東京の由緒正しい酒蔵、豊島屋酒造さんを見学してきた!
東村山にある創業400年の酒造、豊島屋酒造さんを見学してきました!
実際はずいぶん前におうかがいしたのですが、僕の筆不精のせいもありTwitter以外でなかなか公開できず…すみません。
豊島屋酒造とは
公式サイトによれば
今から約四百年前、慶長元年1596年に江戸の神田、神田橋付近で、初代、豊島屋十右衛門が酒屋兼、一杯飲み屋を始めました。当時、神田橋付近は、神田川を利用した水運の要所として栄え、多くの武士、職人、商人が集まっておりました。そこで十右衛門は、江戸での草分けとなる白酒の醸造を始めたといわれ、現在の豊島屋酒造の礎となっております。
という、とても由緒正しい東京の蔵元なのです。明治神宮のお神酒も奉納しているんですよ。すげー。
蔵元見学
超個性的な副社長をご紹介したいところなのですが、まずは蔵の中をご紹介。
東村山にあります。代表するお酒がこの「金婚」
田中副社長と、新作の発泡日本酒「綾」。7月くらいに特集組めなくてごめんなさい…。
タンク&ろ過するための機械です。意外とコンパクト。
この機械で米を絞ります。
機械はいいなあ。いい。
昔はこんな大きな釜でお湯を沸かしていたそうな。
パイプとか、コックとか、たまらんね。
タンクです。上に登らせていただきました。もやしもんで見たことはあったけど、これが…。
7915リッターも入ります。
キレイになったばかりの樽置き場。緑色です。室内を水の循環で冷やす仕組みが付いています。
以下、瓶詰めなどに関わる機械です。機械好きにはたまらない世界ですね。
これはラベル貼り機。ちょうどよいものが日本に無く、わざわざイタリアからワイン用のものを輸入して使っているとか。
うーん、ほんと、いいね。
新作「綾」と田中副社長
今回の案内をしてくれたのはこの田中副社長だったんですが、また職人気質の良いひとなんですわ。江戸っ子です。
なんでもこの豊島屋酒造、もともとは神田で居酒屋をやっていたそうなんです。しかも超格安でもう行列ができるほどの人気だったとか。安さの秘密は、なんと空いた酒樽を売って儲けていたから。商いの才能があったんでしょうねえ。
ぶっちゃけ話もかなりしていただきました。日本酒品評会のことなのですが、お酒の分類を
- 純米大吟醸=ふっくら美人
- 大吟醸=痩せ型美人
とした時、どうしても痩せ型美人の大吟醸へと人気が集中しがちだと。で、その痩せ型美人を作るために醸造アルコールの添加をするケースが多いようです。なんてこった…。日本酒なんて純米大吟醸が花形だと思っていたのになあ。品評会で勝つために、せっかくの素材を生かさずごてごてな化粧をしてしまう…なんだかもったいないですね。
そういえば3月3日の白酒を造っている酒造は、この豊島屋の他には1軒しかないとか。白酒のベースは味醂で、扱いとしてはリキュールになるそうです。
で、本題に戻りますと、そんな伝統もこだわりもある豊島屋酒造さんが作った新感覚発泡純米酒が、この「綾」です。
なぜ発泡日本酒を作ろうとしたか、ってくだりがまた良かった。
- 夏には爽快な炭酸感のある日本酒を飲んで欲しい
- しかし日本の発泡する酒や濁り酒は、甘ったるい
- じゃあ、辛口の発泡日本酒を作ろうと
- アルコール度数もキリリと7%
うーん、無ければ作ろうってのがいいじゃないですか。実際飲むとうまいんですよね。あふれんばかりの炭酸感に、米の味が広がるんですが、甘くないんです。正直僕は炭酸が苦手なのですが、ハイボールと同じくこれなら飲める。たまらんです…はい。
確かに発泡系の日本酒って、鈴音に代表されるように「甘くて飲みやすい」ものばかりなんですよね。ハイボールやシャンパンが流行るような昨今ですから、この「綾」も「爽快な飲み物」として十分に受け入れられる土壌ができていように思えます。
残念ながら今年のぶんの「綾」は早々に売りきれてしまったようなのですが、そこは実力派の豊島屋酒造、主戦力の「金婚」や秋の「純米ひやおろし」も存分に楽しむことができます。
ああ、いいなあ。おいしい日本酒は、いいなあ。思えば豊島屋酒造におうかがいした辺りから日本酒熱が燃えてきて、新潟泥酔事件へとつながったように思えます。うーん、いいね、日本酒。
ということで「綾」を存分にお楽しみいただくことはできないのですが、東京にも日本に誇れる酒造があるぞ!ということを知っていただければ…と思います。
そしてなにより、あそこまで気風のいい江戸っ子に出会えたことに乾杯ですね!
そうそう、豊島屋酒造さんでは年に何回かイベントをやっていまして、中には飲み放題…みたいな凄まじいイベントもあるようで。ぜひウェブをチェックしてみてください。
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