千日回峰行の堂入り行者(釜堀師・當行満阿闍梨)に出会う延暦寺

2015/10/22京都府(寺社や桜・紅葉),読み物ご招待,千日回峰行,寺社,延暦寺,比叡山,釜堀

比叡山延暦寺会館 #比叡山への旅

先週の初頭、比叡山振興会議さんよりご招待いただきまして、比叡山周辺、延暦寺とその宿坊である延暦寺会館をブロガーツアーとして巡ってきました。が、どうしても様々な順番を飛ばしてレポートしておきたいことがあったので、先に記事にしておきたいと思います。

延暦寺会館に泊まらせていただいた日、我々は偶然ある出会いをしました。それこそ、昨日阿闍梨になるための荒行「堂入り」を果たして見事阿闍梨になられた釜堀師との邂逅でした。

延暦寺と阿闍梨と堂入りと千日回峰行

比叡山延暦寺会館 #比叡山への旅

さてさて、ここまでで既にほとんどの方にはわからない単語が目白押しかと思います。実際、僕も延暦寺で教えてもらうまではそれぞれまったく知らない言葉でした。

これらの言葉を説明するには、まず延暦寺の存在から紐解く必要がありそうです。

そもそも延暦寺とは、天台宗の総本山であるわけですが、それ以前に

日本仏教各宗各派の祖師高僧を輩出し、日本仏教の母山と仰がれている

のだそうです。聞けば法然上人、親鸞聖人、一遍上人、日蓮聖人など、教科書レベルで必ず名前の出てくるような各宗派の開祖さまたちがこちらで修行を行ったとのこと。なんとなんと、そうした立場であるというのは全く知りませんでした。織田信長によって焼き討ちされたことも有名ですが、その後に秀吉らの尽力もあって復興しているところにも、人々の延暦寺に対する畏敬の念というものが感じられるところです。

そんな歴史もあって延暦寺は「修行の場」という一面を持っているのですが、その中でも最も荒行で、かつ位の高い僧となるために行われるのが「千日回峰行」です。

これは地球一週分にあたる約4万キロを7年かけて歩く修行で、修行を行うのは主に雪の無い時期の夜間。また歩くと言っても、実際には延暦寺周辺の道無き山を走るように登っているようでした。事実、我々が出合った釜堀師も、その歩みはまるで走るかのような速度で、驚かされたものです。おそらく、道中かなりの箇所で祈りを捧げることもあり、そのスピードでないと朝までに1日分の行程を達成できないのでしょうね…。

で、その千日回峰行のクライマックスとなるのが今回の「堂入り」です。その名の通りお堂に入って真言を唱え続けるというこの荒行は、なんと堂入りから9日間は不眠不休(不臥)断食断水。つまりずっと休まず飲まず食わずで過ごすわけですね。修行そのものにも覚悟が必要で、失敗したら自決する決まりがあり、そのための荒縄と短剣(使い方はご想像におまかせします)を身につけ、白装束(つまり死に装束)にて行われるのだとか。

そしてこの荒行に成功すると、晴れて生き仏とも呼ばれる僧の最高位「阿闍梨」と呼ばれるようになるのだそうです。

 

そんな堂入りする夜に、偶然、本当に偶然立ち会えたのです。しかも知らされたのはその夜ですよ!そんなことってあるのでしょうか。

 

延暦寺に来たからこその感動体験

比叡山延暦寺会館 #比叡山への旅

そんな釜堀師が延暦寺まで到達するとされていたのは、午前2時過ぎ。この貴重な機会を逃すまいと、我々ブロガー一同は肌寒い暗闇の中、師を待ちました。そうして待つこと約40分。2時40分過ぎに釜堀師は現れたのでした。
さて、今回素晴らしいなと思ったのは、こうした貴重な日に立ち会えたこともそうなのですが、なにより、我々のようないち観光客であっても、聖地を訪れる誰もが分け隔て無く接してくれ、あまつさえ釜堀師に至っては加持(いわゆる祈祷)まで行ってくれたということです。最初は加持をいただく流儀がわからず手惑いましたが、他の方の真似をすることで、しっかりを加持をいただくことができました。具体的には片膝をつき、頭を垂れることで印と真言、ならびに肩と頭を触っていただき、おそらくそれで厄払いをしていただいたのだと思います。

僕は正直宗教にはあまりコダワリがありませんし、家庭の都合で寺社には幼くから親しみがありましたし、寺社仏閣が大好きなので京都に何度も訪れています。しかしこの体験にはなんとも形容しがたい、神聖なものというか感動というか、いままで参拝したことがあるどんな場所・時をも超える、不思議な感情を禁じ得ませんでした。

聞けばまわりの方々は、この日のために集まった同業者(つまりお坊さん方)ばかり。しかも日本中からです。驚きです。

延暦寺に来たからこその、この体験。偶然が重なった結果ではありますが、こうした聖地は何かを引き起こすのだなと強く感じました。
 

のりおのまとめ

比叡山延暦寺会館 #比叡山への旅

次の千日回峰行がいつ行われるのか、そして堂入りのタイミングがいつなのか、まったくわかりません。堂入りの成功は戦後13人目ということで、おそらく5〜10年には1人いるのではないかと思われますが、そんな日に単なる観光客が立ち会えるなんてことは、万に一つもないのかな、とは思います。

でも、延暦寺に来れば。なにかが起きる。そんな気がしてなりません。単なる観光地を越えた観光地、比叡山延暦寺。引き続き比叡山全体の魅力を含めてレポートしていきたいと思います。

 

比叡山延暦寺

天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]

延暦寺会館

比叡山への旅

今回は比叡山振興会議さんと、Linkトラベラーズとの企画で比叡山を訪れました。

ブロガーツアーに関する情報発信はハッシュタグ #比叡山への旅 にてなされるほか、各参加ブロガーのブログにてレポートがあがってきます。


なお本企画では、ツアー中における交通費・宿泊費および諸経費などにあてる日当が支払われております。また一部は今回のツアーのための特殊な体験となっている部分がございますので、ご注意ください(その部分は銘記されます)。

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著者プロフィール

Norio NAKAYAMA ブロガー、ライター、フォトグラファー、アドバイザー。 2000年よりテキストサイト、ニュースサイト時代を駆け抜けそのままブログへ。国内外への旅行やガジェット、日々の出来事などを紹介中。 旅と大宮のブログ「エアロプレイン」運営。Yahoo!ニュースさいたま市担当。三島市出身。アイラ島、青ヶ島上陸済。JFA公認C級サッカー/フットサルコーチ。チェコ親善アンバサダー。ScanSnapプレミアムアンバサダー。エスパサポ。中小や飲食マーケアドバイザーとDX支援、広報PR。お仕事相談はお問い合わせより。