「メーカーズマーク」の飲み方、秘密、そして蝋封の心意気を解説します
サントリーさんのお誘いで、老舗のバーボン「Maker’s Mark」のイベントに参加してきました。そこで体験した、メーカーズマークの代名詞「蝋封」作業と、そこから感じ取れた生産者の心意気!素晴らしいバーボンですね、これは。
なんでサントリーがメーカーズマーク?
「え、なぜサントリー?」と驚くかもいそうですが、実は今年の1月にサントリーさんがMaker’s Markの権利を持つアメリカのビーム社を買収したため、当然ながらMaker’s Markもサントリーさんのお酒になったわけです。そういえば!ってね。
ということで、サントリーさんのイベントなのです。
そのメーカーズマークは世界に1本しかないのです
メーカーズマーク。世界に1本しかない、あなた宛のバーボン。これがいったどういうことかといえば、実は僕も知らなかったんですが、メーカーズマークの代名詞でもある、あの封蝋(=蝋で封をすること)って、1本1本が職人の手作業なんですって。えええええ。
職人のおじちゃんおばちゃんが、あの本数をエイヤッ!とやっているのか!それはビックリ。四家さんいわく、マニアになると封蝋の形で「ああ、この作業したのって○○さんでしょ?」みたいな、封蝋によるプロファイリングができるのだとか。驚き!
さて話は戻ってメーカーズマークのテイスティングです。ウイスキー好きであれば、バーボンと言って思いつくものがいくつかあるとは思いますが、そちらと比べることで、メーカーズマークの立ち位置を明確にします。
3つの飲み比べ。
色はすっきり系ですよね。ウイスキーマニア的には、この時点ですでに麦の甘みが想像されます。
で、飲んでみるとやっぱりそうなんです。華やかな香りと、上品な麦の甘さ。うんうん、これこそメーカーズマーク!
メーカーズマークの秘密を学ぼう
さて、試飲をする僕らの横では、同飲料担当の松岡さん(こと、サントリーのジダン)が熱く説明をしてくれています。この解説がまた、本当に熱い。サントリーさんの飲料担当者って、ほとばしる情熱をガンガンに燃やしてくれる人が多い印象です。これも社風でしょうか。ぶっちゃけ、好きです(笑
で、バーボン。バーボンの特徴は、トウモロコシ、ライ麦、そしてオーク樽の香りです。
バーボンがライ麦を選択したのは、大麦が育たなかったからなんですね…。ちなみにメーカーズマークはライ麦の代わりに小麦を使っているそうです。それがあの上品な味を生み出すわけですね配合比率は、コーン70%・小麦16%・大麦麦芽14%。素材の甘みを生かすために
コラムスチルとタブラー(精溜装置)の連続式蒸溜。まずアルコール分60%のローワイン(スピリッツ)を得、再溜では65%のハイワインを得る。通常は70%〜75%まで高めるが、仕込み由来の原料成分、コーンの甘みはもちろん、とくに小麦のふくらみのある甘みを生かすために低く設定している。
>こだわりの素材と製法|メーカーズマーク 世界に一本しかない、あなた宛てのバーボン。 サントリー
http://www.suntory.co.jp/whisky/makersmark/quality/
という工夫をしているそうです。だから柔らかいんだなあ。
しかし最大の味と香りの秘密は、ケンタッキーの風土にあり。そうなんだよなあ。ウイスキーって、その土地の風土がもろに出るんですよね。シングルモルトのアイラしかり、スペイサイドしかり。やっぱり長い年月をその土地ですごすと、色々と吸収するんでしょうね。ほんと、不思議だよなあ。これだからウイスキーはやめられない。
バーボン市場のお話。
笑っちゃうくらい伸びてます。
Maker’s Markなんて、もっと伸びてます。すごい!年率10%とかあり得るの!?
あり得るんですよ!
機械任せでは無く、人の手でつくるもの。それが信条のこのお酒。だから封蝋も手作業なんですね。
はい、ということで、ここで「未・封蝋のビンに、みなさんで封蝋してもらいます!」
やったー!!!ありがとうジダン!
最後に、いまいちど、メーカーズマークについての確認です。現存する最古のバーボン蒸溜所ってのは知らなかったんですよね。蒸溜所はほんと貴重なんで、守っていって下さい。
ラベルにも様々な秘密が。この辺りは公式Webにも載っていますので、そちらで詳しくご覧下さい!
もう待ってられない!はやく封蝋したい!
200度の高熱と3秒以内とビン底X
ということで、ここからが封蝋体験です。やったー!まず封蝋には、重装備が必要です。それもそのはず、200度に熱した蝋を使うからです。蝋が跳ねることも、たれることもありますし、最悪の場合はビンが割れます。だからこその重装備なんです。
ポイントは、前掛け(エプロン)と肘までのびた腕カバーですね。やけどが一番怖いです。
さらに安全のためのルール。蝋に浸けるのは3秒以内。ビン底に浸けたらイカン。これを守らないと、割れるかもしれません。
順番がくるまで、メーカーズマークでスモークしたピスタチオをつまみます。
なっ、なんなのこれ!すっげーうまい。衝撃的なうまさ。これを見ているバーテンダーさん、これ、すごくおいしいですよ。横浜燻製工房さんですって。
さて、そうこうしていると僕らのテーブルにも順番が。モダシンさんフル装備の図。背後のジダンにマークされています。
僕フル装備の図。コグレさんに撮ってもらいました。
さて行きますか。定番ですが「高温注意」の表記。
こちら、見本です。後でわかりますが、めっちゃ上手です。
さて、ここからは色々な人のやつを混ぜてお届けします。まずは構えて。
ボチャンと浸けて、サッと出して、たれないようにくるっと回しながら降ろして、最後はトントントンと上下に振る。これが封蝋の秘密です!
蝋の量がすごく難しいの。
ワイルドな感じに。
裏面とかすごくカッコいいですね…。
しばらく冷やすと完成です。
たれる、たれる。
し、下までたれちゃった。
この場合、このまましばらく待ちます(笑
ほんとすみません(僕です)
豪快で良いです!とは指導員のお言葉。恐縮です…。
これくらいの量がいいんだろうなあ(笑
浸け過ぎちゃった。
して、完成品はこちらです。最後にメーカーズマークのオレンジ絞りハイボールで乾杯して、解散となりました。
1本1本に込める想い
さて、封蝋体験してわかったことは、作業が難しい!というのもそうですが、1本1本に対する想いですよね。カッコよく封をして買ってくれた人にインパクトを与えたいし、きっとその日の感情や体調も左右して、個体差がすごく出ると思うんですよ。そこに手作業の良さがでるんだろうなあと。機械詰めの製品よりも、より買い手のことを想ってしまうと言うか。あなた宛の1本には、それを製造した蒸溜所の想いもありますが、なにより封蝋した人の気持ちがこもっているんじゃないのかな、と思いました。だって僕が封蝋したこのボトルには、間違いなく僕の想いが重すぎるほどに入っているもんなあ。開けられないよ(笑
ということで、ハイボールもとってもおいしかったし(これ、マジうまいので各お店は定番にしたらどうですか?)、封蝋体験はすごく良かったし、とってもいい夜を過ごすことが出来ました。
サントリーさん、今回は本当にありがとうございました!
関連リンク
メーカーズマーク 世界に一本しかない、あなた宛てのバーボン。 サントリー
ちなみによくよく見れば、売っている品のトップも個性たっぷりでした。面白いなあ。
(当然ながらサントリーさん取り扱いではない個体もあると思いますので、ご了承ください)
現地ではカラバリがあるそうですよ。
面白いなあ。本当にありがとうございました!
2019/01/29追記:
最近は「メーカーズマーク46」が人気あるみたいですね。