北新地のエペ(epais)で食べる国宝「マンガリッツァ豚」のとんかつを
突然ですが、美味しいとんかつをイメージしてください。
…
イメージできましたか?とんかつ、食べたくなりましたか?
さて、おそらくここで多くの方が想像したのとは、まったく方向性の違うおいしいとんかつが、豚肉が、あったとしたらどうでしょうか。あるんですよ、そんな奇跡みたいなお肉が。
大阪の北新地でミシュランのビブグルマンに選ばれたとんかつ店「エペ(epais)」にて、ハンガリーの「食べる国宝」、マンガリッツァ豚のとんかつをいただいてきました。
ジューシーなのにさっぱりしている脂身があっただろうか
マンガリッツァ豚に関する情報はあとにまわさせていただくとして、まずはエペでいただくとんかつの味わいをご紹介しましょう。
今回はランチタイムに訪問。基本的には予約しないと入れないくらいの人気店、と思って問題無いでしょう。ランチタイムは時間が3つに区切られてのローテーション制。なんで、大きな遅刻などは基本的にNGです。
今回は12時の予約でしたので、11時55分には店頭に到着。猛暑の影響でエレベーターホールを兼ねる店頭は蒸し暑い!というのを知ってか、少し早めに席へと通してもらいました。予約時点でオーダーは入れてますので、あとはマンガリッツァ様の到着を待つだけです。
ちなみに出されたお茶はルイボスティー。とんかつ店でルイボスティーは初めてかも。
ランチとはいえどコースで提供されるのがエペの特徴。まずは前菜の到着です。美しい。そしておいしい。さすがビブグルマン店。前菜からぬかりないです。
そうこうしていると、マンガリッツァ様の到着です!
食べる国宝とは良く言ったもの。いや、本当にハンガリーで国宝認定されているんですけどね。
このマンガリッツァの特徴は、見てわかるように素晴らしい赤身と、食べてビックリな脂身の肉質。
まず赤身ですが、とても柔らかくそしてものすごーーーくジューシー。肉汁が溢れてくる、とはこういうことをいうのでしょうね。お店の調理の丁寧さもあるとは思いますが、これは…赤身とんかつの最高峰を味わってしまった気分。また、香りが独特で、雰囲気としてはなんとなくイベリコ豚を思い出します。飼料に木の実や種が含まれているそうなので、その影響なのかな?実際のところ、先祖が同じみたいですね。
そんな希少なマンガリッツァさまを食べていると、なんだか頭に浮かんできてしまうのは…牛? 確かに豚肉なはずなんですが、なぜか牛肉を食べているような感覚に襲われます。どういうこと?
原理はわかりませんが、Wikipediaにも「牛肉に肉質が近い」という記載があるので、実際にそういう構造なんでしょうね。でもあくまで豚肉です。食べる国宝マンガリッツァ豚は、最も牛肉に近い豚肉でもあるのかも。
さて、赤身を堪能した後に、またしても驚かされるのが脂身の質でしょう。なんだこれは!?と思うほどに、さっぱりしているんです。
日常的に味わうとんかつの多くは、脂身が甘くジューシーでとろけるような感覚があるかと思います。あれはあれでおいしい。塩で食べたとき、無情の旨さを感じるものです。
ところが同じ脂身でも、このマンガリッツァ豚の脂身はまったくの別物。とろけるような舌触りと、独特の甘さはありますが、べたっとしていないんですよ。その秘密は融点の低さにあるみたいですが、これは味わってみてもらわないと説明難しいかもです…。
ちなみにエペでは角がこのようにカットされてました。個人的にはここの部分が好きなので、残して欲しい(笑
揚げ具合は見ての通り、赤身がほんのりピンクに仕上がっていて、これはもう最高です。たまらないやわらかさ。一口毎に幸せがやってきます。
食べる国宝マンガリッツァ豚とは
そもそもこのマンガリッツァ豚ってのが、とても希少なんですよね。もこもこっとした、愛くるしい姿のこの豚さんは、2004年にハンガリーの国会にて「国宝」として認定されました。
マンガリッツァ豚(マンガリッツア豚)とは | PICK (ピックサラミ)
世にも珍しい「食べる国宝」ですよ。国宝なのに食べて良いの!?と思いますが、そもそも1990年代の不人気となった時期に飼育数が落ち込み、その生存数がたったの200頭以下にまで。やばい!滅びちゃう!ってことでハンガリーが国を挙げて生育・保護をすすめ、今では5万頭以上が飼育され、世界中の美食家に愛される存在となったとのこと。その流れで国宝化されたそうなんですが、ハンガリー的には「食べられ続ける=保護につながる」って考えなのかもしれませんね。まったく知らなかったんですが、日本でも数が少ないながらも飼育している牧場があるんだとか。見てみたい。
閑話休題。
とにかくですね、これは唯一無二の豚であり、とんかつです。他店でのマンガリッツァ豚経験が乏しいのであれですが、いままで食べてきたとんかつとは根本的な何かが違いますね。でも安心して下さい、しっかり「ああ、うまいとんかつ食べたなあ…」という感想が残ります。それくらいにレベルの高いお肉であり、お店です。マンガリッツァについてはいっとき豚組でも出されていたようで、また復活して欲しいなあと願うところ。
なおエペではポルチーニ茸を混ぜ込んだ塩で食べるのがデフォルトです。ソースも用意があるということで試させてもらいましたが、これは塩だなと思いました。いや、むしろ何も付けなくても良いくらいかもしれません。それくらいに、味わい深いんですよね。キャベツのドレッシングは大葉とミントを合わせたオリジナルでした。これもエペならではですね。
エペのコース自体はアイスクリームとドリンクでしめ。僕はホットの紅茶をいただきました。他にもコーヒーやハーブティーがありましたよ。
のりおのまとめ
いやーさすがビブグルマン掲載店です。手の届く価格なのに、全てのレベルが高い。そしてこのマンガリッツァ豚の味わい。いやー食べて良かった。正直、大学生のころに「ひらぼく三元豚」に出合って以来の衝撃でしたね。東京でも食べられるお店、探そうって思いました。
なお店内にはウイスキーがけっこうありまして、壁にはアイラにある蒸溜所の写真が。これはウイスキー好きなオーナーっぽいですね。夜に来たら、ぜひウイスキーにとんかつを合わせてみたい。
エペ(epais)
住所:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-9-3 ニュー華ビル 3F
営業時間:[月~土] 11:00~15:00 (食材がなくなり次第終了)
18:00~22:00
ランチタイムの予約は、11:00~11:50、12:00~12:50、13:00~13:50の入れ替え制(食べログより)
なお、下記の通り予約には専用番号と決まった受付時間がありますので、お間違えなく。
予約は14時〜15時もしくは18時〜21時に、予約専用ダイヤル 06-6347-6599 へとかけましょう。ちなみにマンガリッツァ食べたいときはここでオーダーも予約しておくのがポイントかと思います。
最後にですが、お店を探すときはこの看板を目印にするのが良さそうです。気がつかないと通り過ぎちゃいますのでご注意を。酷暑の中、お店の前を2往復もしてしまったのはここだけの話。
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