「車両点検」「線路に立ち入り」鉄道謎キーワードの正体とは?
通勤通学の敵、よくわからないけど電車が止まってしまうあの謎ワードの正体に迫ります。
さくっとまとめると…
・車両点検は様々な車内トラブル(痴漢・病人等)をまとめている可能性が高い
・線路たち入りは、痴漢の隠語の可能性もありつつ、最近は本当に線路に逃げ込む人が多い
JR(東日本)の電車に乗っていると、不必要なほどによく耳にする「車両点検」「線路立ち入り」などのアナウンス。これらが原因となって電車が遅れることは日常茶飯事ですよね。でもよくよく考えてみれば、そんなに頻繁に「車両点検」が起きるような車両では怖いし、手軽に線路に立ち入られても困ります。
「やっぱりこれって隠語なのかな?」ということで、ちょっと調べてみました。
車両点検
なんで運行している車両に点検が必要なんだよ!と突っ込みが入りそうですが、ちょっと調べたところでは以下のような意味あいがあるようです。
あまりはっきりと言えない事情もあるようですが、次のような例があるようです。
(1)(車内)非常通報装置の作動があった場合
(2)荷物挟まり等によるドア閉鎖確認ができない場合
(3)(途中で下りたお客の通報による)忘れ物確認
(4)空調設備の不調
(5)(乗客同士の喧嘩などによる)車内設備の破損もちろんこのほかにも
(6)車輌故障
(7)人身事故等によるブレーキ設備等の損害確認
(8)投石や飛来物によるガラス破損等
(9)小動物轢断や衝突による損害確認
「車両点検」
「車両点検の影響で10分遅れています。」なんて放送を聞いたこともあるこの車両点検。
初めは車両に不具合や故障があってと思っていましたが、何人かの鉄道会社の人に聞くと理由は様々。「痴漢」の対応でも「車両点検」、駆け込み乗車で非常停車でも「車両点検」、「車内に不審者」「車内で汚物清掃」「車内で非常ボタンが押された」でも「車両点検」だそうです。
「車内点検」とは使わずに「車両点検」で統一されているようです。
ただケースバイケースのようで、「痴漢」でも「車内トラブル」とする場合もあれば、「車内で急病人の対応」でも、回復しそのまま乗車していく場合などでも「車両点検」とする場合があるようです。どちらかと言えば、本当に車両の機器類の点検よりも車内点検的な意味合いで使っていることが多いようです。
誠に恐縮ではございますが、お申し出のございました、車両点検につきま
してご回答申し上げます。
弊社では電車の運行中、運転に支障のある故障がが発生した際、その原因
が車両に関するものであった場合、総称して「車両点検」という表現でご案
内いたしております。
本日の丸ノ内線で発生した車両点検につきましては、ブレーキが緩まず点
検を行い2分後に運転を再開いたしました。
車両故障につきましては機械的な故障が多く、電車を車庫から出す前に必
ず点検を行い異常のないことを確認しておりますし、定期的に主要部分や電
車全般について点検整備を行っております。
また、車両故障が発生した際は、原因を究明し同種故障のないように努め
ております。
車両故障の原因につきましては、多種にわたりますので割合についてはお
答えすることが出来かねますが、この度のお客様からのお申し出を真摯に受
け止め、今後とも車両点検の強化に努めてまいります。– (キャッシュより拾った東京メトロに問い合わせた方の記録)
以上のように、車両点検とは「車両の中におかしなこと(トラブル)が起こったから駅員が確認します」の意味合いとなっているようですね。ただし東京メトロのように、滅多に車両点検という言葉を使わないような鉄道会社では若干意味が異なるのかも知れません。このあたりの違いをつきつめてみたいですね。
線路立ち入り
そんなに毎日線路に立ち入られたら困るだろう!と思ってしまいそうですが、こちらも調べてみた結果は以下のようになりました。
線路内に人が立ち入る可能性の高い場所といえば、やはり踏切か駅構内でしょう。踏切では、無理な横断をしようとして取り残された、など。駅構内では、ウッカリ転落や、近道しようとして故意に立ち入りなど。
今は踏切や駅のホームに非常ボタンがあって、目撃者などがボタンを押すと付近の電車は必ず停止し、安全が確認できるまで運転を再開できませんから、それが遅れにつながるケースも多いです。
酔っぱらいによる故意やウッカリである割合が非常に高いです(朝でも昼でも酔っぱらいはいます)。あとは、事情を聞こうとしても会話が通用しない老人や知的障害者など。鉄道利用者にも一般通行人にもいろいろな人がいますから、ふつうの常識では考えられないようなケースが次々と出てくるのも事実です。
線路内に「人」が立ち入ったと説明があった場合は、JRにとって「お客様」ではない人が線路内に立ち入ったことを意味します。通常は踏切から立ち入ることが多いでしょう。
主な例としては
・踏切がなったあと、無理に横断した。
・踏み切りでない場所で無理に横断した。あるいは文字通り立ち入った。
・上記と同様の状況であるが明らかに自殺目的であった。
・撮影その他の目的で線路のすぐ脇に立ち入った。
・非常に稀な例としては、跨線橋や線路に隣接する建物から落下した。(自殺目的であった例のほうが多いと思われる。)一方「お客様」が立ち入ったと説明があった場合は、JRにとってのお客様(=乗客)が線路に立ち入ったことを意味します。こちらはホームや列車から線路に降りるケースが多いようです。但し、不可抗力で立ち入った場合にも「立ち入った」と表現するかどうかは状況によるようです。(状況によっては「人身事故」と案内する可能性があります。)
主な例としては
・線路に落し物をしたなどにより、それを拾おうとしてホームから線路に飛び降りた。
・自殺をしようとして線路に下りた。
・駅構内で犯罪行為・迷惑行為をした人が逃走のためにホームから線路に下りた。
・本人の不注意や第三者行為によりホームから線路に転落した。
・撮影や趣味的な調査のために駅構内の線路脇などに立ち入った。
・列車を乗り間違えたなどの理由により走行中の列車を止めて、車外に出た。
・トラブル等や信号待ち等で駅間停車中の列車から車外に出た。(速く目的地へ行きたい、トイレに行きたいなど)
JR職員は「夜遅くだったら酔っ払いということもありますが、多くの場合は痴漢ですよ。電車内で犯行がバレて、被害者の女性に腕を掴まれたりして、次の駅に着いて電車の扉が開いたと同時に、犯人は猛ダッシュで逃げるんですよ。でもホームは人が多過ぎて逃げられないから線路に飛び降りて走って逃げるんです」という回答だったそうです。
ということで、基本的には痴漢関係か非常停止ボタン系のトラブルを指しているようですね。スリもこれに含まれるようですよ。
ということで、今後はこういったアナウンスが合った場合には、「いったい何が起きたのか」ということに思いを巡らせてみたいと思います。
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