究極の太刀魚、赤ウニ。「鮨匠 のむら」鹿児島にこだわる日本最強クラスな鮨の居酒屋!?
鹿児島に「日帰りで東京から食べに来る人がいるよ。もちろん飛行機で」というお寿司屋さんがありました。そのお店こそ「鮨匠 のむら」です。行ったのはずいぶん前だったのですが、記事になっていなかったので改めて。
鹿児島市中心部からちょっと離れたところにある
この鮨匠のむら、ちょっと中心から外れた場所、いわゆる住宅街にあります。これは狙っているようで、あえてこういった立地を選んでいるようですよ。 Googleマップだとここらへん。
最寄りは天文館通駅ですが、500mくらいあります。
お店はマンションの1階にあるのですが、これは知らなかったら入れないだろうなあ。
おおよそ予約で埋まってしまっており、飛び込みは難しいとのこと。予約は必須ですね。
外にもそう書いてあった(笑)
さて、どうやらこの日の予約はたった2組。なぜなら、悪天候で鹿児島入りも危ぶまれたほどだったから。もう1組は、どうも同業者(鮨か和食の板前) さんらしく、勉強に来たとのことでした。実は僕ら夫婦は、九州に入ってからこちらのお店の予約を取り付けたんですよね。あまりの悪天候に色々な予定が変わってしまったのですが、こちらの予約が取れたのは悪運が強いにもほどがありました。
セッティングはこのような感じ。地元の淡口醤油、たたき梅とわさび、みそだれ、ごま塩の4種の薬味を自由に使って食べることになります。もちろんネタごとのオススメは教えてくれますけどね。
ということで、さあ、のむら劇場がはじまりますよ。店内にはJazz、店主はアロハ。まさに劇場。
怒濤の鮨、しかも漁師から直送。
さて、それでは鮨匠のむらのコース(おまかせのみ)をざざっと確認していきましょう。ただし、これはあくまで「この日」のネタに過ぎません。なぜなら、このお店では近海物のネタにこだわっているため、その日が豊漁だったのか、そうでなかったのか、天気は、温度は、などがダイレクトに影響を与えるからなのです。漁師から直接仕入れるネタも多いのだとか。
ということで、9月の頭で、しかも悪天候が続いた場合はこんなコースになるんだなあという程度に参考としてもらえれば。
こちら白鯛。歯ごたえも甘みもたまらない感じ。最初がこれか!
店主自慢の近海物のたこ。うまい。確かにうまい。スルメのように、味がどんどん流れ出てくる印象。歯ごたえもいい。うまい。
面白いことにこちらのお店、オススメの日本酒が杯で提供されるため、ネタごとに別々の日本酒を少しだけ合わせて飲めるという贅沢仕様。ただしあまり強くない方はご用心。気がつけば、相当な量を飲んでいたりしますので。
ちなみにお酒は飲む・飲まないのみ選択できて、飲む場合はどれだけ飲んでも定額となります。
さて、はやくも出ました、のむら名物「ミョウバン未仕様」の赤ウニです。ウニの形状を保つためのミョウバンを、まったく使用していないのです。これは漁場が近いから実現できており、日本全体で見てもこれが食べられるお店はかなり少ないんだとか。
気になるお味は、僕らの知っているウニの味から、甘みだけを抽出したような感じ。臭みもなく、ただただ、とろけるように甘い。深い。ウニをあんまりおいしいと思ったことがなかったんですが、ミョウバンのせいだったんだな…(正確には悪いウニほどミョウバンの使用量が多いそう)。
魚の断面がさあ…キレイなんだよ…。
油断してたら茶碗蒸しにも先ほどのウニが乗っかってました。
マイクロサイズの握りだが、それがいい
さて、ではここから本番の握りとなるのですが、ここ鮨匠のむらの握りは大変にコンパクト。これは、種類を食べてもらうためなのと、店主の考えるベストなバランスがこのサイズだったから、とのことです。
確かに小さめなんですが、なんだろう…食べてる感は半端ないんですよね。ネタの味が濃厚なんだろうなあ。酢飯も酢がわりと強めな印象。
やばいねえ。白身が、濃いねえ。
プリプリ感がはんぱねえ…。
また!きた!あの!赤ウニ!
前述の通り小さめのお寿司なのですが、ご飯よりうにが多いってわりと衝撃。
またエビ!?と思ったら、おもむろに目の前でさばいて目の前で茹でて、提供されました。甘さが、甘さがなんか、知らない味だよ…。
無心で食べる。むさぼるように食べる。
はい、こちらも名物のシャコ。もちろん目の前で茹でてくれましたが、僕ね、はじめてシャコおかわりしたいと思いましたよ。
圧倒的攻撃力を誇るシャコの腕も食べられます。
赤身をはさみつつ…
椀を飲みつつ…
のむらの最終兵器、太刀魚。のむらといえば太刀魚、太刀魚といえばのむらというほど、この店の代名詞となっている逸品。じわじわ火をいれたというその身は、消えます。まるで上質の肉が口の中で溶けるかのように、サッと、スッとほぐれて消える。なんたることか。
こちらにて終了!すごい、本当に満足。日本酒も10杯以上飲んだな…!
のりおのまとめ
店主野村さんの鹿児島愛というか、魚愛は相当なもので、場合によっては図鑑が出てきて「こんな魚なんだよ〜」とまで教えてくれるほど。
そのネタはどれも期待を超える水準で、特にうにとシャコ、太刀魚の味は、いまだにどこで食べても超えられません。店主いわく「東京から飛行機を使って日帰りで食べに来る人もいますよ」とのことですが、これだけクオリティあるネタを出されたら、そういう人がいてもおかしくないかも…とは思いました。
そして日本酒がまた、魚に合うこと。鮨をつまみに日本酒を飲む店、と思ってもそんなに間違いではないでしょう。店主も「居酒屋感覚でいてくれていいよ!」とのことで、The鮨屋!という雰囲気からはかけはなれていますが、ひとつのスタイルとしては完成されているんじゃないかな。冒頭にも書きましたが、まさに野村劇場。そう、ここは劇場なんですよ。
飲んで食べて、そして店主としゃべって。この日はおまかせで1人2万円となりましたが、僕は大変に満足しましたよ。鹿児島まで旅行に来たなら、ここにチャレンジするのは悪くないと思います。
ランキングを盲信するわけではないけど、食べログTOP100以内は、伊達じゃなかった…!ごちそうさまでした。