【クラシック】超定番のチャイコフスキーを入手する

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チャイコフスキー後期交響曲、ムラヴィンスキー、レニングラードフィル
当サイトのクラシックCD紹介コンテンツの第1号を飾るのは、超、超、超と超が3つくらい付くド定番、名盤中の名盤と呼ばれることもある ムラヴィンスキー指揮、 チャイコフスキーの交響曲4、5、6番です。なぜこのCDが定番なのか?当然ながらいくつかの要素がありますんで、そこんところを適当に紹介します。

チャイコフスキー/Sym.4 5 6: Mravinsky / Leningrad Po

「お国もの」という概念

最近は楽団のメンバーも混血化が進んでいるためそうでもありませんが、このCDが録音された頃は、まだ「オーケストラの色」というものが演奏に色濃く表れていました。つまり、ドイツの楽団はドイツ的、ウィーンの楽団はウィーン的、そして当然ながらロシアの楽団はロシア的な演奏をすることが特徴だったのです。これは交通機関や楽団の信念により、自国のメンバーで楽団が構成されることが多かったためです。

そんな色を持つ音を聞いて育った作曲家の曲が、その国ごとの色を持った楽団の演奏にマッチするのは当然の流れといえ、それが「お国もの=演奏家の生まれ育った国の楽団による演奏」という言葉が生まれたのです。もちろん前述の混血化などにより、最近は(悪い意味で)そうともいえなくなって気ましたが。

話を戻しましょう。じゃあロシア的ってなんなのよ?といわれると、一般的には金管が硬質で超強力なイメージがあります。

当然ながらこのCDもその例に漏れません。超強力なロシア金管がバリバリ鳴ります。ですが、ムラヴィンスキー指揮のレニングラードフィルの特徴は一般的なロシア楽団のそれだけではありません。彼らの売りは、極寒の中に輝く氷の結晶のごとく、冷たくかつ美しく感じられる弦楽器隊です。もともとムラヴィンスキーはその異常な譜読みと練習・リハーサルの厳しさで知られており、弦の正確さ、一体感と美しさは録音の古さを差し引いたとしても超一流。言い過ぎても許されるなら、「これ、本当に数十人で弾いてるの?」という感じです。

チャイコフスキー/Sym.4 5 6: Mravinsky / Leningrad Po

で、本当の売りは

とまあ、そんな部分も確かに特徴ではありますが、クラシックを日常聞かない人にはとても分かりにくい特徴であります。そもそも曲知らないだろうし、ましてや手元に楽譜(スコア)なんてないだろうし(笑

じゃあ分かりやすいのはなんなのよ?といわれると、ひとつは当時世界でも有数のプレイヤーをそろえていた金管部隊です。全ての曲の盛り上がり部分で異常なまでの金管の咆哮を聞くことができます。ここでは「咆哮」といいたくなる感じなのが特徴です。咆哮以外にあんまり形容詞が見つかりません。

もう1点は、凄まじいまでの演奏スピードです。当時のレニングラードフィルはテクが異常で、はっきりいって人間の限界としか思えないほどのテンポで演奏をすることもしばしば。例えば交響曲4番の終楽章(4楽章)では、一般的な演奏の(体感)3割増しくらいの速度で演奏をしています。もう血管ぶちきれそうなほどです。僕が高校生の頃、はじめてこの演奏を聴いたときの感想は「え、クラシックってこんなに興奮したり、笑っちゃったりするものだった?」でしたので、恐らく皆さんも楽しめることでしょう。ただし演奏としてはただただ厳しく、華やかという形容詞からは程遠い音がしていますので、その辺は覚悟の上で聞いていただければ。イメージとしては、ガラスの切れ味を持った軍隊って感じでしょうか。

曲的にはどうなの?

チャイコフスキーの後期交響曲の楽章でわりと有名なのは、4番の4楽章、5番の2楽章、6番の4楽章などでしょうか。5番はベートーベンの5番「運命」を強く意識したと言われていて、有名な「ジャジャジャジャーン」と同じような運命のモチーフが出てきますので、聞きやすいかも知れません。5番の2楽章はその旋律の美しさが有名です。 デニス・ブレインというホルンの天才が吹く演奏が凄まじいのですが、そのCDを紹介するのはまた今度。6番はチャイコフスキーが自殺する直前の絶望感を投影した「悲愴」というサブタイトルが付いてるもので、ひじょーに暗いです。ただこのCDで聞くと限りなく美しいので、まあ眠らずに聞いてみて下さい。

今回のオススメは、チャイコフスキー/Sym.4 5 6: Mravinsky / Leningrad Po でした。

余談です

本当ならもっと速い、同コンビによる「ルスランとリュドミラ序曲」のCDを紹介したいところなのですが、妥当なCDが(廃盤&再プレスは高額なために)なかったので今回は割愛します。この演奏、速度が異常すぎてギャグの域に達していますので、一度は聞いて欲しい演奏には間違いありません。

とまあ、 たつをさんにWktkしていただいたので(笑)、毎回こんな感じかどうかはわかりませんが定期的にやっていきたいと思います。