それは、カレーをめぐる冒険の通過点〜激突メシあがれ カレー部門ファイナリスト 豊福氏のサンバル

2025/07/16おいしいものだけ紹介します(食全般)

この人の作るカレーを食べてみたい。

「趣味で極めたアマチュアたち」がそのこだわりを披露する対決型グルメ番組「激突メシあがれ」。我が家はこの番組のファンで、これまでのほぼ全ての放送を見ています。

そんな番組の中では印象的な料理がいくつもあったわけですが、「この人の作ったものを食べてみたい!」と、そのパーソナリティにまで深く共感してしまった人物がいました。それは、ちょうど1年ほど前、2024年8月にパイロット版として放送された「自作カレーの極み」にて、「3種のベジカレー 夏野菜セット」を披露してくれた豊福太朗さんです。豊福さんのそのカレーにかけるある種「修行」のような精神性にとても惹かれてしまい、そのカレーを一度でいいから食べてみたい・・・と思ったのでした。

そんな放送当時から約1年。2025年の6月14日、その日に、なんと豊福さんのカレーを食べる機会に恵まれました。いつも懇意にさせていただいている東新宿の名店「サンラサー」さんにて、その豊福さんの間借りカレーが実施されることになったのです(注:サンラサーさんは番組で審査員を務めていました)。狭き門でしたが運良く予約が取れたということで、前のめりな感じで当日を迎えさせてもらいました。

絶対に遅刻できない!とリスクヘッジを重ね、お店には予定より30分前に到着。早すぎだろ!とも思いましたが、いいんです。先頭で入れば奥の角、最も写真の撮りやすい席がゲットできますから。

雑居ビルのエレベーターで3階まで登れば、お馴染みサンラサーの店頭です。そこには・・・必至に準備をする豊福さんの姿がありました。豊福さんにとっては初の間借りカレーということで、その大変さは想像に難くないですが、そこはサンラサーということで、店主であるMarikoさんにビシビシとアドバイスされていました。

いやー、それにしても、ついにこの日が来たのかと。目の前で動いている豊福さんにはなんだか感動してしまいます。なんせ、前述のとおり「この人のカレーが食べたい」という想いだけで来てますからね。

さて、開店時間を迎えておもむろに着席しますと、その日のお品書きが置かれています。待ち時間を消費するためでもありますが、こういう演出、いいですよね。

「カレーをめぐる冒険」は豊福さんのXアカウント名ですが、とてもいいですよね。勝手にですが、豊福さんの人間性や人生を感じてしまいます。冒険ですから、良い時も悪いときもあるのでしょう。今日は良い時、になるのかな。

さてさて、そんなこんなで提供された全貌がこちら。豊福さんフルセットです。

手前の大きなお皿にあるのがインドの炊き込みご飯「ジーラライス」。カレーの味を邪魔しないあっさり仕立てとのこと。ライスの左右に盛られているのがサツマイモのポリヤルと蓮根のアチャールです。ポリヤルはココナッツ炒めですね。

奥にいってカレーです。左がまずチキンコランブ。コランブは南インドの酸味が利いたスパイスカレーとのこと。今回はカルパシというレアなスパイスを使っているそう。

奥中央は「このために来た!」と言っても過言では無い、豊福さんといえば!のサンバル。いわゆる野菜のカレーで派手さはないですが、美味しいお店のサンバルって何杯でもおかわりしたくなる魔力がありますよね。

最後に奥右手はラッサムということで、酸味の利いたスープですね。日本でいう味噌汁ポジションです。

この日のために、そして僕らのために豊福さんが用意してくれたというのが胸熱です。番組を見ていない方に超ざっくり説明すると、豊福さんのカレーはずっとご本人と豊福さんのお母様のために作られてきた、家庭の生活に根ざしたカレーなのですね。それを初めて誰かに提供したのが、あの番組でした。もちろん番組の収録が終われば、そのカレーはまた豊福さんの生活の中に戻っていきます。普通に考えたら、その味を確かめる手段は絶対に無いはずだったのです。でも、今日という機会があった。本当に、人の出会いって奇跡を起こすなと思ってしまいます。

それぞれのカレーは、豊福さんが自身との対話を繰り返した結果として完成されたもので、どれも一級品の完成度。本格的ではあれど、どこか優しさを感じるのは勝手な豊福さんへの先入観でしょうか。どれも大変においしいのですが、やはり語りたくなるのはサンバルです。

なぜ美味しいのか?丁寧に作ったから。そんなふんわりした問答がピッタリというか、なんだかそれ以上の解説は不要になってしまうような、不思議なサンバルです。なんなら鍋一杯もらって、終日ちょろちょろ食べ続けたい。そんな恐ろしいほどに中毒性のある、後を引きすぎる味わい。なんでこんなに美味しいのか?

気が付けばフルセットはキレイになくなってしまいました。お替わりをしたい気持ちでいっぱいですが、今日はそういう機会ではないので、次があることを信じて撤収です。本当にありがとうございました。この日を待ち望んだ甲斐がありました。

帰りの電車でも、しみじみ「うまかったな・・・」と声が出てしまうほどだった、豊福さんのカレーをめぐる冒険。

いつか、また、出会う機会があることを願っています。

ちなみに来週(7/23(水))の放送に再登場な予感です。楽しみ。

https://twitter.com/nhk_meshiagare/status/1826224068829593884

著者プロフィール

Norio NAKAYAMA ブロガー、ライター、フォトグラファー、アドバイザー。 2000年よりテキストサイト、ニュースサイト時代を駆け抜けそのままブログへ。国内外への旅行やガジェット、日々の出来事などを紹介中。 旅と大宮のブログ「エアロプレイン」運営。Yahoo!ニュースさいたま市担当。三島市出身。アイラ島、青ヶ島上陸済。JFA公認C級サッカー/フットサルコーチ。チェコ親善アンバサダー。ScanSnapプレミアムアンバサダー。エスパサポ。中小や飲食マーケアドバイザーとDX支援、広報PR。お仕事相談はお問い合わせより。