銀座文明堂と福砂屋の五三カステラの違いを解説する!
一番好きな焼き菓子は何?と聞かれたら、ノータイムで回答するのが「カステラ」です。実はカステラに目が無いのですね。
そんなカステラの二大巨頭といえば「文明堂」と「福砂屋」です。様々な因縁ある両者は同様にして高級路線である「五三カステラ」を販売しているものの、その味はまったく違っています。ということで、両者の違いを解説しておきますね。なお本記事の「文明堂」は「銀座文明堂」を指しています。
福砂屋と文明堂の関係をさらっと把握しておこう
せっかくなのでこの2大巨頭の関係を簡単に。長崎を発祥の地とする福砂屋は、いわゆる日本のカステラの元祖であり、実は文明堂の開祖も福砂屋で修行をしたという事実があります。つまり文明堂は福砂屋の弟分だったわけですね。
その後の両者の歩みの違いは本当に面白くて、福砂屋が福砂屋という単一の会社・ブランドで全国どこでも同じ味を提供するのに対して、文明堂は次々とのれん分けを行い、それぞれのお店がそれぞれ微妙に異なる味を出すという、大変に繊細な状況となっています。文明堂でも有名どころといえば銀座文明堂、日本橋文明堂、そして長崎の元祖でもある文明堂総本店ですが、やはり微妙に味が違うんですよね。しかしながら、文明堂と福砂屋の味もまた、違った方向性を出しているから面白いところ。ちなみに僕は文明堂で育ったので、文明堂が好きです。長崎では福砂屋のほうが支持あるみたいですね。
こってり福砂屋 対 あっさり文明堂
ということで本題へ。そもそもこの五三カステラ(正確には、文明堂は「特撰五三カステラ」、福砂屋は「特製五三焼カステラ」)は、卵黄と卵白の比率が5:3であることから名付けられた、と言われております。これはカステラ界における黄金比なんでしょうね。
そんな両社の五三カステラの大きな違いとしては、材料に「ハチミツ」を使っているかどうかが挙げられます。ハチミツを使っているのが文明堂、使っていないのが福砂屋ですね。
具体的な違いですが、まず文明堂の五三カステラは、ハチミツや和三盆を使い、さっくりしっとりとしつつも、上品なスタイルをつらぬいています。底面のザラメ感はほとんどありません。原料には指定農場の新鮮な卵、徳島県産和三盆、英国産「コッツウォルド・ハニー」を使用。
文明堂のサイトによると、製法としては以下の特徴があるそうです。
共立て法とは卵黄と卵白を一緒に泡立てる方法です。ネタ造りや見極めに熟練を要しますが、水飴の量をおさえ、最高級の素材の持ち味が生かされます
特撰五三カステラ / カステラの銀座文明堂
一方で福砂屋の五三カステラは、ハチミツ不使用。たくさんの砂糖と卵によってとにかくしっとり濃厚な味わいが特徴で、底面には無数のザラメが敷き詰められ、ジャリっとした食感が特徴です。色も、とにかく黄色いです。文明堂のものも十分色濃いのですが、福砂屋に比べるとまだまだですね。
このザラメの量!
カステラの風味をさらにコク深く、馥郁(ふくいく)と仕上げた特製五三焼(ごさんやき)カステラ。
砂糖、双目(ざらめ)糖、卵は多く、小麦粉は少なく配しております。
その為熟練した職人の高度な技法を要し、量産できない家伝の製法でお届けしております。
特製五三焼カステラ|福砂屋オフィシャルサイト
つまり、濃厚だけどあっさりさっくりなのが文明堂で、さらに濃厚でしっとりどっしりなのが福砂屋、といった感じでしょうか。
個人的には、牛乳にあう文明堂に対して、コーヒーに合う福砂屋、という印象を持っています。どちらも大変においしいのですが、個人的な好みは僅差で文明堂。ちなみに妻は福砂屋派です。
のりおのまとめ
結論としては、どちらも大変に美味しい。甲乙付けがたいですね。最近の五三カステラはどちらの商品でもカットされていて、お持たせとしても優秀です。なお濃厚がゆえに福砂屋のカステラを素手でたべるとベタベタになりますので、そこだけご注意を。
結論としましては、どちらも最高にうまい。それでいいと思います。
なお味の印象につきましては主観です。また材料については店舗に問い合わせておりますが、間違いがありましたらご指摘下さい!
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