小島屋@南浦和で食べるうなぎは、あっさりパリッと伝統の味でした #さいたまツアー
さいたま市ブロガー・プレスツアーで行った、浦和でも伝統のあるうなぎ店、小島屋です。こちらのうなぎには、三島生まれの三島育ちで、月に何度もうなぎを食べて育った僕でも驚きました。
「蒲焼き発祥の店」ですと!?
この小島屋さん、世間では「蒲焼き発祥の店」と言われています。創業当時、こちら小島屋さんの周りは沼でした。もう200年くらい前のことですかねえ。
いまではその面影さえもありませんが、その沼で獲れる川魚を提供するお店として始まったとのことです。
その流れが、このうなぎの名店を作り、そして蒲焼きを誕生させたわけです。
いまお店を切り盛りするのは、5代目の店主。国内でも有数の伝統的店なのです。
廊下など、なんだか懐かしい雰囲気さえ漂います。田舎の古い家の空気があります。
そんな伝統店で出てくる料理が、まずいわけがない。でも先入観はいけません。僕は三島の看板を勝手に背負ってきています。そう簡単に認めるわけには…いきません。さあ、実食なり!
今までに出合ったことのない白焼き
なーんて生意気なことを書いてみましたが、もうダメですね。最初に出てきた白焼きで早くもノックアウトされました。
皮がパリッパリなんですが、身はふっくら柔らか。この歯ごたえの化学反応に「良い仕事」で仕込まれた鰻の味が光ります。良い仕事のうなぎって、さっぱり川魚系の味にちゃんとなっているんですよね。くどくないというか。といっても旨味は強いです。白焼きだからこそ感じる、うなぎ本来の味!わさびでなくショウガが添えられているのが、小島屋風と理解しました。
うわー間違いの無いうまさだなあ。これはやられた。
そんなことを話していると、どうやら焼きの現場が見学できるとのこと。おお、それは願ってもない。「串さし3年 焼き一生」とは店主の言葉で、その日の気候やうなぎの状態により、焼き加減を調整するのが職人の仕事となります。三島にいた頃も、焼き場を眺めるのが好きだったなあ。
そんな焼き場は、ここ小島屋ではとってもオープンにされています!自信の現れ…ですね!
国内最高級備長炭を使って、丁寧に焼き上げます。もう熱いのなんのって。
全ての動作が素早く、正確。これはおいしい蒲焼きができますよ…。
焼き場の背後では「蒸し」が行われています。関東にしてはあまり深く蒸していない印象を受けます。
とにかく「うまそう…!」のヒトコト。はやく食べたい!ちなみにとろみから推測するに、タレの味は「濃すぎずさっぱり」と予測しました。
さあ、ではうな重の実食です!
関東風でも関西風でもない、まさに「小島屋」の味
はい!出ましたうな重!いい焼き色ですね。もう佇まいが良いですよ。いいうなぎは佇まいが良い。
ごはんの色も見てくださいよ。かけ過ぎず、かといって味がないわけでもない色。ああ、やっぱり伝統店ってすごいんだなと、見た瞬間に思いました。これは期待できる!
してお味は…まず驚いたのが歯ごたえ。白焼きほどではありませんが、関東のうなぎにしては歯ごたえがあって、ザクッジュワッフワッという食感です。おおお、これははじめてかも知れない。タレは薄めの味で、甘すぎずサラリとしており、どちらかといえばうなぎの味を楽しませようというタイプ。見た目がトロトロしすぎていなかったので期待していましたが、やはり…これは好きなタイプの味です。
都内で食べる江戸前のうなぎって、その多くは僕にとって味が濃すぎまして…。そう考えると、この小島屋さんのうなぎはちょうど良い感じがします。肝吸いもさっぱり風味で上品でした。
後から先ほどの店主が教えてくれたことによりますと、やはり小島屋さんでは関西に近い味付け・調理になっているとのこと。だから江戸前に比べて歯ごたえがあるし、タレもさっぱりめ。でも元からそうだった訳では無く、時代によって少しずつ変化しているんそうなんです。うなぎも昔は浜松のものを使っていましたが、今は宮崎のものを使っているとか。暖かいところで育った柔らかいうなぎを使いたいから、だそうです。
こういった伝統店ですと、「板東太郎」なんかを使っているのかなと思ったんですが、違うんですね。色々なことに固執せず、良い意味での伝統店としていまだ進化し続ける…そんな小島屋の姿を見たような気がしました。5代目が若くて、柔軟かつ温和そうな雰囲気だったのも素晴らしいと思いました。
これは…妻を連れてまた来ないとなあ。浦和のうなぎ、恐るべし…!