羽田空港沖、ボートから至近距離で飛行機を撮ってみよう! with 井上浩輝さん
数ある飛行機の撮影スポットの中でも、このシチュエーションはヤバイだろ…!というものを体験してきました。場所は羽田空港、狙うは海上から。いつもお世話になっているヤマハのボートを仲間とレンタルしまして、羽田空港の滑走路から飛び立つ飛行機をほんとうに目の前から、ほぼ障害物ゼロの状況で撮影してきました!
これはちょっと癖になるな。なお写真家の井上浩輝さんにいろいろと教えてもらえるという贅沢すぎるオプション付きでしたよ!
羽田空港を海から撮る!
今回の撮影をざっくり説明するために、Googleマップでマイマップを作りました。
カラフルな4つの太い線は、それぞれが滑走路で
赤:A滑走路
青:B滑走路
橙:C滑走路
緑:D滑走路
となっています。
黒い線は規制線で、船はこれ以上空港に近づくことができません。もっとも近いところで、だいたい空港から500mくらいの距離かなとは思います。
地図上の3つのポインターは今回の撮影を行った3つのポイント。規制線近くのAポイント、B滑走路近くのBポイント、D滑走路近くのCポイントでそれぞれ撮影を行いました。今回は1点に止まらず、常に誰かが運転をしながらということで、波の上下と進行方向に動くボート上から、高速で移動する飛行機を撮るという、なかなか難易度の高い撮影となりました。
でもそんな撮影には強い味方が。NATIONAL GEOGRAPHIC「Travel Photographer of the Year 2016 Nature First Prize」などの受賞で知られる、北海道在住の写真家・井上浩輝さんが撮影に同行するという嬉しいオプション付きです。実は井上さんは「飛行機を撮りたいからカメラをはじめた」という根っからの飛行機写真好き。
そして今では「北海道の翼」としても名高いエアドゥのカメラマンとしても活躍されているわけです。ということで、実は今回の撮影会で撮った写真が、エアドゥで使われるかも!?という楽しみもある機会となりました。
寒空の中をさっそく出港!写真はなぜか現地へ駆けつけてくれたこぶろぐさん提供です。天気は雨が降るかどうかギリギリというもの(ですが超晴れ体質なので心配せず)。
トリミング前提の撮影で良い、という話
さて、とにかく船上では井上さんが面白い。そして興味深い。
まず撮影のポイントとしては、航空無線を聞くと。これさえ理解できれば、次に何が着陸/離陸するのか、それはどの滑走路なのか、などが一発でわかるとのこと。知らなかったんですが、航空無線って国交省が「聞いてみよう!」なんてプッシュするくらい簡単に聞けるものだったんですねえ。
リンク先に解読の仕方が載ってますが、Cをチャーリーと呼ぶとか、おいおい合奏かよと突っ込みたくなるこの仕組み、いいですねえ。フォネティックコードというらしい。コールサインなんかもあるので、これはぜひ覚えておきたいですね。
そんな航空無線の内容ですが、当日は井上さんがかなり細かく解説してくれるため、僕らは「ただ、待てば良い」モードに。でもこれはめちゃくちゃ助かりました。なぜなら、そもそもボートの上から撮影するのって、困難を極めるから。他のことに気を使っている余裕がゼロです。
だってですね、ボートはまず推進力がありますから前に進みます。次に波で不定期に上下左右へ揺らされます。被写体である飛行機は高速で立体的に飛んできます。しかも船の上で自身を支えるのは自分の力のみ、という超筋力(体幹)案件。船酔いに弱い人はそれだけでもNGの場合になりそう。ってことで、もうね、めちゃくちゃ難易度高いです。でもそれを補って余り有る魅力と迫力があるんですよ!
とはいえコツはあります。井上さんに教えてもらったところですと
・シャッタースピードは1/1000 以上がオススメ
・絞りはF9-11くらいがオススメ
・ボート上だと水平がとれない可能性が高いので、補正を考慮して少し広く撮っていい
→そもそも揺れだとかでギリギリの構図を狙うのが不可能に近いため
・前後の飛行機や管制塔との関係を気にする(変な重なり方をしない)
・離陸直後のグッと機体を傾けた瞬間を逃さない(飛んでる感)
・点滅灯が光ってると生き生きするよね
みたいなポイントがあるそう。ということで、これらのアドバイスをインストールしつつ、無心に連写します。そう、航空機撮影では連写が基本。それにしても、トリミング前提で良いってのはかなり勇気づけられますね。そうだよね、無理だよね。
ニューポート江戸川から羽田空港沖へ
今回ボートを借りたのは、ヤマハトラストショップでもあるニューポート江戸川。僕は船舶免許を取るときヤマハシースタイルさんにサポートいただいたんですが、そんなこともあって、ヤマハがイチオシのショップだとなんとなく安心。こちらは船もヤマハの船が多種揃えられていて、安心感ある良いマリーナでした。余談ですが、2階がレストランになっていて、サービスはイマイチだけどパンも料理もおいしくて、なにより心配なくらいガラガラで穴場でした。
ニューポート江戸川を出航後は、途中いくつか橋をくぐり、ディズニーリゾートを遠目に見ながら、多数有るという浅瀬スポットを避けていきます。最新の船はレーダー性能もいいので、目印とともにモニターをチェックしつつ進めば大丈夫ですね。
東京ゲートブリッジが見えてきたら、もう少し進むと…羽田空港です!撮影のスタート!
Aポイントから滑走路を水平に撮る!
まずは最初の撮影ポイントであるAポイントへ。ここはC滑走路(通称:チャーリー)を平行に眺めることができる場所です。規制線近くで船を南北に往復させつつ、お目当ての飛行機(この日はエアドゥ機)が到着するのを待ちます。
ということで、作例をいくつか。
井上さんの関係もあって、最も力を入れたのはもちろんエアドゥです。
この管制塔とのバランスというか、TOKYOの文字との位置関係に気を配ってみました。
C滑走路は手前に道路があるため、運が悪いと車が写ってしまうという泣くに泣けないこともありました。あとは管制塔が2本入るので、その間に飛行機を入れたいところです。
ここで旋回する瞬間が、高度域を飛んでるっぽさが出てオススメとのこと。
エアドゥのカラーリング、可愛い。
左翼の面が見えるように撮るのが躍動感を生むそうです。両目が〜と同じかもですね。なんかわかるかも!
それにしても平行が取れない。ボートが揺れまくってるので仕方がないんですが、肌感覚では20%くらいはトリミングする前提でちょうどいいのかも。そう考えると、高画素カメラで、シャッタースピードは1/2500くらいがいいのかも。と思って途中でシャッタースピード上げました。幸い腫れているので、そこまでISOを上げなくても良く、助かりましたね。
Bポイントから迫力満点の離陸を撮る!
さて、お次のポイントは、誘導灯(進入灯?)と滑走路の間というものすごい場所。ここで目の前にてふわりと浮かんで飛んでいく巨大な構造物を、フレームアウト必至でおいかけながら撮ります。海老反り待ったなしです。
そんなわけでこちらでも作例をいくつか。
ここは本当に迫力満点。
もう少し下がったところから、進入灯を背景に撮るのも良さそうですね。
Cポイントからドラマッチックな離着陸を撮る
最後、夕暮れ間近のCポイントからは、ちょうどドラマチックな感じになっていた曇をバックに、障害物ゼロな離着陸や、風の塔とのコラボレーションを撮影します。ここは場所的に波が複雑で、撮影が本当に難しかった…。滑走路としては、A・C・Dが撮れるというお得なスポットではあります。
D滑走路の下、こんなことになってたのか…。
真上を飛行機が飛ぶ!着陸間近なので車輪が出ています。確かに光の映り具合によって躍動感が違います。
A滑走路とD滑走路の飛行機が立体的に重なって見えることも。これはすごい。
ちょうどいいところに光芒があって、神々しい感じにできました。
撮影会で見られる最後のエアドゥが到着。
羽田から北海道ってほんと気楽でいいですよね。ここ5年くらい北海道へ行ってないので、行かないと。余市に眠る所有樽も気になるし、なにより被写体としての北海道を体験してみたいです。もちろんエアドゥ使いますよ(笑
西の空は赤くなってきました。夕暮れがキレイな日だったら良かったんですけどね。こればかしは仕方が無い。
のりおのまとめ
1にも、2にも、井上浩輝さんありがとうと。とてもいい経験になりました。
そしてエアドゥ。1日見続けてきたこともあって、もうね、親近感が半端ない。北海道の翼、エアドゥ。カタカナのエアドゥはそのまま、アルファベットAIR DOの時は中央に半角スペース。これも覚えたぞ。
ということで、ぜひ次は青空に曇がちょいちょいあるような日に、再度チャレンジしてみたい!井上さん、そして主催してくれたchawanさんに、同行していただいたのぽりんさん、ランタさん、ありがとうございました!
余談ですが、この少人数で船を借りても1日あたりの1人負担が1万円くらい。どちらかといえば燃料代で、お昼に戻らなければもっと安い。すごく面白いので、もっとみんな船に乗るといいのに。
関連リンク
北海道発着の航空券予約・空席照会・運賃案内ならAIRDO(エア・ドゥ)
ニューポート江戸川のご紹介|東京 ヤマハ ボート 中古艇 レンタルボート ニューポートマリンクラブ
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