SENNHEISER HD599これがヘッドフォン沼への入り口か(7,000円引きクーポン情報あり)
世の中にはハマってはいけない沼がいくつかあるという。その中のひとつにはオーディオ沼があるわけですが、ヘッドフォンだけでも十分沼だな、と感じてしまいました。SENNHEISER(ゼンハイザー)のスタンダードモデル HD599は「開放型ヘッドフォン(=オープンエアー型ヘッドフォン)」の魅力をあまりあるほどに伝えてくれて、僕の中でちょっとしたカルチャーショックが起きました。
なお前置きが長いので、適度に飛ばしてください(笑
開放型と密閉型はどうちがうの?
これまでヘッドフォンといえばSONYのMDR-CD900STを使っていました。この機種はいわゆるひとつの所有者がとても多いスタンダードなモデルで、分類では「密閉型ヘッドフォン」にあたります。
この密閉型とは、その名の通り耳を包むハウジング部分が完全に包まれていて、耳の外側に1つの密閉空間を作って鳴らすタイプのもの。
そんな密閉型で一般的にいわれる特徴は
・音漏れしにくい(=環境音が入ってきにくい)
・↑の構造上、しゃべりにくくなる(自分の声が耳からはいりにくいため)
・密閉する構造上、低音を鳴らすのに向いている
・密閉する構造上、ちょっともこもこする(いわゆる音のこもり)
・長時間使うと耳が疲れる
といったところ。
一方で密閉型と対になる開放型ヘッドフォンとは、一般的にハウジングが密閉されていないものを指し、その音は密閉型とはまったくもって趣が異なるそう。
この開放型の特徴は
・構造上音漏れがひどい(=環境音が入ってきやすい)
・スピーカーや生音を基準にしたとき、だいぶ自然な音に感じる
・軽いことや音の特徴もあって疲れにくい
といったところで、まさに密閉型と対照的です。
密閉型しか知らない人生
そもそもですよ、僕の場合はヘッドフォンが楽器演奏由来での購入なんで、外に音が漏れない/音が入ってきにくい密閉型になるのは自然な流れでした。というか、20年ほど前に買ったときはヘッドフォンに密閉型以外があるってのを知りませんでした。みなさん知ってました?
それ以前に、音楽はずっとセパレートアンプ+スピーカーで聞いてきたので、それに比べるとヘッドフォンで聞く音楽はなんというか窮屈さがあって、若干響きが人工的だと感じてました。また、長時間使っていれば疲れるのが当然のものだとも思っていました。
ヘッドフォンは定位を気にしなくてよかった…くらい?
それでも、ヘッドフォンを使ういくつかの理由はありました。1つはスピーカーと違って、定位(ざっくりいうと左右のステレオ感や音のバランス)がスピーカーの位置や部屋の環境に左右されないこと。片側スピーカー近くにカーテンが!とか、自分とスピーカーが正対していない!みたいな環境も関係ないわけです。なんせ耳のすぐそばで鳴ってますからね。左右のバランスや音質の崩れる余地がないです。楽器やってる人間は、このあたりがだいぶ気になるので、その点はヘッドフォンが優れていますね。
でも、やっぱりスピーカーのほうがいいなあというのが、ここ20年くらいの感想です。ヘッドフォンを使うのは、楽器の練習をする時や、深夜で音が出せない環境等、ある決まった要求のために使うもの、という印象があったんです(あくまで僕の場合ですよ)。
ところが、コロナウイルスの影響によるステイホーム推奨により、オンラインMTGが増加した結果、昼間の平常時でも積極的にヘッドフォンを使うような環境になったんですね。つまり、ヘッドフォン利用は限定的じゃなくなった。となると、もう少し自然な音で、なるべく疲れないヘッドフォンに買い換えたいな…というのは当然の流れでした。
前置きがながくなりましたが、そこで選ばれたのがSENNHEISERのHD599です。
以下では、HD599に辿り着くまでの流れをご紹介します。
いろいろ検討して選んだのがSENNHEISER HD599
ヘッドフォンは欲しいが、正直あまり詳しくないな…ということでFacebookにて利用用途を共有しつつ、友人らにおうかがいを立ててみました。すると、軒並み開放型を勧められるわけです。そもそもガジェット目線からも、持ってない方式を買ってみたくはなりますよね。
そこで、長年使っていたMDR-CD900STとそこまで価格が乖離しない、できれば3万円以下に収まるような価格帯のもので、開放型のヘッドフォンを探っていくことにしました。
まず気になったのが、武者さんの記事で紹介されていたAKGのK240です。
自宅で聴くなら使うなら開放型ヘッドホン、いってみない? 一者三様の在宅ヘッドホン・ヘッドセット選び No.1 | デジモノステーション
近年のヘッドホントレンドは、移動中に聴くことが多いことから音漏れが極めてすくない密閉型(クローズド型)のヘッドホンが中心でした。しかし外出する機会が減った現在。自宅で聴くなら音漏れなんて気にしなくていいのではなかろうか。開放(オープン)型や半開放(セミオープン)型に注目すべきではなかろうか。そんな思いを胸に手に入れたK240 Studio-Y3の音を聴いてみたら、えっ!? …
いわゆるAKG(エーケージー)の入門モデルですが、なんといっても値段が6,000円。そしてAKGは買ってみたかったブランドのひとつです。これなら開放型のお試しとして、音が好みじゃ無くても痛みは少ない!と思ったんですが、いま使っているヘッドフォンを考えると、価格帯をそろえてシンプルに比較してみたいという要望からは外れちゃうなと。
そこで次に検討したのが上位機種となるAKGのK701。ですが、調べるにつれ同じグレードのK702のほうが気になってきました。一方で、SENNHEISER(ゼンハイザー)の人気も根強く、すすめてくる人が少なくありません。ネットでもK701かK702と、SENNHEISERのHD599を比較する人がだいぶいます。
そもそも僕がCDを収集しているクラシック畑では、古来より「ヘッドフォンならSENNHEISER」という教えがあったり無かったり。でもちょっとだけAKGの701/702より高かったので、即決には至らず。こう、決め手がない感じです。
ところが、ふとAmazonにてHD599に7,000円引きクーポンがあることに気がついてしまったんですよね。
これなら2万円以下で購入できます!ということで、はれてSENNHEISERのHD599を購入することに決定しました。
ちなみにこのクーポン、不定期で出ているみたいなので、まさにタイミングの勝利でした。この記事を書いている今もクーポン出ていますが、これが出たり消えたりしているんですよね。
なんだ、いいじゃん、好きです開放型
到着後、まずはそのフォルムをチェック。開放型ということで、確かにハウジングの内と外が閉じられていません。また、耳まわりは包み込むような構造になっていて、かけてみると恐ろしいほどに軽く、重さを感じません。その重量、実に約250g。か、軽い。
しかもバンドの設計が絶妙なのか、かけごこちがとても良い。軽さとあいまって、ヘッドフォンというより大きめのヘアバンドか何かを載せているくらいの感覚。これはすごすぎない?
このふわふわのハウジングが耳をすっぽり覆ってくれます。250gを頭頂と両耳と挟み込むテンションで分け合うからとっても軽く感じ、疲れにくくなってます。
すごくいいなと思ったのが、ケーブルが着脱できること。なお付属品として太いケーブル(標準プラグ)、細いケーブル(ミニプラグ)、標準プラグ→ミニプラグの変換がついていました。ミニプラグを使うアンプ/PCでも安心なのですが、接続部分にテンションがかかるので、短い延長ケーブルを使うのが良さそうですね。
聞き込んでいる楽曲でも驚きがある再生音
さて、あまりの軽さと付け心地に驚いたあとは、さっそく音楽の再生です。先にお断りしておきますと、音の感じ方なんて個別の環境や体調で大きく左右される世界ですんで、感性的な面での参考程度にしてもらえればなと思います。なお、ヘッドフォンアンプには前記事で紹介したOlasonicの NANO-UA1を使っています。
NANOCOMPO UA1をヘッドフォンアンプにしたら快適さしかない
まずは我が家で再生回数ぶっちぎり1位のクラプトンのライブCD。
・Eric Clapton 「One More Car, One More Rider」
音が良いのもありますが、とにかく演奏が最高。何度聞いても飽きないくらいに最高。とにかく聞き込んでますので、機器が変わる際の印象の変化が指針になります。
これをHD599で聞いたときの衝撃たるや。とにかく没入感がすごいんですよ。密閉型にはない、クリアな空気感。ライブの喧噪の中に入っている自分を感じます。こ、これが開放型の力ってこと?この段階で、まだHD599が開放型のスタンダード機ってことに戦慄します。この上、どうなっちゃってるの?
続いてサカナクションの「sakanaction」。これもだいぶ聞き込んでますが、打ち込みサウンドとバンドサウンドのバランスが独特で、いまいちな再生環境だとけっこう残念な感じになります。
で、これをHD599で聞いたときもやっぱり驚くわけです。例えば「ミュージック」とかの低音の使い方ってけっこうやばくて、一歩間違えるとモコモコになるか音が割れるかみたいな世界なんですが、余裕ある感じで聞かせてきますし、かといって音の固さもない感じ。正直、このアルバムは密閉型で聞くとけっこう疲れちゃうんですが、開放型のHD599なら爽やかな再生感。しつこいですが、開放型めっちゃいいじゃないですか。僕が欲しかったのこれだった。低音域に若干の味付け感ありますが、自然なレベルかなと思います。
最後に生音評価用で、アルゲリッチとクレーメル、マイスキーという超絶トリオの「ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番、チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲」。
1998年のライブ録音ということでいささか古くなりますが、それが故にごまかせないこの感じ。「ある偉大な芸術家のために」の冒頭の音色でなんかもういろいろと断罪されちゃうやばい録音ですが、「SENNHEISERってすごいんですね…」と降参ですよ。なるほど、先人たちがSENNHEISERでクラシックを聞くはずだ。とにかくやわらかくて嫌みが無い。淀みない。わざとらしさがない。
本当にしつこいですが、2万円くらいでこの体験ができるなら、ものすごいことじゃないですか?
そして、これら楽曲を続けて聞いてみてもなんら疲れを感じない。なんなら自然なくらい。ヘッドフォン付けてましたっけ?レベルです。先の通り250gという軽さを各所でわけあっているかけ心地の軽さもありますが、何より音で疲れません。これは開放型の特徴なんでしょうねえ。
恐ろしいことに、まだ購入して2週間なのに、上位機種が気になっています。これがヘッドフォン沼か…。さすがに1個上で打ち止めにすると思いますが。
のりおのまとめ
とにかくですね、これが2万円くらいで買えるとか奇跡でしかないと思います。Amazonの7,000円引きクーポンはいつ出るかわからないので、ぜひ頻繁にチェックして、なんとか手に入れて下さい!でもね、正直、悩むならちょっと高くてもサクッと買うのが正解だと思います。HD599。
ゼンハイザージャパン株式会社 | SENNHEISER 製品
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