ジャパンタクシー(JPN TAXI)に乗車!運転手さんにもいろいろ聞いてみた!
「そうだったんですか」
必至に追いかけて乗ったジャパン タクシーの運転手と一言二言ことばを交わすと、彼は納得したかのように、こう口にした。
「どうしても1度乗ってみたくて。」
そう、いま東京には2020年の東京オリンピックを見据えたタクシー専用車種「ジャパンタクシー」が少しずつ走り出し始めている。まだ全体の1割にも満たないというこのレアなタクシーに乗った話を紹介しよう。
乗り心地良し。レア度高し。ドライバーからの評判は…イマイチ!?
ジャパンタクシーという車
このジャパンタクシーは、完全なるタクシー専用車として、トヨタ自動車が開発し、この10月に発売を開始したもの。ベースとなっているのはシエンタと一般車ながらも、サスペンションの高級化やハイブリッド化、車椅子搭載可能レイアウトや衝突回避の安全機能搭載など、最新技術を注ぎ込んだ「人を運ぶための車」として唯一無二の存在となっている。
事実、その見た目のユニークさもあってか、街中で見かけると「おっ」と思ってしまう。いや、思うだけで無く、むしろ乗りたい。乗ってみたい。これほど乗ってみたいタクシーはロンドンのタクシー以来だ、というくらいに、乗ってみたい。
ということで、今回は確実に納入されていることがわかっている日本交通に照準を絞り、このジャパンタクシーに乗るまでと、乗った時の話を記録しておきたいと思う。
どうやったら乗れるのか
まず最初に考えたのが、どうやったら乗れるのか、ということ。そもそも全体の数パーセントというレア度の高さと物珍しさもあって、まだ空車で走っているところを見たことがない。そこで、予約車として送迎してもらえれば良いのではないかと思い、日本交通に電話をしてみた。
結果、予約はできなかった。正確に言うなら「確定」はできなかった。あくまで「優先」というレベルであり、絶対にジャパンタクシーが迎えに来てくれるとは限らないという条件付きでしか予約ができなかった。
事実、試してみた予約では、普通にクラウンコンフォートが来てしまった。うーん、残念。
となれば、街中を流すジャパンタクシーを見つけるしかない。
そこで1つアイデアが。タクシー乗り場に並んでいれば、いつか見つかるのでは無いか?
その考えは正しかった。例えば帝国ホテルのタクシー乗り場には、このジャパンタクシーが並んでいた。しかし、列の関係でその時も乗ることはかなわなかった。うーむ、難しい。
こうなったら、とにかくタクシー流量の多いところで待って待って待ち続け、いつか捕まえることができるのを期待した方が早いのかも?
思い立ったが吉日と早速銀座の街中にて実践。道ばたで待つこと15分。ジャパンタクシーを発見した!しかし、目の前の交差点を曲がっていってしまう!マジか!
そこで、走って追いかけた。幸運なことに、次の信号で追いつくことができた。そこまでして乗ったのが、このジャパンタクシーだ。
乗るやいなや
「なにか執念のようなものを感じました…追いかけてきましたよね?」
(う、気がつかれている)
観光に興味が強いブログをやっているので、どうしても1度乗ってみたくて。
「そうだったんですか」
という会話がなされた車内は、1人で乗るには過ぎるほどに広かった。
「好きなだけ写真も撮っていいですよ」
なんとも親切なドライバー氏は、この奇妙な客の相手を積極的にしてくれた。
ジャパンタクシーって、どうよ
いろいろと話を聞くと、こんな感じだった。
実はこのタクシーは、一般の人はまだその存在を良く理解していないため、避けられがち。僕のように追いかけてまで乗る人は、マニアか、業界紙の人か、はたまた僕のようにネタとして取材したいか…そのどれかであることが多いようだった。
乗り心地について評価するならば、とてもシエンタであったとは思えないなめらかな走行。ハイブリッドもあって音も静かであり、しかも割り当てられるのがいわゆる「優良」の中でも特に優秀なドライバーで、運転がうまい。例えば日本交通では、最上級レベルのドライバーである『黒タク スリースター』を持つドライバーだけがこの栄誉にあずかることができるそうだ。
そんな乗務員が暫くの特別研修を経てまで運転するこの新型の、乗り心地が悪いわけがない。
しかも冬場にはありがたいシートヒーター付きである。お尻が温かいのはとても嬉しい。
また、車椅子を1台乗せることができるレイアウトも手伝って、足下がとても広い。どれくらい広いかといえば、新幹線のグリーン車くらいの奥行きがある。これならスーツケースを持ったまま後部座席に乗ることができる。
また、写真を見返していてわかったのだが、USB充電ができそうだ。
このように、乗る側からすればとても魅力的なこのジャパンタクシー。であるのだが、乗務員からすると「まだまだ良くできる」というポイントが多々あるそうだ。
例えばステアリング。
様々なボタンをそなえた最新のステアリングは、とても操作性が高いように思える。
ところがドライバー側からすると、必ずしもそうであるとは言えないそう。その理由は、ハザードボタンの設定位置。
とかくタクシーは、ハザードボタンを使う事が多い。しかも急に必要となるケースばかりだ。一見、押しやすそうな位置にあるように思えるが、 実はこれ、ステアリングを回すと、瞬間的にどこにあるのかが把握しづらいのだそうだ。確かにいつもは3時の位置にあったとしても、時として6時、8時、11時と、360度どこにでも移動してしまうのはステアリングに装着されている宿命である。
ちなみに従来はウインカーレバーの先端にボタンとして存在しており、いつでも人差し指で押すことができたそうだ。そうだったのか。
ほか、細かいところでいえば、仕様としてのジュータン、座席が黒すぎるそうだ。黒すぎるとどうなるかというと、細かいゴミが目立つということ。特に砂が目立つそうだ。もう少しグレーにしてくれたら…とのこと。なるほどねえ。
とはいえ、そのあたりは些細なもの。
基本的に「乗っていて心地よい」という事実には変わりがなさそうだ。
のりおのまとめ
目の前の交差点を曲がっていったときは「終わったわ…」と思ったが、諦めず追いかけて良かった。それに尽きる。本当に親切なドライバー氏に感謝。
ジャパンタクシー&日本交通
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