美術館とも言えるクロムニェジーシュ宮殿は映画撮影のメッカであり、世界遺産でもある #visitCz
北海道ほどの面積しか無いチェコには、たくさんの世界遺産が存在します。今回訪れた小さな街「クロムニェジーシュ」は、中心部にある宮殿と庭園がまるごと世界遺産というなかなか贅沢な感じなのですが、恐らく日本ではとてもマイナー。ということで、がっちりレポートしておきたいと思います。この建物丸ごと美術館な感じは、かなりビックリすると思いますよ。
チェコ政府観光局のブロガーツアーにて、プラハ以外のチェコの魅力を求めて、引き続き旅をしています。
作品の器として存在してきたクロムニェジーシュの宮殿
チェコに数多存在する中世からの建物の特徴は、ほぼ当時の姿そのままで今日まで推移できていることでしょう。このクロムニェジーシュ宮殿も同様で、途中大戦の占領時に少なからずの略奪を受けているようですが、それでも(火事から建て直された)17世紀からの姿をそのまま留めています。
そもそもこの建物は、当時の首都であったオロモウツの大司教が夏の別送として建築させたものでした。まず13世紀にゴシック様式として設計され、その後所有者の移行や流行などもあり、15世紀にバロック様式として生まれ変わります。ところがその後の30年戦争でスウェーデン軍に壊されてしまい、今度は17世紀後半に再びゴシック様式として再建築されました。現在の外観はこの時のものである、とのことです。
ところが、1752年に火事が起きて、外観を残して内部は焼けてしまいました。ということで、外観は17世紀後半のもの、内装はここ200年ほどのものという、不思議な構造になっているんだそうです。
そんなクロムニェジーシュ宮殿最大の特徴は、内部がほぼ美術館のようになっていることです。なぜそんなことになっているのか?
ひとつの可能性としては、この宮殿が時の権力者たちの会談や、ヨーロッパの運命を決めるような重要な議会のために使われていたから、ということがあります。ようは、豪華にする必要があったからというものです。
さて、ではその豪華、いや豪華絢爛な宮殿の内部を見ていきましょう。
各部屋ごとのコンセプトがぶっとんでいる
クロムニェジーシュ宮殿は部屋ごとにコンセプトがあり、そしてそのコンセプトがかなり個性的なところがポイントです。
早速ですが最初の部屋である「ハンティングルーム」がこちらです。
ええええ?って声が出ますよね。僕らも出ました。全員出ました。
この部屋は当時の主要なホビーである「ハンティング」の成果を自慢しつつ、ゲームに興じるための部屋。
だからこのようにハントされた動物たちの剥製がところせましと飾られており…なんですが、実はこれ、頭部そのものはイミテーションだそう。ちょっと安心。しかし角や牙はホンモノなんだそうですよ。なお、武器もホンモノだそうです。
いくらイミテーションが主とはいえ、この数には圧倒されます。イミテーションがゆえに全ての目がこちらを向いているような錯覚さえ受けてしまいます。
引いてみるとこんな感じ。ここでビリヤードやカードゲームができるのか!?と思ってしまいますが、当時はハンティングが一般的なので、僕らと感じ方が違うのかもしれません。
ちなみに時のロシア皇帝アレクサンドル三世の短期滞在ために作られたのがこのビリヤード台で、特注性だそう。なんと玉は象牙でできています。
お次がこちらローズルーム(ローズサロン)。歓迎の間ですね。
ハンティングルームが剛の部屋なら、こちらは柔の部屋でしょう。色使いもポップな感じです。
絨毯をはじめ、そこらじゅうに船のマークがあしらわれています。これは歴代の所有者の中でも最も重要といわれるテオドルコーン家の家紋だとか。
シャンデリアは巨大なボヘミアンガラス。すごい、いくらするのか想像できないレベル。
とても装飾が細かく、気が遠くなりそうです。
調度品も豪華なものばかり。このサイズの大理石の置物(花瓶?)とかどうなってるんでしょうか。
とにかく豪華な部屋です。とにかく置いてあるものは貴重なものばかりで、普通に美術館に収蔵されるレベルなんだとか。つまりここ、建物そのものがほぼ美術館なのです。
さて、お次は皇帝の間。
当時ここで会見をおこなったロシア皇帝アレクサンドル三世と、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の肖像画。ここに后であるエリザベートの肖像画もあります。
ドアの装飾からしてレベルが違う感じ。
ダイニングルームにはとても豪華なイスが。主人が座る場所だったのでしょう。
そしてそれを囲むようにして美術品が。特に壁には一覧の絵画です。
中には歴史的にも貴重で高価なものが含まれているそう。
さらに絵画まみれのダイニングルームが続きます。圧巻のひとこと。
美術的な作品が多く、個性的なものも少なくありません。これはキリストなんだそうです。
最後に大広間。ここでヨーロッパで最も重要な議会が開かれたこともあり、大きさと豪華さに圧倒されます。
ものすごい、のひとこと。実は映画「アマデウス」などの収録にも使われたことがあるそうですが、想像しうる豪華なバンケットルームの上をいくようなつくりで、もはや夢の世界です。
当時リアルタイムでここを利用できた人は、どんな印象を抱いたのでしょうか。
天上画まであって、手抜きなし。どうやってメンテナンスするのか不思議になるくらい、良い状態で保たれていますね。
当時の権力というものは、単なる億万長者とはまったく異なるレイヤーで生きていたんだなあと痛感しますね。なお、この部屋はヨーロッパ最高の部屋と評されることもあるそうですよ。
外の花は、先に紹介した庭園で育てられているそうです。
クロムニェジーシュのクヴィエトナー庭園に行こう!【世界遺産】 #visitCZECH [エアロプレイン]
さて、実はこの宮殿には広大な英国式の庭が付いています。英国式は自然を重視した庭の造りが特徴です。
これはThe 英国式ですね。
池も美しい。
歩いてもいいのですが、この日は時間の都合でカートに乗って庭を見学しました。
庭の象徴的な木です。どうやら複数の木が融合してしまっているようですね。
カートでさらっと30分くらいです。
庭園は出入り自由なので、子供の遊び場になっていました。うわあ、こんなところで遊びたい。
砂地のところでは、ヨーロッパのスポーツ「ペタンク」に興じる人も。なんとも地元に愛されている宮殿のようですね。
のりおのまとめ
何度も火事になったり、持ち主が変わったり、内部が美術館のようだったり、かと思えば広大な英国式庭園があったり。なんとも味わい深いお城でした。
それにしもこの近所に住んでいる子供が羨ましいことです。
これまでのチェコの記事はこちらから。
クロムニェジーシュ宮殿
Czech Republic – クロムニェジーシュの庭園群
スペシャルサンクス
今回のツアーを主催してくださったチェコ政府観光局、我々を受け入れてくれた各都市のガイドさん、ホテル、各施設の方々に感謝します。 Czech Republic – 旅費、宿泊費、食費、アクティビティ費をチェコ政府観光局に負担いただいております。公開される記事はブロガーの主観にまかされています。 また現地での回線を提供してくださったグローバルWi-Fiさん、スーツケースを提供してくださったレンタルサービスのアールワイレンタルさんにも感謝します。僕の旅では欠かせないコンビです。 海外WiFi レンタル | 海外WiFiならグローバルWiFi スーツケースレンタルは日本最大級の【アールワイレンタル】
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