僕とCHAGE&ASKAと10代の青春(後編)

2014/05/21読み物CHAGE&ASKA,PRIDE,チャゲアス,最安値,音楽

10代の青春とチャゲアスとが複雑にからみあうのりおです。

前編の続きです。後編ですからね。

僕とCHAGE&ASKAと10代の青春(前編) | エアロプレイン
https://airoplane.net/2014/05/20/my-chage-aska01.html

実に中学生的な布教活動

13曲中9曲がタイアップというお化けアルバム「Red Hill」の発売を受けて、なぜかCHAGE&ASKAの布教に目覚めてしまった僕は、友人からテープへのダビング依頼を受けると、おまけとして「歌詞カードのコピー」を付けるようになっていました。もちろん自腹です。というのも、チャゲアスの曲は歌詞カードがあってなんぼ!と思ったからです。もちろんGUYSでの体験が元になっているのはいうまでもありません。

ただしそこはコピー。RedHillの赤いジャケットは無残にも白黒コピーされ、お世辞にも風情があるとは言えません。そこで中学3年生の僕がとった手段とは?家にあったクーピーで色を付けることでした。もちろん使用するのは赤一色。本物のジャケットを参考に彩色を行い、チャゲアスの布教活動にいそしむ。それが中学の僕でした。

こうなると、当然ながらカラオケに行っても歌うのはチャゲアスです。その後、苦楽を共にすることになる親友の土屋と出合ったのもこの時期でした。ふたりともチャゲアスの習得は完璧であり、アイコンタクトでチャゲとASKAを入れ替えることができる、それが僕たちでした。

余談ですが、静岡でチャゲアスのなりきりコンテストが開催され、そこで「太陽と埃の中で」を2人で歌い、審査員特別賞をもらったのが良い思い出です。その後、なぜか高校でも部活が同じになり、カラオケの度にチャゲアスを歌ったのは言うまでもありません。

ちなみに土屋は現在Glowlampというバンドでドラムを叩いています。

/_/_/_/_Glowlamp Official Website/_/_/_/
http://glowlamp.net/index2.htm

 

先の曲よりも、昔の曲に回顧しはじめる高校〜大学時代

時は流れて高校時代。僕は「野球部よりも休みが少ない」と言われるブラスバンド部に入部し、音楽漬けの毎日を過ごしていました。もちろんチャゲアスは聞いていたのですが、この頃になると少し変化が現れました。それは、新曲よりも、昔の曲を掘り出すことに気持ちが向いてきたのです。

この頃の新曲と言えば、「HEART」や「めぐり逢い」、「Something There」に「river」と、そのどれもが押しも押されぬヒットソングです。しかし、なんとなく、本当になんとなくですが、僕の好きだった中心線からはずれている、そんな気がしてならなくなってきました。

しかしチャゲアスが嫌いなわけではないのです。ではどうなったかといえば、古いアルバムの収集に走りました。というのも、古いアルバムが高音質をうたう「APO盤」として再販されはじめていたからです。ちょうど名作アルバムである「PRIDE」や「TREE」「SEE YA」などが欲しかった僕は、数百円高くとも高音質!ということで、この「APO盤」を購入しはじめます。といっても通常在庫では置いてありませんでしたので、取り寄せです。近所にあった「テラ」というCDショップで毎回注文をして購入をする、そんな日々が続きました。

また、少し毛色は違いますが、旧曲のラジオ風リミックスアルバム「Yin&Yang」もそんな旧アルバム集めの刺激となり、その活動はより速度を増していきました。

といっても高校生の財源などたかが知れていますし、この頃になると部活の関係でクラシックにもはまりはじめ、チャゲアスにつぎこめるお金にも限界が見え始めてきます。新譜の「Code Name.1」は発売日に購入したものの、「CODE NAME.2」を購入したのは受験終了後、というくらいに、新譜への興味はかなり薄れていました。ちなみにこの頃は「PRIDE」全盛期で、それはもう、毎日のようにSONYのWALKMANで聞いていました。

この頃のWALKMANといえば、15周年モデルのめちゃくちゃかっこいいモデル(WM-EX1)が出たばかりで、当然僕もそれを愛用していました。ちなみにカセットはSONYもしくはAXIAが好きで、好んで使っていた気がします。

2014-05-21_0151
Sony Japan | Sony Design|History|1990s
http://www.sony.co.jp/Fun/design/history/product/1990/wm-ex1.html

このモデルはほんとうによかった。3年間以上、壊れること無くずっと稼働してくれました。チャゲアスやアローラとともに、僕の青春時代を象徴するもののひとつです。

 

PRIDEが良すぎて前に進めなくなる

さて、話は戻ってチャゲアスです。そう、この頃になるともう「PRIDE」があまりにもなくらいにヘビーローテーションとなり、新曲への興味が本当に薄れてきます。もちろんチャゲアス自体が少しずつ変革してきたこともありますが、それを超越するくらいPRIDEのアルバムの完成度がすごかったのです。もちろんタイトルナンバーのPRIDEは名曲を超えた名曲で、今から考えれば、今の自分と同じ年代の人間が書いた歌詞とはとうてい思えないほどの素晴らしさです。これこそ、色あせない名曲と言えるでしょう。

思うようには いかないもんだな
呟きながら 階段を登る

夜明けのドアに たどり着いたら
昨日のニュースと 手紙があった

もうこのAメロの歌詞だけでノックアウトですよ。こんな歌詞、どんな経験したら書けるんだよ…とうなります。この感想は今でも変わっていません。

伝えられない ことばかりが
悲しみの顔で 駆け抜けてく

心の鍵を 壊されても
失くせないものがある プライド

なんど聞いても良い曲です。良い曲どころじゃないですね。恐ろしい曲です。

しかしPRIDEにはまればはまるほど、当時のチャゲアスが遠いような気がしてならなくなってしまいました。その想いは大学にはいってすぐに購入した「CODE NAME.2」を聞いた時、決定的なものとなってしまいます。事実、このアルバムはおそらく10回も聞いていないはずです(代表曲「ON YOUR MARK」はカップリングで持っていたため、このアルバムの評価の足しはなりませんでした)。自分がチャゲアスのファンかどうか、わからなくなった瞬間でした。この時僕は18歳。13歳からファンとして目覚め、加熱し、走り抜けた5年間でした。

残念ながら、その後は新譜を買わなくなりました。それは今でも続いています。

さようならチャゲアス。僕は過去の名曲だけを聴いて君たちのことは思い出にするよ。

 

 

と、思っていました。まさか20代であんなことが起きるとは。

そんなわけで、僕とチャゲアスの関係はもう少しだけ続くんです。

(つづく)

つづきはこちら

僕とCHAGE&ASKAと20代と人生と(終章) | エアロプレイン
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僕とCHAGE&ASKAと10代の青春(前編) | エアロプレイン
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Posted by norio nakayama