ザーツ=ジャテツ!日本のビールの聖地を廻るチェコの旅
「ザーツ」という地名を聞いたことがありますか?もしかすると、少しビールが好き!ビールには詳しい!みたいな方ですと、どこかで耳にしたことがあるかもしれません。
チェコ読みで「ジャテツ(Zatec)」となるこの地は、古くからビールの原料となる「ホップ」の生産が盛んで、ある種、ビールの聖地としてその存在感を放っています。
というビール上知識とは裏腹に、ジャテツの地はまだまだチェコでもマイナーな観光地。でも、ビール好きなら一度は訪れないといけない!というそんなジャテツをご紹介します。
ジャテツが日本に於けるビールの聖地な訳
そもそもこのジャテツは、なぜ「ザーツ」として日本で知られているのか?
その理由は、日本の中でも有名どころのビールが、このジャテツのホップを使っているから。そもそもこのジャテツで生産される「ファインアロマホップ」は、世界でも最も品質が高いといわれており、例えば僕の好きなサントリーのプレモルなんかは、「ザーツ(ジャテツ)産ホップ」であるということをパッケージからして大きくフィーチャーしています。
今回訪れたジャテツにある「ホップミュージアム」では、そんなジャテツのホップを使っている世界のビールが展示してあり、もちろん日本のビールもたくさん置いてありました。
ということで、日本のビールにおいて、ジャテツという地は大変重要な場所なんですね。実際はこの地のホップを求めるメーカーは多いらしく、世界のビール市場において重要な土地になっているのです。
そしてそんなジャテツのホップに関する集大成が、今回ご紹介する「ホップミュージアム」なんです。
ホップミュージアム
こちらがそのホップミュージアム。現代的なつくりになっています。
さて、中ではホップに関するものと、ジャテツとホップの関わり方の歴史なんかが学べます。この地図は、ジャテツにおけるホップ関連の建物の多さを示しています。完全に街の基幹産業です。
これはホップを乾燥させるときに使っていた機械。
ほかにもホップに関する様々な機械が展示されています。大型のものも多く、無骨な鉄の機械好きにもたまらない博物館といえそうです。
そもそもミュージアムの建物そのものがホップ関連しせつを改装したもので、当時の設備なんかが残っています。
こちらはホップ栽培畑のミニチュア。ホップは数メートルにもなる巨大な蔓状の植物で、電柱のような柱を建て、そこにハリガネを渡し、さらにホップが真上に伸びるための細い鉄柱を建てて、それを這うように成長させます。
収穫は一大行事で、チェコ中から学生バイトを雇ってやるような時代もあったんだとか。ちょうどアテンダントをしてくれたヴィートさんが学生時代にやったことがあるとかで、盛り上がっていました。日本でいう「茶摘み」みたいなものかな。
収穫され乾燥させたホップはこのように麻の袋に詰められます。
その際、一定量かつ大量のホップをつめるため、床に開けた穴に麻袋をはめ、そこにホップを押し込むみたいなことがされていたんだとか。
実際はこんな感じ。上から人が載ってぎゅうぎゅうホップを押し込みます。
最後には出荷の様子がありましたが、日本の横浜へ向かう袋などが展示されていました。日本は主要輸出先のひとつってことですね。
ということで、1時間強かけてミュージアムをじっくりとまわることで、ホップというものがいかに生産されて輸出されてきたかがなんとなく理解できるかと思います。
隣のビアホール「Pivovar U Orloje」でランチを
さて、ミュージアムのあとはさっそく現地のホップを使ったビールが飲みたくなりますよね。
そこで訪れたいのが、ミュージアムの隣にある地元最高のビアホール「Pivovar U Orloje(ピヴォヴァル・ウ・オルロイェ)」です。
じっくり紹介したいところですが、こちらの紹介は次回にまわしまして、本記事では聖地のツアーに重きを置きます。
ジャテツのタワーから、街を眺める
街に来たらまずは高いところを目指せ、というのは観光のTipsですが、それはジャテツでも変わりなく。実はミュージアムの隣にこのジャテツを一望できるタワーが建っています。
シースルータイプなので、高所恐怖症の方は要注意。なお、けっこうな高さがありそれを階段で登り切るのもそこそこ体力が必要です。
しかし登り切ったときの景色は格別なものがあります。
実はこれらはほとんどがホップ関連施設。ホップを乾燥させるための設備があり、火を焚いていたことから煙突があるんですね。こういうのが一瞬にして理解できるから、高いところは素晴らしい。
せっかくなので定番お土産「ホップチョコ」とクルテクで記念撮影。
これにてジャテツでの聖地めぐりは完了です。歴史を学び、ビールを飲み、街を眺める。完璧じゃないですか。
できればプルゼニュにも行こう
とはいえ、今回の聖地めぐりはここで終えてはいけません。ホップの聖地に来たら、ビールの聖地にも行きますよね?ということで、次に向かうはジャテツから車で1時間ほどの、プルゼニュです。そう、世界最強ビール「ピルスナーウルケル」の本拠地ですね。
しかし、実はジャテツからプルゼニュへの公共交通機関が乏しく、少ないバスで2時間かけていくか、1度プラハに戻って3時間かけるかのどちらかにんなってしまう模様。プルゼニュも楽しみ処が多いので、初日ジャテツ、2日目プルゼニュというコースをオススメします。
さて、そのプルゼニュといえばピルスナーウルケル。そのピルスナーウルケルといえば、黄金色のビールの祖にして、誕生から今日までまごうことなき、世界で最も高い評価を受けるビールのひとつです。
その工場を、ホップミュージアムの後に見学するのはものすごく…エモい!
見学ルートも作り込まれていて、最新設備から旧来の設備まで、こちらはビール造りを学ぶことが可能です。
最後には世界中のビール好きがこの1杯だけを求めて訪れるという「無濾過・樽出し」のピルスナーウルケルを。過去2回飲ませていただきましたが、確かに、まだこれを超える生ビールには出合ってないかも。
工場見学の詳しいところは、以下にまとめてあります。
ピルスナー・ウルケル工場見学!水のようにビールを飲む国「チェコ共和国」の根源
これにて、チェコでめぐるビールの聖地ツアーは完了です!あとは現地でいくつかのビアバーをまわれば、満足度120%間違いなしですね…。
のりおのまとめ
原料生産から製造までを、一気通貫に巡る事ができるのは、チェコの醍醐味ですね。本当は麦の生産まで見ることができれば良いのでしょうが、それはわりといろんなところにあるので(そしてピルスナーウルケルの見学でまかなえるので)良しとしましょう。
率直なところ、僕はこのツアーでずいぶんビールへの親和性が高まりました。数年前までビールを飲まなかった人間とは思えないほどに、ビールの知識にも愛にも溢れる人間に変わっちゃったんです。これ、もともとビール好きな人がきたら…想像に難くないですよね。ぜひ、チェコで聖地めぐりをしてください!
プラハ→ジャテツ→プルゼニュのめぐり方
プラハからジャテツは直通のバスが出ておりまして、だいたい所要時間が1時間弱です。
ジャテツからプルゼニュまでは、直通バスだと2時間。ただ普通に車だと1時間弱なので、ツアーがあればいいんですけどねえ。
現地の交通機関については、IDOというサイトかアプリがオススメです。日本でいうナビタイムみたいなものですよ。
IDOS – Vlaky + Autobusy + MHD (všechna) – Vyhledání spojení
ホップミュージアム@ジャテツ
Czech Republic – ホップとビールの神殿、ジャテツのホップ博物館
Pivovar U Orloje
U Orloje Restaurant, Žatec – recenze restaurace – TripAdvisor
SpecialThanks
今回の旅行は、航空券、宿泊、移動費、そしてほとんどの食費をチェコ政府観光局に負担していただいております。 Czech Republic –
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