JAXAブロガーツアー 「え、なんでここに宇宙ステーションの一部が置いてあるの?」
独立行政法人 宇宙航空研究開発機構といえば、そう、ご存じJAXAです。そのJAXAの総本山であります、筑波に「ブロガーツアー」としてご招待いただきましたので、その内部の様子をご紹介。普段は入れない部分もありますので、お楽しみに。
JAXA!
ロケットがお出迎え
JAXAに到着すると、まずは実際に使われるH2ロケットの予備であった本物のH2ロケットがお出迎え。当初はダミーだと思っていたのですが、予備だと聞いてテンションが急上昇です。ことによっては出動する、ってことですよね!?
まずは展示館を見学。こちらはだれでも入れるゾーンですので、さらりとご紹介。こちらBS放送衛星「ゆり」です。
と、さらりと…したいのですが、実はこちらに置いてある衛星も、半分くらいは「ダミー」じゃなくて「予備」。つまり、困った時には打ち上げる「本物」です!
ご存じ気象衛星「ひまわり」。
この金色のフィルムは太陽光線を反射して温度上昇を防ぐためのものです。ちなみに開く部分は「ベルクロ」が使われていて、手でベリベリと開くことが可能です(笑
こんなにお手軽で良いのか!
「きく」です。
巨大すぎる衛星には模型が併設されています。
良い出来のミニチュアです。
こちら、大震災の時に大活躍した「だいち」。地上の様子を撮影して送ってくれました。ちょうど2011年の5月に寿命で?運用停止となったそうです。
こちら宇宙ステーションの模型。
内部はダミーですが入ることができます。
ステーションはダミーでも大きいです。
グッと熱い感じのエンジン。
もうひとつエンジン。
宇宙服から顔をだして写真を撮ることができるコーナーもあります。
もちろん、あの「はやぶさ」のダミーもあります。
売店前には、ソユーズ帰還カプセル(本物)も!いきなりきたよ!
宇宙服だって本物です。米ソで宇宙服の方向性が違っていて面白い。ソ連はわりと布っぽい感じで、米は金属っぽい感じ。伝わるかな。
あ、レゴもありました。
売店で気になったのがこれ。真っ白なパズルです。これで忍耐力をトレーニングするのだとか。
ここからは普段非公開のゾーンです!
ここからは今回のツアーで特別に入れてもらったところです!
ビル内は美しい感じ。
こちら実際に訓練に使う潜水服(=水中訓練)。よーく見ると記号などが鏡文字になっています。これは、手元についている鏡で見ることを念頭に作られているから。へえー。
こちら負荷実験のための施設です。
圧力をかけたり…。
ぐるぐるまわしたり…
急発進急停車を繰り返したりします。
さて、こちらはかの「宇宙兄弟」で有名となった、閉鎖訓練棟!
ここに閉じ込められて、数日間共同生活をする訓練です。
反対側には減圧状態で暮らす棟もありました。
閉鎖棟はこうなっているそう。おお、宇宙兄弟そのまんまじゃないか。
こちらは宇宙食です。いつの間にか食事のバリエーションがレストラン並に増えていてビックリです。
コーヒー。
チョコレート。
キッシュ。
ソースやカレー。
鯖の味噌煮。バリエーション豊かですね。
こちら、微妙に斜めなところで転がって耐性をチェックするところです。わずかに頭が斜め下となっていて、ダメな人はダメな感じです。
こちら有名な宇宙メダカ。ここにいたのか!
さて、次の棟へ。所内は紅葉が綺麗です。
サッカーコートもありました。
ふと駐車場に置いてある大きな製造物。これ、なんと直前で打ち上げ中止となったステーションの一部でした。駐車場に無造作におかれていますが、何かが異なっていたら、宇宙にいるはずの一品です。まさに「え、なんでここに宇宙ステーションの一部が置いてあるの?」状態。
で、ここからは写真が無いのですが、それもそのはず、まだ公開されていない衛星の製造現場を見学させていただきました。ガンダムも入る(by 野間さん)という巨大なハンガーにて、衛星が粛々と作られている様はなんとも不思議な感じでしたね。残念ながら国家機密なのでお伝えすることはできないのですが、JAXAに来たんだ!ということを強く感じた瞬間でもあります。衛星事業と言えばその分野の技術水準を引き上げるためにも重要な産業であるはず。平和な時代だからこそ、技術とロマンと科学の象徴としての衛星開発が存在することになんとなくグッときました。
最後には意見交換会。
JAXAをどうやってみんなに応援してもらえる存在にするかということについて、大いに議論がなされました。個人的には、まず身近なものになることが必要だと思うんですよね。そこには難しい横文字も式もいらなくて、みんなの生活にJAXAが与えている影響だとか、どんな素晴らしいことが起きるのだとかをもっともっと教えて欲しいなと思いました。例えばですが、次に開発している衛星が打ち上がったら、天気予報の精度がグッとあがる!みたいな話だったら、みんな応援すると思うんですよ。
一般的な感覚として、宇宙で起きていることって「イベント」ではあるけど「日常」では無いんですよね。非日常を継続して応援するのは、とても難しいことだと思うんです。だから、宇宙を日常レベルに落としてこなければいけない。これからのJAXAは、孤高の存在でありつつも、週に何回かは家庭の食卓でも語られる身近な存在にならなければいけないんじゃないかと思いました。
ということで、今回の機会をつくっていただいた、JAXAの関係者のみなさまに感謝!