「道具」だけじゃない。「装備」で人々の身を守るスリーエム #3mjp
少し前になってしまいますが、住友スリーエムさんのイベント「ざ・3Mセミナー」に参加してきました。いままでのスリーエムイメージを180度覆すような驚きの商品が紹介されましたよ。
テーマは「守る」です。
着て、かぶって、守る
今回のイベントのタイトルは「ざ・3Mセミナー 着て、かぶって、守る」です。どの単語も僕のもつスリーエムさんとは結びつかないため、これには興味津々。
高視認性安全服
まず紹介するのは、高視認性の安全服です。どういうことかといえば、暗いところで目立つ作業服ってことですね。よく工事現場の方が着ている、あの反射する服です。
これね。
さて、この服の何が凄いかと言えば、
光を当てると?
このように反射して光ります。
「えっ、ふつう?」
と思いましたね。しかしここでポイントが。
この写真だと光ってませんよね。
実はこの状態、僕の隣の人は光を当てています。どういうことかといえば、光の入ってきた方向にまっすぐ光を打ち返すという機能を備えているんですね。
つまり、僕の光の反射は僕には見えるけど、隣にいる人には見えない。
この光は僕にだけ見えている。
これが再帰性反射材と呼ばれるものです。実はこの素材、かなり昔にまだ東大舘研究室と関係があったころ、光学迷彩を作るための材料として聞いたことがありました。それを見る人それぞれに別の光を返すことができる特徴は、実はいろいろなことに使えたんですね。
ちなみに安全服の場合、通常の反射材に比べて視認性がグッと上がるのだそうです。なるほどねえ。
もちろんこんなに優秀な素材ですから、他の場面でも使われています。標識やセンターラインなどです。
そういえば圧倒的に見やすい標識ってたまにあるなあ…というのが、つまりはスリーエム製だったわけですね。驚き。
防護服もスリーエム
さてお次に登場しましたのは防護服。といってもバリエーションがすごくあって、軽くは雨から、重くは有害物質から守る服、それらはすべて防護服になるわけです。
今回登場したのは、有害物質から体を守ってくれる科学防護服です。
不織布で作られたコートを着ることで、身を守ります。衝撃などから守るのではなく、物質の付着を防ぐわけですね。
デザインもなかなか。
ちなみに、脱ぐ時に物質が自分に付着しないような仕組みとなっているようです。さすがのこだわり。そこまで気を使って設計するのがスリーエムだよなあ。
化学プラントや研磨工場、場合によってはバイオハザードでも使われるのだとか。農薬散布なんかもあって、確かにうちでも農薬まく時には使いたい。祖父のおうちにも紹介したいくらい。
と、思っていたら…え?着られるの?
これを…
着ました(ダイゴマン)
着ました(掘さん)
着ました!
着たよ!(嬉しそう)
輝く 3M のタグ。
実際着てみると、多少の蒸し暑さは感じるものの、動きやすさは損なわれていない感じでさすがの設計だなと思いました。なにより軽い。これ、持ち帰っていいとのことだったんで、家での農薬散布に使ったのですが、ほんと安心でした。うちはバルコニーで蒔いてるため、風向きを読むのが難しく、たまに自爆してたんですよね。これを着てマスクしてメガネかけたらすごく快適で、ちょっと手放せないかも…というのが本音です。
こんな良い物出してたんだなあと、しみじみ。知らなかった。
みんなでダフトパンクに!?スピードグラス!
最後に紹介するのがこちら。お、おう。
ダフトパンクのコスプレ!?
まさか。こちら、スピードグラスという商品。何に使うかといえば、溶接です。そう、ハイテクな溶接バイザーなんですよ。あの光から目を守る装備なんですね。
うちの実家もたびたび溶接していましたが、こんなにカッコイイのは見たこと無いよ!
女子×つなぎ×スピードグラスという新しい世界。
前面はごついですが、背面はシンプルなつくり。
このファイヤーパーターンのものも市販されているってんだから、いいよなあ。
お買い求め安い価格です。
ということで、どういうものかをご案内。こちら、自動で光を感知して遮光を行ってくれるところがポイントです。従来の溶接時の遮光って、常に遮光されるグラスをかけるか、手で遮光グラスを当てるかのどちらかだったんですよね。前者だといらないタイミングまで遮光されてしまい、後者だと片手がふさがる。最適な解決策の無い世界だったんですよ。
ちなみに溶接をご存じ無い方のために、簡単な動画を貼っておきますね。この光を見続けると視力が低下するんです。
あやういです。
それがこの
スピードグラスをかけるだけで
解決しちゃうの!?
ということで、こちらも体験。
かけるとこんな。
この擬似的な溶接光を遮光するか試してみます。
貴重なコグレマサト氏の写真。めったに出ないよ(笑
もっと貴重な近影(笑
女子×スピードグラス。この夏っぽい格好にスピードグラスってのは新しい。
実際どうなっているかというと、
普段はこう見えていて、
光った瞬間に
遮光!
↑これが ↓こうなる。実際かぶらないとなかなかわかりにくいですが、かなり遮光されています。
もちろん明るさや遮光具合の調整も可能です。
次世代って感じがしていいな。
それっぽい!と思ったらやっぱりデザインコンセプトは中世の騎士。
デザインが多くて職人にも愛用されているのだとか。
防護服を着ながら説明してくれるのが、なんかいいです。
バイクのメットだっていわれてもわからないよなあ。
守りも手抜かり無し!なスリーエム
いやー今回のイベントは衝撃的でした。スリーエムが化学メーカーだとは思っていましたが、まさか、身を守る方まで様々な製品を出していたとは。しかも、標識や反射材など、大変に身近ですよね。ここでも「ニッチな世界でトップを取る」というスリーエム文化が息づいているように感じました。これほどの大企業が、こうしたニッチなものを真面目に開発して、すごい製品に仕上げてくるのって、なんか楽しいですよね。
貼るものとキレイにするもの、というイメージだったスリーエム。そこにこれから「守るもの」という印象が加わりそうです。
道具だけじゃない、装備でもスリーエムは、スリーエムらしかったのでした。
関連リンク
>ざ・3Mセミナー02「着て、かぶって、守る」 #3mjp – Togetterまとめ
http://togetter.com/li/684465
↑当日の様子はこちらから。
>3M 住友スリーエム
http://solutions.3m.com/wps/portal/3M/ja_JP/WW2/Country/