ざ・3Mセミナー「意外と知らないテープの歴史」で知る驚異のテープたち
少し時間が経ってしまいましたが、4月に行われたスリーエムのブロガーイベント「意外と知らないテープの歴史」に参加してきました。GWで寝かせていた記事がいつのまにか1カ月経っていて、スリーエムさんすみません…。
さて、イベント中で見えてきたスリーエムのテープ事業の秘密とは?
テープの歴史はスリーエムの歴史
実はスリーエムに関しては、以前記事広告の仕事で取材をさせていただいたことがあります。
>住友スリーエム(3M)さんの会社はさながらおもちゃ箱のようだった | エアロプレイン
https://airoplane.net/2011/12/21/sumitomo-3m.html
リットマン聴診器に関する事実など、当時は驚きの連続だったことを覚えています。
さてそんなスリーエムといえば、やっぱりテープですよね。個人的にはコマンドタブが大好きです。「意外と知らない」と題されたイベント、いったい何が「意外」となるのでしょうか。
ゲスト登壇?司会?はおなじみいしたにさんです。
席に着くとテープが並べられていました。知らないテープがあるぞ?
イベントは、まず最初にスリーエムの簡単な紹介から。
・Minnesota
・Mining
・Manufacturing
で3つのMがまとまって3Mです。もともとはミネソタの鉱山工業会社で研磨剤を売ろうとしていた会社だったんですよね。
日本ではお馴染みの「住友スリーエム」の名称です。1960年設立なので、気がつけばもう50年以上ですか。
本社はミネソタ。
本社の近くには3M湖というものがあります。驚き。
Googleなどで有名な「15%ルール(一定時間自分の研究ができる権利)」はスリーエムが発祥です。
さて、そんな15%ルールもスリーエムのテープ事業に大きく関わってきます。
当時と言えば、自動車がどんどん生産され、一般化されていく時代。その自動車が塗装時に必要としていたのが、マスキングでした。その頃は新聞紙でマスキングするのが一般的だったようですが、これだとキレイにマスキングできないのは、僕も経験上よくわかります。
やっぱり問題が発生。そこでスリーエムのドルー氏が立ち上がります。
グリセリンに目を付け、貼ってもはがせるテープを開発して大成功!
ところが異動を命じられてしまったドルー。しかしテープの研究はやめませんでした。上司も「正しいことをやっている」とこれを黙認。これがいまでいう「15%カルチャー」のはじまりなんだそうです。
そんな研究の折、こんなものが持ち込まれました。
最新のセロハン素材です。
しかし結果は…大失敗。ぜんぜんだめでした。
だけどここがスリーエムのすごいところです。この大失敗なテープの利用方法を考え「梱包用のテープとして使えるかも!」と考えました。失敗作は透明ではあったものの、カールしたり裂けたり切れたりという欠点があったんです。しかしそれも梱包用なら生かせる、と考えたわけですね。
そこで裂け・切れを改善した結果、完成したのが「セロハンテープ」です。え、セロハンテープってスリーエム発祥だったのか!
さらに面白いことに、人気が出てきて浮き上がった不満「使いづらい」を解消するため、ディスペンサーまで開発!あの超便利なシステムまるごとスリーエム発祥なのかあああ。
スリーエム発展の影にテープ有りってことなんですね。セロハンテープを多用していた頃は、まさかスリーエム由来の製品だなんてこれっぽっちも知りませんでした。おどろきだ。
しかし!スリーエムのテープマジックはこれだけではないのです。
なんでも「くっつける」スリーエム
はい、まずこちら。僕らスポーツする人には欠かせない商品、メディカルテープです。スリーエムのテープはかゆくならなくていいんですよ!高いけどね(笑
工業製品と生活用品と、医療製品まで扱ってるって驚異的じゃないのかね。
そしてこれ。今回のイベントで最も驚異的だったこれ。建築資材として使われるテープです。ボルトの代わりに使われる、とか信じられません。でも確かにこれならフラットデザインが実現できますよね。重量も軽い。
このテープ、接着するとどれだけ引っ張ってもびくともしません。はがれる「気配」さえないんですよ。なにこれ!?自動車用品店時代、セメントテープみたいなものも扱ってましたが、あれとはクラスが違う堅さです。
それもそのはず、この建物がこのテープで貼り合わせて作られている(!!)ように、このテープは建物を建てることができる強度で接着するわけです。はああ。もう想像を超えちゃった。
耐候性も高く、建築分野で意外なほどに使われているそうです。まさか、テープで建物作ってるとか思わないよね…信じられません。
ほか、自動車産業とか
DIYテープの紹介も出てきますが、さっきの建築用テープがすごすぎてショックが抜けません(笑
コマンドタブは、強力な接着をしてくれるくせに、跡形も無くはがせる驚異のテープです。
新聞に貼ったテープをはがすデモです。こうやって先端を引っ張っていくと、キレイにはがれます。新聞紙からはがれるんですよ?
この秘密は、点で力がかかるようになっている構造にあります。面ではがすと圧力がかかりすぎて相手が破れてしまうのですが、引っ張って点で力をかけると、これが素直にはがれてくれるそうなんですよね。はーよく考えられてる。
「貼る」ことと「はがす」ことは表裏一体だった
今回のイベントでよくわかったんですが、スリーエムって「貼る」ことだけじゃなく「いつはがすか」までマネジメントして製品つくってるってことだったんですよね。貼るだけなら力を追求していけば良いわけですが、はがすとなると、これが途端に面倒となります。でも、そこをクリアしてきている。
その影には、15%ルールのように、自由に研究して、その結果を「何か」に生かせる社風なのでしょう。たくさん種をまいておいて、いつか芽が出て回収する。しかも、どんな花が咲くかは咲いてみないとわからないこともある…こんな雰囲気が成立しているからこそ、こんなに多様性のある製品がガンガン生み出せているのでは無いでしょうか。
そんなわけで、とにかく建築資材テープがすごかった!これから個人ユースでは「釘」とか「ボルト」とかいらないかもなあ。
スリーエムさん、いしたにさん、楽しいイベントをありがとうございました。
次回予告&リンク
はい、そんなわけで月末に第2回が開催されるそうです。今回は…やべー。これはやべーぞ(笑
詳しくはリンク先で!僕もまた応募しようと思います。あたるかな。
>3M 住友スリーエム株式会社 – タイムラインの写真
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