今Twitterのキャズム越えに一番近いのが朝日新聞という驚き

2009/06/10twitter,イベントレポートasahi,twitter,web,マッキー,レポート,朝日新聞

@asahi Twitter

朝日新聞公式アカウント「 asahi 」が一夜にしてTwitterユーザのハートをガッチリとキャッチしたというお話。下手をしたら、後々にまで語られる伝説のアカウントの誕生を目にしてしまったのかもしれない。ということで、asahi の発言ログを中心に記録的エントリー。

@asahi の誕生

朝日新聞公式アカウントの asahi が誕生したのは6月8日の12時19分。記念すべき最初のポストは

Twitter始めます。 まずは6月10日のサッカー日本代表ワールドカップ予選で。 お楽しみに!

と、まあ企業Twitterとしては何の変哲もないものでした。半角英数を使わず、全角で英数を入力するところなんかは新聞社っぽいなあ…なんて思ったものです。多くの人の想像としては「どうせニュースの新着情報でも流すんだろうなー」程度だったことでしょう。

@asahi は妙だった

ところが、です。次のポストからこのasahiアカウントは奇妙な方向へと曲がり始めます。8日の18時55分にポストされた内容がこちらです。

こんにちは、今回の試合担当のマッキーです! あさって、日産スタジアムで日本を応援します。アサヒ・コムでは、試合前の様子をフォトギャラリーでもお届けする予定です。みんなで日本を応援しましょう! ではでは、これから新人歓迎会に行ってきまーす。

…ん?マッキー?そして試合の担当?さらに新人歓迎会???

どうやら asahi というアカウントは複数人が更新を担当し、日本代表の試合のようなものをライブ中継なんかしてしまう??しかも新人歓迎会って、担当者の個人的なこともポスト可能なのかー!と、asahi は周囲を驚かせたのです。どうやらこのアカウント、他の企業のようにブログのポスト情報やニュースリリースを垂れ流すだけのアカウントでは無いようです。

@asahi のブレイク

試合が近づくにつれて、だんだんと asahi の、いやマッキーのキャラクターが判明してきます。

Jリーグのブースで、数量限定で芝生の種を配っているみたい。呼び込みの人が、「食べられません」ってアナウンスしています。(笑)私も欲しいな。

会場、盛り上がってきています。でも、写真あまり撮れていません。どうしよう(T_T)

上の2つだけをみたら、とても新聞社の公式アカウントとは思えません。もしかしたら、もしかするかも…この時点でフォロワーが激しく増加しはじめ、asahi は注目のアカウントになりはじめます。

そして、試合が始まるとついに asahi のブレイクがはじまります。きっかけは

松井、早く出てくれないかなぁ・・・

松井かな?松井かな?えへへ

これら松井ミーハー発言です。まさか新聞社公式アカウントがここまでやるとは…すでにこの時点で asahi の更新を担当するマッキーはフォロワーの心を鷲づかみします。しかも前半終了時には

1−0で試合終了。マッチボールはあたりませんでしたー 毎回楽しみにしてるのにな

なーんて天然ともドジっ子ともつかない衝撃発言。サッカーのルールも知らなかったらどうしよう…と心配になるおじさんフォロワーが続出し始め、この頃には @tsuda 氏も

リロードする度にasahiタンのfollowersが増えていく……。

カウンター増加を確認するためにリロードするなんて、侍魂以来だよ。

と語るほど。もうここまでくると、僕をはじめ asahi の人気に嫉妬し始める人が続出です。キィ!悔しい!ちなみにこの時点で asahi のフォロワー数が3000に達しようとしていました。

ここまでくれば、すでに asahi は成功を手にしたも同然。多くのユーザが「新しいメディアの活用だ!」「衝撃的なアカウント」「伝説の一夜になる」とその偉業を語り、まさにTwitter上ではasahiフィーバーといっても過言ではない状況が生まれていました。いまだかつて、ここまで好意的な話題になった企業アカウントが日本にあったでしょうか…?

asahi よ永遠に

とまあasahiの発言をもとに追いかけてきたわけですが、ようはTwitterをうまく使いこなしたのが朝日新聞というネットの民からは厳しい評価を受けてきた会社であったために、多くの人がビックリしたわけですよね。Twitterの手軽さ、ダイレクトさを絶妙なラインで活用したasahiことマッキーには新人とも思えない計算高さを感じます。これで本当に新人であったとしたら、この起用を英断した上司も称えられるべきですね。

ただし、先述の通りこのアカウントにはマッキー以外の人も書き込みそう…ということで、asahiアカウントの今後の運用され方が気になります。ニュースに対してもこんな身近な感じでコメントを寄せるようならば、それは本物かもしれない…。

さあ、このasahiアカウント、伝説になるや、ならざるや??

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