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3月のライオン6巻は、人がいないところで読んで欲しい

羽海野チカ先生の傑作将棋マンガ、「3月のライオン」もはや6巻。最初は将棋が全てだった桐山君が、だんだんと成長する姿に、おじさん嬉しくなっちゃうよ…ってまあそれは置いておくとしてだね…。

この超傑作の最新刊は、万人がいつどこでも読んでいいような、そんな気軽なマンガじゃありませんでした。理想をいうなら、自宅の誰もいない部屋で、ひっそりと読んだ方がいいような、そんな巻です。だって、読後の気持ちをコントロールするのが、とても難しいから。いままでこんなに、怒りと、悲しみと、切なさと、心強さが同居したコミックがあったでしょうか。そして、羽海野チカ先生は、どれだけ恐ろしいマンガを創造してしまったのでしょうか。
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ということで6巻のレビュー行ってみましょう。微・ネタバレがあります。



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戦いの第6巻

この見出しは、単行本の帯に書かれているものです。まさに6巻を言い表すのにはうってつけの言葉でしょう。いままで、作品は様々な人々の内面的な「戦い」を描いてきました。自分自身の境遇との戦い、病気との闘い、プレッシャーとの戦い、思い通りにならない現実との戦い、そして将棋の戦いです。そこに5巻から「いじめ」というとてもリアルで陰湿なものとの戦いが加わりました。

その「戦い」がついに激しい火花を散らしはじめるのが、この6巻なのです。そしてその「戦い」の中に見え隠れする、人と人とのつながり。戦いを通して深く通じ合っていく主人公達は、どこか切なくて、悲しくて、読んでいるうちに「なぜ僕はここまでこの作品に感情移入してしまうのだろう」と何度も何度も自問しました。

彼女を泣かせた人間を
今すぐにでも
全員探し出して
八つ裂きにしてやりたいと
思ったが

もうこの台詞だけでだめです。グッときすぎです。1巻から読んできて、彼のなにがこの台詞を吐かせたのか…みたいなことを考えると、胸が締め付けられます。

 

私たちみんな同じ
ただの
中学生のはずなのに

だから
勝ちたい
勝ちたい
---勝ちたい

そうだ僕は
必要とされたい

将棋でまで「弱い人間扱い」されたら
もうボクはどこで生きていったらいいんですか!?

よく頑張ったね

ああそうだ、これは、自分なのかも知れない。何度もそう思いました。それぞれが、それぞれの存在意義をかけて、あらゆるものと戦う。作品のキャラクターとは名前も性別も年齢も違うかもしれないけど、でも、これだけ胸が苦しくなるのは、彼ら彼女らが、作中で「生きているから」なんだろうと思いました。自分と同じように生きているから、読んでいて辛くなるのです。

なぜ羽海野チカという人は、これだけ絶望した話を書けるのだろう。壮絶な人生を歩んだのだろうか。それとも、様々な人間の業を取り込んだのだろうか。

とにかく彼女の才能が、この作品には惜しみなく注ぎ込まれているとしか思えません。

そんな6巻には、あえて「人がいないところで読んで欲しい」と言います。誰もいないところで、誰にも気兼ねせず、好きなだけ没入して読んで欲しい。何度でも読んで欲しい。しかし「必ず読んで欲しい」とも言います。読まないのはあまりにももったいない、そんな傑作です。最高傑作です。でも、なにか辛いのです。マンガの表現の幅って際限ないな…そう思わせる3月のライオンなのでした。

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About norio nakayama

ブロガー、ライター、フォトグラファー、アドバイザー。旅メディア「Linkトラベラーズ」編集長。同じく旅メディア「たびねす」ホテルガイド。Yahoo個人ニュースオーサー。Getty Images/iStock 登録Photographer。500px Photographer。JFA公認フットサル/サッカーC級コーチ所有。 合同会社オラニエ代表。同時にアジャイルメディア・ネットワーク株式会社ブロガー施策担当。 好きなラーメンは味噌とトンコツ。好きな麺の堅さはハリガネ。チャーシューはむしろいらない派。好きなブランドはポールスミス。好きな紅茶はマリアージュ・フレール。足のサイズは26.5cm。

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