁断の世界

さて、先ほどの3メニューを僕は「表のコース」と書きました。表があるなら裏もある。そう、このkakeruには、kakeruだからこそできた、コーヒー×アルコールという、コーヒーの新境地を見せてくれるようなコースが存在するのです。

それがこちら。

④:KOFFEE COCKTAIL COURSE(Koffee 3 Cocktails)
独自の抽出を実施した、ここでしか飲めないコーヒーリキュールをベースにして、いままでにないコーヒー×アルコールの世界を覗くことができる、刺激的なコース。

へー!と思ってたんですが、話を聞くと、どうやら日本のコーヒー×アルコールの大会「ジャパン コーヒー イン グッド スピリッツ チャンピオンシップ」を2連覇(!)した圖師 聡(ずし あきら)さんがMAMEYAにジョインして、直接プロデュースする超本格派。僕が行った日にはお休みされていていらっしゃらなかったんですが、圖師さんから直接提供してもらえるって、何それ贅沢!名実共に日本最高のコーヒー×アルコールのバリスタですからね…。

そんなこともあって、オープンキッチンとなっている中央のテーブルには、コーヒーショップには似つかわしくない器具がごまんと揃っていました。

バーかな?

 

Koffee Mameya Courseを紹介

ということで、カクテルのコースにもものすごく惹かれたんですが、初回ということで、まずはスタンダードな「Koffee Mameya Course」で、せっかくなので高級豆(Gesha Village)のコースを選択しました。

ちなみにこの日のスタッフはMAMEYA本店でお馴染みの三木さん以外はすべて虎ノ門コーヒー時代のスタッフで、なんだか不思議な感じです。初回なのに馴染みのホームに来たみたい。

まず最初に提供されるのは、コールドブリュ、いわゆる水出しコーヒーです。

コールドブリュ単品で来るかと思ったら、モクテルがセットになってきました。コーヒー豆って果物なんだなあ、というのを再認識できる甘さと、香り。特にモクテルのほうは飲んだことのない風味で、これはコーヒーカクテルへつなげるための罠ですね…。

続いてミルクブリュ、いわゆる牛乳出しコーヒーです。水出しのようにするのですが、コーヒーを細かく挽くことでより多くエキスを抽出しているのだそう。こちらもミルクモクテルとのセットになっていて、いちいちにくい。ミルクブリュはもしかしたらコールドブリュよりもコーヒーの特徴が出ているかも知れない、という驚きの印象。ミルクコーヒーモクテルは永遠に飲んでいたいくらいの甘美な味わい。とにかく両者のこの振り幅がスゴイ。このあたりで、まったく新しい体験をしすぎてクラクラしてくる。まだ序盤なのに、この楽しさはなんなのだろう。

続いて、シンプルなフィルターコーヒーの登場。挽いた豆の香りを確認させてくれるのが嬉しいですね。これはれっきとした「料理」です。

ああ懐かしい。虎ノ門コーヒーを思い出す一瞬です。

Gesha Villageの果実感がブワッと立ち上ります。コールドブリュを飲んでのフィルターコーヒーは、よりコーヒーの要素を感じますね。これは不思議な体験。全部計算されているんだろうな。

最後にこちらもその日のコーヒーに合わせたお菓子と、ラテ、エスプレッソで〆です。

このラテがいわゆる「スペシャル」なラテだそうで、牛乳を氷結・解凍することでより濃い牛乳を作り、それを使って作っているという、一手間かかっているものだそう。

虎ノ門コーヒーもそうだったんですが、MAMEYAの牛乳ものって本当においしいんですよね。コーヒーはブラックやろ!みたいな固定観念は無くて、とにかくコーヒーを美味しく飲んで欲しい、そんな心意気が感じられる1杯です。

ちなみにエスプレッソも気持ち良いくらい酸味が出てて、だいぶ調整して味を設定している感じ。すごいね、これならエスプレッソの飲み比べだけでも楽しそう。

非日常感がたまらない。そして…

はい、ということで Koffee Mameya Course でしたが、多種多様な飲み方で同じ豆を楽しむという、これはまさにコーヒーのフルコースです。たった1つの種類でも、これだけ多様な味わいが出ますし、しかし同じ豆なので芯の部分は揃ってるんですよね。そんな体験をするだけでも、とんでもなく非日常感。いやあ、楽しくてたまりません。

はい、これでコースは終了!というところですが、せっかく来ましたし、次がいつかわからないので、ここからはコーヒーカクテルゾーンへと突入します!

いまだかつて無い体験、コーヒーカクテルの世界

ということで、未体験のコーヒーカクテルも頼んでみることにしました。

オープンなキッチンはまさにバーカウンターとなっていて、コーヒーカクテルを作る所作は完璧にバーテンダーのそれですね。さすがの圖師さんプロデュースになってます。

まずはこちら、コーヒーハイボール(1,200円)です。

ハイボールとは名付けられていますが、ウイスキーを使っているわけでは無く、お店でコーヒー豆を漬け込んでコーヒー成分を抽出したカンパリを使っているという、けっこう驚きの仕様。そもそもコーヒーリキュールと言えばカンパリ!?と思っちゃうわけですが、これがまあ、うまいんですよ。カンパリのあの良くも悪くも薬っぽい感じ(そもそも薬草由来なので当然なんですが)が、コーヒーと出会うとこうも魅力的になるのかという、ひとくち飲む度に何度も何度も驚くという、衝撃的な体験。このコーヒーハイボールを1杯だけ飲むために寄るだけでも良いのでは。それくらいにこれはオススメしたい!

続いてその日最もオススメという「エスプレッソマティーニ タイプJ」を注文。タイプはL、J、Aがあって、それぞれ豆が異なるそう。

マティーニといえばカクテルの王様みたいな存在です。そしてそのマティーニをシグネチャーとしているバーも星の数ほどあります。そんなカクテルをコーヒーとkakeruことで出してしまうなんて…。

ちなみに、何度見ても三木さんがふつうにバーテンダーに見えます。

ということでエスプレッソマティーニ J (1,500円)です。

この色!見た目は完璧にエスプレッソで、香りもほぼエスプレッソ。しかしひとたび口にすれば、それはマティーニなんですよ…これはクセになる。

最後にもう1杯だけフィルターコーヒーを飲んで、この日は終了としました。いやあ、満足した。

コーヒーの奥深さ、懐の深さ、そして深遠さと楽しさ

それにしても。コーヒーという単一の飲み物を軸として、ここまで楽しめてしまうとは。同じ豆でも、通常のドリップだけではない、様々な抽出方法を用いることで、その豆が持つポテンシャルを幅広く感じることが出来ますし、コーヒーカクテルに至っては発見しかないという感動具合。いやあ、まさにKOFFEE MAMEYAを運営元「嗜好品研究所」の名前にある「嗜好品」の極みですよね。

このお店は、コーヒー好きは当然ながら、コーヒーの面白さや楽しさを「発見する」ためのお店としても、ものすごく活躍してくれそうです。知識なしで行っても国内トップクラスのバリスタたちが、懇切丁寧に教えてくれます。フランクな接客も僕はとても好きですね。

ということで、やっと、やっとの虎ノ門コーヒーの続きが見られて、僕は感激です。さて、次はいつ行こうかな。

KOFFEE MAMEYA kakeru

東京都江東区平野2-16-14
毎日営業:11時〜19時
電話:03-6240-3072

現在は完全予約制です。予約は以下より。当日も空きがあれば入店できますので、急に!というときはお電話してくださいとのこと。

KOFFEE MAMEYA Kakeru

 

KOFFEE MAMEYA kakeru ギャラリー

おまけです。

×(kakeru)ということで、お馴染みのロゴは45度回転しています(×を演出)。

大理石のカウンターには様々なものが埋まってますね。これを探すのも楽しい。

びっくりしたのは、オリジナルのドリッパーの存在です。これ、そのうち商品化されるかもしれません。

ごちそうさまでした。

 

なお執筆段階(2021/03/18)ではトレタのWeb予約を使ってくれていました。感謝!