サントリー「クラフトセレクト」個性あるビールを手軽に飲み比べられる時代がきた!
ビールって、どれを買っても大差なくて、苦くて、なんか選ぶ楽しさが無くて…と、思っていた時代が僕にもありました。そんな先入観を覆してくれたのは、昨今の地ビール/クラフトビールの流行。それぞれに個性的で、「ビール」とヒトコトでくくるには難しいくらいの幅があって、それこそ「ビール好きじゃ無いんですよー」って言ってた自分の過去を後悔するほどです。
さて、そんなクラフトビール界に本気でチャレンジしようというのが、今回サントリーさんの発売する「クラフトセレクト」です。先日こちらの試飲会に招待していただきまして、初回に発売される個性的な3種を試してみました。これはビール初心者やクラフトビールの入門として大変よろしいのではないでしょうか…!
クラフトビールの深遠なる世界を手軽に、気軽に
先に言ってしまうと、今回クラフトビールについて勉強させてもらった感想としては、これってとってもウイスキーの世界に近しく、特徴も課題も似たようなところに焦点があたるんだなあと。
ときにクラフトビールの特徴といえば、
・味わいが多種多様で個性的
・選ぶ楽しさ、飲み比べる楽しさなど、とにかく楽しい
・理念もパッケージもスタイリッシュでかっこいい
という、いわゆる既存のビールに対するアンチテーゼ的な部分が大部分を占めています。
ところでこれって、世間一般の見ているウイスキーの世界と、同じまではいかないまでもけっこう近しい課題があったのかなと。ウイスキーって「こういう味!」というイメージで、選ぶ楽しさなんてほとんどの人が知らなくて、パッケージはおじさんくさい、みたいな印象あるじゃないですか。実はこれ、ビールでも同じだったんだなあと。でもね、実際にはウイスキーも上記のような特徴があるわけですよ。だってほとんどの蒸溜所がクラフトビールのそれみたいに、ベンチャーくらいの大きさですからね。
で、気がついたんです。ウイスキーと同じような楽しさがクラフトビールにもあるってことに。特に選ぶ楽しさ!飲み比べる楽しさってのは、僕のお酒の楽しみ方にバッチリど真ん中直球ストレートです。もしかして、これ?これを待ってた???
そもそもクラフトビールって、ベンチャー的な小さなブリュワリーが作るビールのイメージあるじゃないですか。小ロット生産、個性はバツグン!みたいな。サントリーみたいな企業とは対極のイメージですよね。でも、そこはやっぱり大きな企業じゃないとできないことってあると思うんですよ。それは、大衆への普及だったり、市場規模の拡大だったり、安定供給だったり。とにかく初心者でもとっつきやすい、選択しやすいスタイルを、気軽に買える状態で提供するのが、今回のサントリーの狙いなわけですね。
担当者の加藤さんいわく「これでクラフトビールが好きになってくれるなら、最終的には他社さんを選んでも悔いは無い」という覚悟がいいですね。会社は大きいかもしれませんが、担当者の心意気はまさにベンチャーマインドなんですよ。
思えば数年前まで、僕はまったくもってビールを飲まない人でした。乾杯でさえ拒否するくらい。でも、ベルギービールなんかは飲めることに気がついたり、自宅で実施したビアガーデンによって、良コンディションや個性的な味わいのビールであれば、他のお酒と変わらずに楽しめることに気がついたんですよね。
そんな体験をしてからはや3年。ついに我が家でも常備できそうなビールが登場してしまったわけなんですね。常備できるってことは、おいしいだけでなく、安定して供給されて、値段も手頃で買いやすい、消費しやすい製品ってことですよ。
楽しく選んで飲む工夫をぞんぶんに備えたビールたち
さて、クラフトビールは個性的と書きましたが、それって「選びにくい」という側面ももつと思うんですよね。買ってみるまでどんな味かわからない。一口飲んで、嫌いな味だったらどうしよう?みたいな。でもクラフトセレクトでは、その心配はかなり少ないでしょう。なぜかって、こんな便利なシステムをとっているから。
たとえばクラフトセレクト全体では、こうしたビールのテイスティングマップを作っています。
今回僕がイチオシしたい「青」のペールエールは、苦味が少し強めで、爽快感も強め。ふむふむと思うわけですが、これだけじゃありません。
このとおり、ビールごとのステータスについてもしっかりと☆評価にてわかりやすく表記されているんですねえ。たとえば僕なんかは香り重視でビールを飲むタイプなので、今回のクラフトセレクト3種類はばっちりハマりそう。何気にオススメグラス形状も記載されているので、おうちにピッタリのグラスがある方は、そちらで飲むと気分も上がりますね。
ちなみにクラフトビールの詳細カテゴリ(ビアスタイル)には厳格な規格が定められておりまして、その特徴ごとに100種類以上の名称が決められています。例えば上面発酵酵母で、素材は○○で、液色は▲で…みたいな判定基準を用いまして、最終的に「このビールは○○です!」となるわけですね。
ただね、いいんです。細かい大義名分やカテゴリなんかは、このさいどうでもいいんです。僕が言いたいのは「クラフトセレクトが想像の150%くらいのレベルで美味しいし楽しい」ってことなんです。
それではお待たせしました、今回その100種類以上のカテゴリの中から、栄えある初回の製品として選ばれた3種類がどんな味わいなのか、さらっと確認しておきましょう。
圧倒的に好き!柑橘類を感じるビールなペールエール
まずはペールエールです。北米出身のカスケードホップと20度前後で発酵を行う上面発酵酵母を使用すること(これがいわゆる「エール」)で、フルーティーなビールに仕上がっておりまして、その香りはまるでオレンジなど柑橘系を彷彿とさせます。当然ながら香料なんかは入っておらず、麦とホップが生み出す香りなんですが、なぜこんなにも爽やかが香りが生まれるのか…不思議でなりません。
で、ここが今回のポイントなんですが、べつに「ペールエールってこんなビール」みたいなことを知っていたり、覚えたりする必要、まったくないんです。サントリークラフトセレクトの「青いビール」と覚えれば良い…それが今回の製品設計のいいところですね。
サントリー クラフトセレクト < ペールエール> 350ml
それにしても…このビールうまいな…僕が缶ビールをおかわりしたの、5年ぶりくらいじゃないですかね…。嬉しいことに、通年で販売するそうです!やほほーーー!長期安定供給は正義!
ベーコンキムチーズの三角春巻きと合いすぎて恐ろしい。強い料理を受け止める力、ありました。
小麦からバナナの香り!の不思議なヴァイツェン
お次に試飲したのはドイツ語で「小麦」を意味するストレートな名前のヴァイツェンです。小麦麦芽を50%以上使用し、上面発酵酵母で醸造することによって、大変フルーティーな香りを持つビールにしあがっておりまして、その香りは…まさにバナナ!なんなのこの南国感!?苦味はとても抑えられていまして、これ、言われなかったらビールってわからない人がいるかも。それは言い過ぎか。
サントリー クラフトセレクト < ヴァイツェン> 350ml
それにしても、なんでこんなフルーツ香が出るんだろう。不思議すぎる!ちなみに僕がいままで知っているヴァイツェンとは一線を画すくらいに軽くて飲みやすかったです。これならヴァイツェンも飲めるなあ。さすがの商品設計。
「豚天のさっぱりサラダ仕立て」がばっちりの組みあわせ。というか、このバナナ香は天ぷら系と合いすぎるでしょ。
白ワインみたいなゴールデンエール
最後に登場しますのは、白ワインのような華やかな香りをもつハラタウブランホップを使用したゴールデンエールです。こちらも上面発酵酵母を使用して香り豊かな仕上がりとなっておりますが、まさに白ワイン風の香りがありまして、これもまた不思議な感覚です。個人的には、今回の3本ではいちばん普通のビールなのかな、と感じました。個人差だとは思いますが。
サントリー クラフトセレクト < ゴールデンエール> 350ml
それにしても、料理ととっても合わせやすそうなビールですね。
「殻付き海老のガーリックアンチョビソテー」など魚介類との相性バツグン!だって白ワインだから!
のりおのまとめ
正直、びっくりしました。
ビールをふつうに飲んでしまう自分にもびっくりだし、そんな体験をさせてくれたクラフトセレクトにもびっくりです。特にペールエール!なんなんだ!このウイスキー大好きなビール初心者にとって、こんなにガツンとハマってくるとは思わなかったぞ!恐ろしい子!
なおクラフトセレクトでは3種8缶の飲み比べセットが用意されています。このシリーズは、飲み比べてナンボ!という世界だと思いますので、ぜひこのセットをオススメしたいところですね。箱もいいし、値段も手頃。そうなんだよなあ、クラフトセレクト、この味を考えたらずいぶん安いんだよなあ。そこも魅力のひとつなのです。
余談ですが、やっぱりこの世界ってウイスキーとすごく近い気がしていて、このビールもクラフトにしては個性が薄いとか、○○はもっと××なべきだとか、言われるんじゃないかって気がしなくもありません。でもそれでいいかなと。いわゆるモルトの世界のマッカランやグレンフィディックのスタンダードなやつのように、この世界へいざなうための1本と考えれば、大変にリーズナブルかつおいしく飲める、素晴らしい製品であるように思えました。
最後に1つだけ、おいしく飲むためのポイントを。特に今回の3種は香りが良い製品ですので、冷やしすぎないことをオススメします!野菜室くらい?
サントリークラフトセレクト
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