【余市蒸溜所】リチャーからの樽再生大作戦 #余市
週末ごとの集中レポートでお送りしております、ニッカさん(アサヒビールさん)×AMNのマイウイスキーづくりブロガーイベント@余市蒸溜所。おまえいつまで書くんだ!と言われそうですが、やっと2日目にはいったばかりなので、まだ続きますw
2日目も快晴!では行ってみましょう!
まずは樽についての座学から!
まずはいつもの部屋に集合して、樽についての座学を受けます。それにしても気持ちの良い天気。事前に寒い寒いと言われていたのが嘘のような春の陽気です。
さて、樽について。材質は主にブナ科コナラ属の気となります。いわゆるオーク。日本の場合はオリジナル樽を作っていたりもします。
樽の構造。あの穴はダボ穴というのか…。樽はこの図のように湾曲していて、それを鉄のベルトで止めております。1枚1枚の板の隙間にはガマ(蒲)の葉を挟んでパッキンとします。
樽の大きさ・種類について。メジャーなのはバーボン樽、シェリー樽かと思いますが、こんなに大きさが違うんですねえ。
樽は新樽→利用→活性化→活性樽として私用→再利用といった感じで寿命を迎えます。だいたい30~50年。
樽にとって大事なことは…とうぜん漏れないことですが、熟成品質の目標からそれないことも大事です。もちろん価格・供給量も。あまりマニアックでも困るってことですね。
さて、樽について十分学んだところで、樽についての作業を行うこととなります!
さあ楽しいリチャーだぞ
さあ、次は樽の作業所へ向かいます。
ここ!ここに来たかった!嬉しい!
製樽工場!
おお、樽材が積んである。
フォークリフトかっけー!
これらが道具です。
さて、ではこの使い古された樽を再生します。
フタを外しました。
中は黒いです。前にもリチャーしてある樽っぽい。
さて、ここ余市では「リチャーマシン」なるものがありまして、リチャーは完全自動で行われます。ほー。安全ですね。
こいつがリチャーマシン。柄の先からは炎が、そして下は樽を回します。
最初はアルコールが残っているため、こんな感じの炎が出ます。
ゴワワアッワアワワワ(すごい音がしています)
だんだんと炎の色が変わってきます。
アルコールが飛ぶと、こんな赤い炎に変わります!おお、焦げてるにおいがする。
最終的にはこんな感じで激しく!
動画もあるよ!
ぐわーー!!
水をかけて確実に消火します。
焼きたてほやほやの樽。うわあいいにおい…。写真ではお伝えできないのが残念です。
さて、ここから樽を作り直すこととなります。
参考までに、樽はこんなに湾曲しているんだよという例です。
こんなに!?
噂のガマの葉。いまは輸入物を使っているとか。
さて、こんな感じで樽を開いて、隙間にパッキンとしてのガマの葉をさしていくことになります。
まずはこう楔を打って…
開かせます。
隙間にガマの葉が通っているのがわかりますか?
こんな感じ。
ではやってみましょう。
打ち込んで
開いたらガマの葉を挿入。
こんな感じでどんどん差し入れていきます。
最終的には全ての板の隙間に葉っぱが挟まれます。もちろん余分な部分は切り取りますよ。
おおー。
で、切り取った後。見慣れた感じになってきました。
完了!
さて、パッキンを詰め終わったら、最後に鉄輪をはめて樽をがっちり隙間無くします。
その際に使われるのは、これまたオリジナルの樽マシーン。清水鉄工所が作ったいかすマッシーンです。昭和60年だから、もう30年近く使っていることに。
年季の入った操作盤。こいつで
この謎のマシーンを操作します。え、いったいどうなるの!?
まずはマシーンの下に樽をセット。
そう、このマシーンは各腕を鉄輪に引っかけて、強引に樽にはめていくためのもの。
樽を持ち上げると、鉄輪がどんどん樽の中心部にむかってはまっていきます。
これ以上はめたら鉄輪がはじける!というところで樽を外して完了となります。
ところでこうやって1人で巨大な樽を扱えるようになるまでに、数年かかるみたいですね。
ではやってみましょう。微妙なレバー操作が求められます。やりすぎると「バッチーン!」と鉄輪がちぎれます。
はまってく…。
ちなみに右が新しい鉄輪、左が使い古した鉄輪。かなりさびますね。
微妙に角度がつけられているのがわかります。この角度が樽にフィットするわけです。
これは樽の底面。一見して穴があるようには見えませんが、実は木の目に微妙な隙間がある時があって、わずかに漏れることがあるそうです。もちろんその場合にはふさぎます。
はい、樽づくり完了!
職人技がかなり求められる、繊細な作業でありました。ウイスキーづくりって職人技が多くてほんといいわ。
そして次はついにウイスキーの樽詰めです!
なお、本エントリの残りは趣味の工場写真です。
製樽工場フォトセット!
ボタン萌え。
燃焼温度!
焼き加減。
道具たち。
必ず着用!
それにしてもやっぱり工場って面白い。そして職人って最高!
さあ次だ!
(つづく)
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