人形町の老舗洋食店に代替わりの難しさを見た(ビーフかつれつ そよいち)
今日のお昼は、ひょんなことから人形町の洋食屋さんへとおうかがいしました。そこで聞いた代替わりに関するあれこれがなかなかに味わい深かったので簡単にレポート。(当初 そよいち を そよきち と誤記していました。すみません)
絶品のビーフカツ
このそのよいち、ビーフカツは1800円とランチにしては良いお値段なのですが、これがまた…うまいのです。なんだろう、絶妙な揚げ具合、ミディアムレアで出されるビーフカツの歯ごたえの素晴らしいこと…かみしめた時のうまみがたまらないんです。なんだ、ステーキ肉を食べているような。ぐあーこれうまいなあ。古き良き洋食だ…。
付け合わせのキャベツとマカロニサラダもおいしくて、一瞬にして食べきってしまいました。恐るべし老舗の味。
問題はその歴史にあり
ところで今回の記事は「味」以外の部分にポイントがございます。
実はこの「そよいち」、元々は「洋食 キラク」という人形町の名店で働いていた従業員の方々で立ち上げた店なのです。
このキラクでは、先代が亡くなったことによる代替わりの際、オーナーと従業員との間に紛争が発生し、従業員のほとんどが解雇されるという信じられないことが起きました。実際に料理を作っていたのは従業員であったため、その繊細な味は従業員とともに、キラクから失われたのです。
しかしそこは歴戦の従業員。「この味を無くしてしまうのは忍びない」ということで、先代の名前である「そときち」を屋号として人形町に新店舗を立ち上げます。
だが問題はまだおさまりません。この「そときち」には商標上の問題がありました。そこで店舗名を「そよいち」に変更し、やっとのことで落ち着きを見せて今に至るようです。なぜ「そよいち」かといえば、「そときち」からロゴを変更しやすかったというストレートなご意見w後付けではありますが、幸いにして店舗は人気店となり、昼時には行列ができるほどとなっていました。
*現在はさらに「そよいち」になっています
それにしても、まさか代替わりによってここまで泥沼な状態になってしまうなんて、人間って難しいものですね。元々のキラクにしてみれば、いったい何が不満で従業員の大量解雇なんてことに踏み込んだのでしょうか。よっぽど新オーナーは唯我独尊なのかな。とにかく、キラクにとって良かったことなどひとつも無いように思えます。
ちなみにブログが2008年から続いているようで、なんとも驚きました。もっとも古い記事はまだ「そときち」時代で、いろいろと熱のこもった文章が綴られています。飲食店のブログの使い方として素晴らしいきがしますね。
世の中には同様の話がごまんとあるのを知っていますが、なんでこうなっちゃうんでしょうね。三島にある「うなよし」といううなぎの名店でも同じようなめんどくさい問題が起きております。ちなみに食べログによれば、「キラク」の評判は下がり、「そよいち」の評判は上々であるようです。そりゃそうだよね、というところでしょうか。うーん。
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