【余市蒸溜所】バッティング~ウイスキー博物館~旧竹鶴亭。竹鶴25年の発表もあるでよ #余市
週末ごとの集中レポートでお送りしております、ニッカさん(アサヒビールさん)×AMNのマイウイスキーづくりブロガーイベント@余市蒸溜所。前回のレポートまでで1日目の作業は終了、あとは座学等を残すのみとなっております。実際にそこで行ったのは、バッティング体験、ウイスキー博物館見学、そして旧竹鶴亭非公開区域の見学です。最後に懇親会がありました。
では、一気にいってしまいましょう。
バッティング体験でモルトの深淵を覗く
さて、1日目最後の座学はこのバッティング体験でした。バッティングとは、ニッカが日経に出している広告によれば
ウイスキーづくりの現場では「ブレンディング」と「バッティング」が使い分けられる。ブレンデッドウイスキーをつくるために、グレーンとモルトを混ぜ合わせるのがブレンディング。シングルモルトウイスキーやピュアモルトウイスキーをつくるために、複数のモルトを混ぜ合わせるのがバッティング。前者は「モルトとグレーンによるハーモニーづくり」、後者は「モルト同士による個性のバランスづくり」
ということで、ブレンディングと明確に用法が分けられているのだが、ようは複数のモルトを混ぜてシングルモルトを作ること。
ここで「あれ、シングルモルトって名前のくせに、複数のモルトを混ぜるの!?」と気がついた人はなかなか鋭い。実は世間一般にいう「シングルモルトウイスキー」とは、複数の樽のモルトウイスキーをバッティングすることによって生まれているのです。例えば余市10年であれば、
- ある樽の余市10年
- ある樽の余市12年
- ある樽の余市15年
今回試飲したのは、以下の5種類の原酒です。
- フルーティー&リッチ
- ピーティー&ソルティ
- シェリー&スイート
- ソフト&ドライ
- ウッディ&バニラ
味はほぼ名前の通り。それにしても、同じ余市のウイスキーだとしてこれだけ味に違いがあるってのは驚きです。ようは余市のシングルカスク飲み比べをしているようなものですからね。これだけでも1つのセミナーになりますよ。
ちなみにこの日は、原酒飲み放題。やっほい!
ずらりと貴重な原酒が並びます。いやーこのイベントはちょっとやばいね。
ああ、良い色…。
さて、試飲が終わると今度はバッティング体験です。まずは標準バッティングを体験します。いやあ、これはもう化学反応の実験みたいなものですね。混ぜることでより優しく、しかし複雑な味わいになっていく余市。この表に載っている6種類だけでも、バッティングの奥深さというか、なんだろう、もはやこれは職人技なんだということが良くわかります。チーフブレンダーとかってやっぱすごいんだな…。
というのも、この後は自分で好きな分量によるバッティングをするのですが、やっぱりパッっとしないんですよね。
こう、みんなスポイト片手にがんばるわけです。
ほんと、実験。ぷるぷるしちゃう。
慎重に…。
でもね、ほんとしっくりこないんですよ。なんてセンスがないんだろう…ではなくて、これは本当に凄まじく難しい作業なんだと思います。なんせバリエーションがありすぎるわけです。本当にブレンダーの人って神様なんだなあ…。
竹鶴25年を緊急発表
なんてことをやっていると、突然の緊急発表!なんとなんと、竹鶴の新しい商品として25年が発売されるというのです。
おいおい、聞いてないよ。
これは…
やばいね。
竹鶴と言えば、日本のピュアモルトの中でも最上位に位置しながら、なんとも安価で購入できるという奇跡のような酒。そんな竹鶴の最上位が出るというのだから、これは尋常ならざる発表です。というか、いいの!?ここで発表しちゃっていいの!?
ちなみにパッケージはまだ変わるかも知れないとのこと。気になる発売日は5月29日で、1本52,500円を予定しているとのこと。かなり数量は絞って発売するみたいですよ。
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ウイスキー博物館見学
衝撃の発表があった後は、ウイスキー博物館の見学に向かいます。テイスティングでかなり飲んだので、酔い覚ましとしてはちょうどよさげ。ダイジェストでお届けします。
引退したポットスチルがお出迎え。
力強い。
存在感ばっちり。いいなあ。家に1つほしいくらい。
あのマークのステンドグラス。
こちら、熟成中にウイスキーがどれくらい目減りするかを見ることの出来る半透明の樽です。かなり減っているのがわかりますか?樽の呼吸などによって蒸発し、自然と失われていってしまうんですね。
ちなみにウイスキーの世界では、この目減りを「天使の分け前」と粋な呼び方で表します。
大規模なテイスティングバーもついています。安価に色々と飲むことができます。
第1号ウイスキー。かなり減ってますね…。さすがのガラス瓶でも減るほど古いってことかな。
竹鶴さんが海外に勉強に行った時、つけていたノートです。
貴重です。
いわゆるサントリー時代に作った工場計画書ですね。寿屋ってのはサントリーの昔の名前です。ちなみによく見ると「山崎工場」の計画書ってことがわかります。
あの山崎の計画書が余市に!ってところが面白いですね。というか、竹鶴さんどんだけ日本のウイスキーに貢献しているんだよと。
このあたりは懐かしい系ですね。
旧竹鶴亭の非公開区域も見ちゃう!
最後に、蒸溜所施設内に移築された旧竹鶴亭を見学します。いわゆる竹鶴さんとリタさんが住んでいた家です。普段は見れないところまで見せてくれました。
外見。
シャンデリアひとつとってもハイセンスです。
リタさんは敬虔なクリスチャンだったとか。
旧竹鶴亭の模型。
こちらが応接間。
似顔絵の記されたノート。
ドアノブもオシャレ!
もはや貴重品レベルというリタさんのピアノ。
まだ音が出ます。
竹鶴さんは碁が好きだったとか。
畳の模様をよく見ると…竹と鶴なのです。粋すぎる…。
竹鶴。
当然ながら洋書が多いです。
竹鶴さんのジャケット。
もちろん名前入り。
ビデオでもさんざんみたコート。現物です!
特注らしきグラス類も。
梅干し。中身入ってます。
ほら。
小物入れの中にまで竹の模様。こだわってるなあ。
旧竹鶴亭は貴重な品でいっぱいでした。
最後に懇親会!
このレポートもやっと1日目が終わるのか…と思いつつ、さらっと懇親会を紹介しておきます。
ちなみに料理は「マイウイスキーづくりの定番」だそうです。
お品書き。
かなり豪華です。
もちろん余市も飲み放題!
こちらは10年カスクです。
最後にはどどーんといくらも(僕は残念ながら苦手ですが…)がっつがっつ食べている方もいらっしゃいました。
こんな感じで1日目の行程を終えました。未知の体験から、あこがれの体験まで、なんとも濃密な1日だった気がします。ずっとテンション高かった。余市蒸溜所、恐ろしいところです。これだけやって、まだ明日作業があるというのだから…。
ということで2日目に続きます!
(つづく)
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