2021年、我が家の生活を極端に変えてしまったオンリーワンのベストバイ

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毎年恒例「ベストバイ」の時期がやってまいりました。とはいえ、昨年はいつもと少しだけ違っておりまして、複数の製品を紹介するほどいろいろなものを購入しませんでした。ということで、1点突破的な「これだけを買え!」という話になっています。結論からいいますと、東芝REGZAの「全録TV」これを買って想像を遥かに超えるほど生活が一変しました。そんなお話。

全録ことタイムシフトマシンの印象と実際は大きく異なる

東芝REGZAのほこる全録こと「タイムシフトマシン機能」が登場したのは、10年前の2011年ごろ。ということで、すでに機能としては10年の歴史があり、いわゆる「こなれた」機能になっていると思われるタイムシフトマシン。すでに目新しさもなく、我が家も購入前の認識では「地上波が全部録画できるんだって〜」程度のもので、まあ使うこともあるかな、くらいの印象でした。

ところが、このタイムシフトマシンが完璧にキラー機能でした。なぜ機能の名前が「全録」ではなく「タイムシフト」なのか。ここを体感しているのとしていないのとでは、この機能に対する理解はまったくもって異なるでしょう。はっきり言って、この機能名を考えた人は天才だけど、なぜこの機能名なのかが語られていなさすぎる印象を受けます。REGZAさんよ、もっとそのことを語るべきじゃないのかね。

そもそもタイムシフトマシンは「好きな時に、見たい番組を、自由に楽しめる。」というキャッチで説明されている全録機能で、一般的な「録画機能」の上位概念のように説明されていますが、これ、間違ってはいないもののそんな単純な機能ではないんです。

そもそもですよ、「タイムシフト」と名前にはついているのに、それを説明しないのはもったいなさすぎる!ということで、この記事はベストバイの形式を借りた「タイムシフトマシン」の説明記事になる説が濃厚です。

タイムをシフトすることで全てのストレスがなくなる

そもそも「タイムシフト」とはどういうことなのか。タイムをシフトするという意味ですから、これは「番組の放送時間(タイム)を好きなタイミングに移動できる(シフト)」なのではないかと僕は考えました。つまり、日曜日の朝9時半からやっている番組を、火曜日の深夜25時から見ることができる、そういうことになります。

しかし!それでは単なる旧来の録画機能となんら変わりませんよね。全録が付いた?でも、それって旧来の録画を全番組やってるのとまったく同じです。単に録画数が増えただけじゃないですか?

そう思っていた時期が、僕にもありました。タイムシフトマシンは、本当にタイムをシフトする機能です。それは「番組の枠を超えている」ということが、ここでは本当に重要なんです。

例えばうちの子供は、毎朝6時55分ごろから決まった番組を見ていますが、時には寝坊したり、トイレに行ってたりで見逃すことがあります。すると、彼としては毎朝のルーティーンが崩れたことになるので、簡単にいうと「しっくりこない」状態になるわけですね。

ところが「タイムシフトマシン」を使ったらどうなるか。簡単です、テレビの中の時間だけを6時55分に戻すだけです。こうすると、現実の時間が7時だろうが7時30分だろうが、テレビの中では6時55分の時間が流れます。でもそれだと、単に録画したものの再生と変わりませんよね。

この機能の素晴らしいところは(そして危険なところは)タイムシフトしたところを起点として、まるで最初からそうであったかのように、ずっと再生し続けられる点です。つまり6時55分に戻ったテレビ番組は、何もしなければそのままずっと時間軸をずらしたまま再生され続けるのです。

タイムシフトがスマート過ぎて危険なことも

この機能を「危険」と書いたのは、テレビで時間を確認する習慣のある家庭にとっては、時計が狂ったのに等しい危うさがあるという意味です。例えば7時10分の段階で6時55分にテレビを巻き戻した場合、時刻として15分のずれが発生します。そして、タイムシフトマシンを止めない限りはこのままずっと推移するので、脳が時間を誤認します。例えば10分そこらくらいのタイムシフトマシンをかけてしまうと、体感的にも大きなズレがなく、しかし通勤時間や通学時間、特に子どもにとって重要な登校班の集合時間などにはクリティカルな時間のズレとなるので、気がついた瞬間に大きな絶望が襲うこととなります。特に自分以外がしかけたタイムシフトマシンは、時計と番組のズレを疑わない限り、気がつくのが困難です。

だから我が家の場合、タイムシフトマシンを使う場合は、その場にいる全員に「いま〇分巻き戻している」と宣言するルールにしました。それくらいに、このタイムシフトマシンはナチュラルであり、快適であり、そして危険であるわけです(褒めてますよ)。

タイムシフトマシンあるある

最後に、タイムシフトマシンを使っていて「ああ便利だなあ」ということを感じる、あるある事例を載せておきたいと思います。

まずは「最初から見る」機能について。これは、いまリアルタイムで見ている番組に対して、タイムシフトマシンを生かして「最初から見る」という機能です。実際に「最初から見る」ボタンが個別に設定されており、ワンボタンで実現できるのがとても便利です。実際、子供が適当に番組をザッピングした結果、この番組を最初から見たい!ということで使うケースが多々あります。毎週見ている番組の冒頭を見逃した時なんかにも使われます。便利過ぎる。

SNSで話題になった番組を後からチェックするのにも便利です。正直なところ、小さい子供がいると、主導権をもってTVを見られる時間ってだいぶ限られているので、話題になった番組をリアルタイムで見られることはだいぶ希です。ただ、事前に話題になっていれば録画すればいいのですが、いまやっている番組がリアルタイムで話題になっていることに気がついたり(たとえば藤井風が自宅から紅白出ているぞ!的な)、さらには後から番組が話題になっていることに気がつくこと(例えば紅白の最後でMISIAと藤井風が共演したぞ!とか)って事象にも簡単に対応が可能となります。これは、SNSヘビーユーザーの我が家的には精神衛生上とてもよろしい感じになっています。

全録であるがゆえに、コンテンス数がものすごいことになると、今度はそれを検索する機能がもとめられますよね。これについては音声検索がとても優秀で、子供でも簡単に番組を検索できます。たとえば「ぽつんといっけんや」や「うるとらせぶん」と発話すれば「ポツンと一軒家」「ウルトラセブン」と正しい番組名キーワードで検索されるのは、なかなかに便利。また、気になる番組のジャンルやキーワードを登録しておけば、先に探しておいてくれる機能もあるので、ストレスフリーです。

最後に、子供の行動がTVで左右されにくくなったことも挙げられます。これまでは、TV番組はリアルタイムであることが普通だったので、「この番組みたらトイレ行く!」みたいなやりとりがあったのですが、今はタイムシフトマシンがあるので「トイレの間は止めといて!」みたいなことが容易に可能です(タイムシフトマシンされている番組はリアルタイム視聴であっても好きなところで一時停止かけられます)。

このように、タイムシフトマシンは「脱リアルタイム」だけでなく、既存のテレビに対する顧客体験をまったく新しいものに変えてしまっているわけですね。

タイムシフトマシンはTVをオンデマンドにした

結局のところ、タイムシフトマシンは、TVを「受像機」ではなく「オンデマンド再生機」に変えたのかな、と感じました。もちろんタイムシフトマシンにも録画できる制限(HDD容量にもよりますが、おおよそ6chぶんを1週間程度、ただし地上波に限る)がありますものの、これってほとんどオンデマンドの世界なんですよね。番組表から好きなものを好きなタイミングで再生する、ワンボタンで止め、戻し、なんならダラダラと再生し続ける。なんなら音声でキーワード検索して、特定の人が出ている番組だけを見続ける。これはもうオンデマンドの世界に他ならないんです。

もちろん仕様上BSや4K番組はこれまでと変わらない視聴体験になっていますが、むしろそれがタイムシフトマシンの便利さを定期的に感じる体験となっていて、同じ1台のテレビなのに深いものを感じてしまっています。

ということで、タイムシフトマシン、これは旧来のテレビ好きはよりテレビが好きになりますし、オンデマンド好きにはテレビを好きになるきっかけとして働くかもしれません。前シーズンの型落ちであれば、ほぼ最高性能のものがものすごく安く買えたりもします。

そんなわけで、我が家の2021年買って良かったものは、間違い無くREGZAのタイムシフトマシンでした。

当然ですがいまからだと2年前モデルなので、2020モデルのほうが良いのかもしれませんが、REGZAのこのシリーズだと、43型がもっとも画素密度が濃く、4Kに没入できると聞いていたので、あながち2年前モデルを今から買うのでも良いんじゃないかと思っています。画素密度が足りないと、スカスカ感がある印象です(感じ方には個人差あると思いますが)。

本当に買って良かった。さて、2022年は何に感動するのだろう。