3M謹製コンクリート給水養生用水搬送テープが園芸クラスタの僕に深く刺さったその理由 #3mjp
少し前になってしまいますが、もはやお馴染みとなりつつあるスリーエムさんのイベント「ざ・3Mセミナー」。今回のテーマは「ら・ら・ら♪インフラ、3M!」ということで、生活になくてはならないインフラ周りの話がありました。
イベントの詳細はTogetterを読んでいただければだいたいわかるのではないかと思うので、今回僕のほうでは衝撃を受けた製品「コンクリート給水養生用 水搬送シート」というものすごい製品について紹介したいと思います。
コンクリートは奥が深すぎる
そもそもその「コンクリート給水養生用 水搬送シート」とは何か。
建築の現場…というか、我々の生活においてなくてはならない存在のコンクリート。このコンクリート、余り知られていませんが、実はなかなかに取り扱いが難しい性質を持っています。けっこう繊細なんですよね。
中身はセメントに水、砂、砂利をまぜたものですが、この比率ですとか混ぜ具合ですとか、それらが仕上がりに大きな影響を与えます。さらに、表面からみると数日で固まっているようにも思えますが、数ヶ月にわたって反応をしていき、段々と強固になる性質をもっていたりもします。
そこで重要となってくるのが、保湿です。ようは、水がないとコンクリートが(強度をもつ状態で)固まらないのです。
このあたりは科学の世界なので詳しくは語れないのですが、大学時代に建築学科だった友人が言うには「コンクリートは奥が深すぎる」とのことなので、本当に難しいようですね。
たとえば、固まっている最中に水が足りなくなるとクラックが出やすくなってしまうとのこと。とはいえ、前述のとおり数ヶ月ですよ?そんなに長い間に渡って、適切に水を供給するなんて、そんな夢みたいなこと、コストが高すぎますよ。そんなの簡単に解決しちゃったら、むしろ農業の世界が革命起きちゃいますよ…。
…というはずなのに、しれっと実現しているのがスリーエムです。このコンクリート給水養生用 水搬送シートを使うと、その夢のような作業が簡単にできてしまうということなんですよね。まさかー。
コンクリート給水養生用 水搬送シート
そんなわけで、ここからはシートのお話。この写真で色水につかっているのが、そのコンクリート給水養生用 水搬送シートです。これ、いったい何が起きているのか?もう少しアップで見てみるとわかるかもしれません。
どうでしょうか。実はこのシートには細かい線(凹のくぼみ)が入れてありまして、ひとたび水を得ますと、毛細管現象によって自動的に水を運んでいきます。そのスピードが想像以上にはやい!肉眼でも水が運ばれている様子が大変よくわかります。
毛細管現象で水を運ぶというのは、園芸分野ではたいへんよく使われる手法で、例えば家を不在にするときや、夏場の乾燥を防ぎたい時など、ヒモ(に準じるもの)の片方を水桶に、片方を植木鉢に挿したりして給水を行います。この方法、確かに安定したスピードで水を供給することができるため、大変に便利なんですよね。
でもまさか、それがコンクリートのためのシートにも使われているなんて!
こちらはもう少しわかりやすいように、実際のコンクリートに対してシートを適用したもの。↑からたった30秒後には↓のようになります。
しっとり!
このシートが本当によく出来ていまして、まずシートなので設置が容易です。地面があろうとなかろうと、毛細管現象がぐんぐんと水を運びます。もちろん横方向だけで無く、縦方向にも。そして半透明シートであるため、先の写真のように、コンクリートがしっとりしているかどうかを簡単に目視できます。うんうん、よくできてる。
これにより、一般的なコンクリートの平均値に比べて圧倒的に強固なコンクリートを敷設できるそうなんですよね。具体的には、国交省基準でマットにて給水養生したコンクリートに比べ、あまりにも圧倒的な密度で、2ランクほど差が出るらしいです。
これって長い目でみたらコストダウンにもなります。施工費に関すると1/4、全体的には1/10のコスト。なにより安全性が増します。よくトンネルのコンクリート崩落とか聞きますが、あれ、まさにこの話と直結していますよね。
仕上がり品質だけでなく、給水効率のおかげで環境面にも有利に働き、なによりシートのおかげで様々な作業負担が減らせています。もちろん自然の原理を応用しているのでコストも低い。シートの再利用も可能と、至れり尽くせりですよ。すごいシートだなこれは。
実際の現場ではこんな感じで封をして使うそうです。こうすれば夏の直射日光でも問題なし。うーん、便利だ。インフラだ!
これ、農業の現場で使えないのかな?
そんな話を聞いていて思ったのですが、これ、農業や園芸の現場で使えないのかなと。
たとえば我が家でいっしょうけんめい育てているバラ。気がつけば7鉢もありますが、これ、夏場の水管理が大変に難しく、枯れる間際になってしまうこともゼロではありません。他にも小さい鉢は保水力がないため、帰ってきたらカラカラになっていることも。
でもこの水搬送シートを使ったら…もしかして?と思っちゃうんですよね。なにより、距離をもてるのが素晴らしい。ヒモとか使うと、水場から距離がとれないのです。シートなら水は日陰において、植木鉢は日なたに置いて…ということが容易にできそうな予感。
これ、今年の春から夏にかけて実験予定ですよ。
のりおのまとめ
いやーコンクリートの話だったんですけど、園芸クラスタとしては大変に興奮しましたねえ。これを上手に使いこなせば、今年こそ水切れでの枯れにサヨナラできる…かも?
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません