ピルスナー・ウルケル工場見学!水のようにビールを飲む国「チェコ共和国」の根源

2017/01/12お酒,チェコ,工場見学Plzen,チェコ,チェコ共和国,ビール,ピルスナー・ウルケル,プルゼニュ

Pilsner Urquell Factory tour #visitCzech #チェコへ行こう #link_cz

世界で最もビールを消費する国。水のようにビールを飲む国。世界最強のビールを世界へ供給し続けている国。そのどれもが正しく、チェコ共和国のカラーを伝えているように思える。

そう、チェコは「ビール」の国なのです。そのビール社会を支えているのが、名実共に最強なビール、現地名「プラズドロイ」こと「ピルスナーウルケル」です。

(編集長を務めるLinkトラベラーズとチェコ政府観光局のブロガーツアーに招待され、チェコを旅しています)

 

 

チェコが世界に誇るビール工場

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チェコ共和国の首都である黄金の都「プラハ」から車で1時間ほど。うっすらと雪の積もる街「プルゼニュ/Plzen」にそのビール工場はありました。ピルスナー・ウルケルは、現在世界中で飲まれている「ピルスナー」のはじまりであり、いま現在のラガータイプのビールの祖でもあるそうです。はじまりのビールにして、世界最強。それがこの、ピルスナー・ウルケルなんだそう。

「なんだそう」というのは、実は僕、ビールにそこまで詳しくないのです。もっと砕けていえば、あまり得意では無い。最近でこそ自宅でビアガーデンを開催することもあり、樽生のビールは飲めるようになりましたが、それ以外のビールは「一口でいいですよ」ということも少なく無いほどでした。

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ところが!今回のチェコの旅中に飲んだビールは、実に7リッターほど。1日1リットル程度飲んでいる計算です。なぜそんなに沢山ビールを飲めたのか。それは、このチェコ共和国で飲む、このピルスナー・ウルケルがうまかったからに他なりません。

そんなピルスナー・ウルケルの総本山である、プルゼニュの工場を見学してきました。もちろん世界中から沢山の人が見学にくる、世界のビール工場です。

 

1842年から脈々と続くビールの街

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工場の入り口には、とても立派なゲートがあります。1842年に誕生したピルスナー・ウルケルの象徴です。ロゴマークにも使われていますね。

 

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こちらゲートを抜けると見えてくる、ビジターセンター。大変に立派です。

 

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これが1842年当時のプルゼニュの街。黒い家は、なんとビール造りを実施していた個人宅なんだそう。昔からプルゼニュはビールの街だったんですね。

そんな街において、世界において、ピルスナー・ウルケルとはどんな存在なのでしょうか。

 

そこには深遠なるビールの世界の歴史がありました。

そもそも、当時のビールというのは、僕らがよく知る黄金色の飲み物では無かったそうです。ほとんどのビールはクオリティが低く、まずくて、褐色で、製法としても確立されていなかったんだとか。

ここで一念発起したのがプルゼニュの人たち。もともとビール好きだった風土もあって、なんと街の政策として、ビール造りに注力することを決めたんだとか。そこでビールのいろはを学ぶため、プルゼニュ代表としてビール留学に出されたのが、その後ピルスナー・ウルケルの醸造所を建てることになるマーティン・ステルザー氏。氏はビールと醸造所に関する勉強と同時に、その後ピルスナー・ウルケルのレシピを開発するヨーゼフ・グロル氏を工場へと招へいしました。

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このグロル氏により、地元の大麦、ホップと、ヨーロッパでは珍しい軟水という環境、そしていわゆるデコクションという古典的な糖化方法を3回行うレシピが開発され、当時としては画期的な、黄金色ですっきりとした味わいのビールが完成します。もちろんこれがプラズドロイことピルスナー・ウルケル。

かくして、いまや世界中で飲まれる、苦味を有した黄金色のビール「ピルスナー」が誕生したわけです。

 

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それにしても面白いのが、このビール誕生のきっかけが街の政策だったということです。街おこしでビール工場作って、しかも大成功もいいところなんですよね。

 

ということで、そんな歴史を学んだ我々は、工場内部に潜入していくのでした。

 

エンタメ感あふれる工場内をくまなく見学!

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こちらビジターセンター内にある、ビールの研修/開発所。いわゆるミニ醸造所ですよね。ここから見学の旅はスタートします。

 

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一旦外にでると、ビジターセンターはクリスマス向けの飾り付けをはじめられていました。

 

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工場の建物の外側には、伝統的な輸送手段の名残が。こちらはトラックですが、その下にあるものは…昔ながらの大量輸送であれば必ず見られる、アレです。

 

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そう、線路ですよ。

 

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こちらが貨車。かっこいい。これが何十両も連なって走ってたらインパクトあるなあ。

 

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では工場の建物に入ります。

 

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工場では、まずエレベーターにて上階に上がるのですが、このエレベーターがまあ巨大なこと。実はこれ、ヨーロッパでも2番目に大きなものらしいです。

 

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実はビール工場ってはじめてだったんですが、そこは途中までウイスキーと行程が似ているだけあって、ウイスキー工場の雰囲気も多分に感じます。

 

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大麦。

 

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ホップ。

偶然とはいえ、ビール造りに最高の大麦とホップがこの地にあったというのが驚きですね。ちなみにホップについては、日本にも輸出しているほどの収穫量があるそうです。

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ちなみにビールの製造工程を簡単におさらいしておくと、麦芽を粉砕し、水や穀物と混ぜて糖化させ、沸騰・冷却。その後発酵、熟成を経て出荷に至ります。この時、発酵を低温で行い、酵母が下に沈む「下面発酵」を採用しているのがピルスナー・ウルケルの特徴でもあるそうです。

 

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こちら糖化槽。ウイスキーでもお馴染み、糖化を行う釜ですね。実は見学ルートのこちらは既に使われていない旧式のほうなんですが、室内はホップと麦の香りで充満していて、大変に幸せな気分になれます。

 

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イマドキっぽく、黒板風のスクリーンに手書き風動画が投影されます。大事なのは糖化の行程を3度繰り返すこと。

 

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糖化槽の中も覗けるようになっていました。

 

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次の部屋では、現在も稼働中な新型の糖化層。かっこいい。ステンレスではなく、銅を使っているところにこだわりを感じます。メンテが大変なんですよ。

 

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非常にたくさんの糖化層が稼働中。生産量の多さを物語っています。

 

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さすがに現在ではほとんどがコンピューター制御で、一定の品質なものを大量に生産できるようになっているそう。写真左上にあるリースっぽいのは、日本でいう杉玉のように、ビール醸造所ではかかせないホップのリースなんだとか。

 

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創業当時の糖化槽もありました。ただの巨大な鍋、ですね。

 

さて、ここで工場見学の前半パートは終了。行程としては、糖化までを見学しました。後半の発酵から熟成に関してがここからの後半パートになります。

と、なぜあえて一息いれたかというと…

 

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ここからは伝統的な地下の貯蔵庫見学になるからです。前述のとおり低温での熟成がこのビールの特徴になりますので、この洞窟は大変に寒い。

 

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当時掘られたままの姿でいまも稼働中です。

 

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とはいえ、現在の生産量をすべてこの貯蔵庫でさばけないため、こちらに残っているのは一部。どちらかといえば伝統的な状態と味を見学する目的で残っているみたいです。

 

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増築に増築を重ねた貯蔵庫というか洞窟は、いまやこんな大きさに。完全にRPGの世界のダンジョンと化しています。

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ここでトロルとかオーガとか出てくるんだよなあ…という雰囲気。遠くから太鼓の音が聞こえてきそう。

 

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突如として広い空間が現れるのもダンジョンっぽさを増長させます。ちなみにここは穴から大量に氷を落として、洞窟全体を冷やすための部屋だったそう。クレイジーな規模です。

 

さて、見学は進んで発酵中の樽とご対面。

 

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これが!実際には別の場所で細かく電子制御された樽を使っているそうで、これは見学用とのことでした。

 

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ただ見学用とはいえ、クオリティは昔ながらの最高レベル。その中身を、ここで直に注いで飲んじゃおうっていうんだから贅沢です。

この無濾過ピルスナー・ウルケルを「世界最高のビール」と評する人も少ないないみたいですね。

 

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見てください、この美しさ。褐色で透き通っていないビールしか存在しなかった時代に、こんな美しい飲み物が開発されたら、そりゃー沸きますよね。しかもですよ、当時はちょうどガラスが大量生産されるようになった頃で、透明なグラスに黄金の飲み物をそそいで、こうして美しさを感じながら飲むのが流行した…というのも、ピルスナー・ウルケルの流通を促進させた要素であるみたいです。

 

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無濾過なので、ほんの少しだけ澱がありました。でもそれがいい。それがうまい。

というか、まさかピルスナータイプ(ようはラガービールですよ)をこんなにゴクゴクとおいしく飲める日が来るなんて。というか、なんなんだこのうまさ。世界中のビール愛好家が、この試飲を求めて見学に集うというのも納得な気がしました。できたてだもんなあ。無濾過だもんなあ。

 

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そういえば、先ほどの樽には人のサイズほどの穴が空いていて、こうやってそこから樽の中に入って掃除をするためのものなんだそうです。お試し樽もありまして、日本人ならかなりの確率で通り抜けられそうでした。逆にヨーロッパの人ではけっこう大変そうですね(笑

 

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貯蔵庫のあとには、巨大な工場で行われる瓶詰めの行程なども軽く見学。ここは突然現代的になるのでビックリです。

 

 

 

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ものすごい規模でした。どこも隠されて無くて、オープンだったところが印象的でしたね。

 

のりおのまとめ

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世界に誇るビール工場は、そのこだわりにも、規模にも驚かされました。なにより、うまい。何事も本場で見学をさせてもらうのは重要なんだなあと強く実感しました。

ここはチェコ共和国に来たらマスト、ですね。間違い無いです。プラハから日帰りも十分可能ですから、ぜひ。

そうそう、最後におまけですが、チェコやそれっぽいお店では、流通名の「ピルスナー・ウルケル(=ドイツ語)」ではなく現地名の「プラズドロイ(=チェコ語)」でオーダーすると、喜ばれるというか、グッと近づくことができるみたいなので、覚えておくと良さそうです(笑

 

ところで、工場見学にはまだ続きがあります。
それは続きにて!

 

ピルスナー・ウルケル工場

U Prazdroje 7, 304 97 Plzeň 3, CzechRepublic

 

Pilsner Urquell

Czech Republic – ピルスナー・ウルケル醸造所

 

スペシャルサンクス

今回のツアーを主催してくださったチェコ政府観光局、我々を受け入れてくれた各都市のガイドさん、ホテル、各施設の方々に感謝します。

Czech Republic – プラハ

 

また現地での回線を提供してくださったグローバルWi-Fiさん、スーツケースを提供してくださったレンタルサービスのアールワイレンタルさんにも感謝します。僕の旅では欠かせないコンビです。

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著者プロフィール

Norio NAKAYAMA ブロガー、ライター、フォトグラファー、アドバイザー。 2000年よりテキストサイト、ニュースサイト時代を駆け抜けそのままブログへ。国内外への旅行やガジェット、日々の出来事などを紹介中。 旅と大宮のブログ「エアロプレイン」運営。Yahoo!ニュースさいたま市担当。三島市出身。アイラ島、青ヶ島上陸済。JFA公認C級サッカー/フットサルコーチ。チェコ親善アンバサダー。ScanSnapプレミアムアンバサダー。エスパサポ。中小や飲食マーケアドバイザーとDX支援、広報PR。お仕事相談はお問い合わせより。