全国各地でその数4,000種以上!?近藤製作所で聞いた鍬(くわ)の話が面白すぎた !( #工場の祭典 )
くわ!農家の孫ののりおです。工場の祭典という神イベントで新潟にきています。で、鍬(くわ)と言えば農業。畑を耕すのに無くてはならない農機具です。
そんな鍬一筋、100余年。いまや日本中の鍬の製造を手がけている新潟県三条市の「近藤製作所」で聞いた話が余りにも面白かったので、宿から興奮冷めやらぬうちにレポートしたいと思います。
名物工場長の楽しいお話
こちらの近藤製作所、実は名物工場長がいることで有名でもあるそうです(工場の祭典パンフより)。それがこちらの近藤工場長。5代目です。
ハットがお似合い。
工場長いわく、鍬は日本全国津々浦々で仕様が異なっていて、大量生産に向かない工業製品なんだそうです。だからこそ、全て手作業の近藤製作所のような小さな工場に需要があって、日本中から問い合わせがあるのだとか。
…って、え?鍬って日本中で違うもの使ってるの???ということで見てもらいましょう、日本全国の鍬の数々。
叉の数も違う。叉の数が同じでも、大きさや長さ、柄の取り付け部分の形状が違う。
と、まあそんな感じで、今のところ工場長が知る限りで4000種以上が国内に存在しているそうです。よ、よんせん…しかもまだまだ未知の鍬があって、手書きの設計図から過去の鍬を復元したりすることもあるのだとか。ちなみに僕の出身地である伊豆では「伊豆鍬」というものがスタンダードなんだとか。
わりとスタンダードな気がする。
鍬の種類・仕様は風土由来?
で、ここまで違っていると、やっぱりその土地土地の風土や性質に由来した仕様になっていると思うじゃないですか。工場長もそう思っていたんだそうです。結論としては、実際ある程度は合っているんだけど、必ずしもそうでないことがわかってきたのだとか。
「土が軟らかい土地、固い土地の違いなどが形状に現れていると思っていたんだよね。その土地で最適な形に洗練していったんじゃないかって。でも、そうじゃないパターンがあることもわかってきてる。もしかしたら最初に作った人の趣味や、遠くから鍛冶屋が流れてきて飛び飛びに形状が伝わったとか、そういった別の要因が多分に含まれているような気がするんだよな」
とのこと。この未知一筋数十年の工場長が言うのだから説得力があります。同時に慣れた鍬 > 使いやすい鍬 の法則があって、どんなに非効率的な鍬でも、自分が使い慣れた鍬を使う人が多いのだとか。転居してその地に合わない鍬だとしても、頑なに慣れた鍬を使っているという人も少なくないとのことでした。面白いなあ。
工場の祭典最高だ
というわけで、そんな話を工場長としていたら、僕が最後のお客だったこともあって、その後お茶とお菓子をいただいて1時間くらい話し込んでしまいました。こういうの楽しいな。楽しすぎる。工場見学もしたいけど、僕はコミュニケーションしたいんですよ。こだわりや文化を吸収したいんですよ。そこにある人間の営みを目の当たりにしたいんですよ。
そんなわけで、今日は6つの工場を巡りましたが、工場の祭典最高です。まだ1回目で改善点もたくさんあるけど、とにかく楽しい。10月6日(日)までやっているということで、もしこの週末暇なんだよね〜って人がいたら、ぜひ。そして少しでも鍬に興味があったら、近藤製作所へどうぞおこしください。
ちなみに事前に連絡をくれれば、工場の祭典期間外でも見学OKだそうですよ!
以前書いた工場の祭典に関する記事はこちら。
>職人好き・工場好きが泣いて喜ぶ神企画「工場の祭典@燕三条」に行きたい! | エアロプレイン
公式サイトなどはこちら。
>開け、工場! 工場の祭典 – Factory Festival
>平鍬・備中鍬・万能鍬~全国対応の鍛造農具鍬専門の鍛冶屋。通信販売・修理・オーダーメイドいたします。金物の街、新潟県三条市[近藤製作所]