超硬派絵本「はたらくじどうしゃ」親から子へ。時代を超えた山本忠敬の名作

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子供の時むさぼるように読んだ絵本。繰り返し、繰り返し、何度も読んで、でも飽きなくて、やっぱり戻ってきてしまう本。そんな存在ってありませんか?

僕にはありました。それが働く自動車を驚きの「超リアリスティックなイラスト」で表現した絵本、山本忠敬(やまもとただよし)著「はたらくじどうしゃ」Vol1〜4です。

この当時読んでいたその本がいまだに販売されていることを知り、子供のために購入してみたんです。

アバンギャルドな配色に、遊び心あるイラスト

この「はたらくじどうしゃ」シリーズは、その名の通り主に街中で働く自動車についての特集本。とはいえ、働く自動車好きな幼児は世にごまんといるため、この手の本はそれこそ無数に存在します。しかし!本書が他の本と明らかに違うのは、全てが手書きのスケッチ(絵)にて構成されているということでしょう。ショベルカーも、ロードローラーも、アスファルトフィニッシャも、全て絵です。

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たとえばVol.1「こうじばの くるま」から最低限の引用の範疇でテイストをお伝えしますと、こんな雰囲気。力強くて、ダイナミックで、リアルなイラストです。いうならば硬派。硬派な絵本なんですよ。

ちなみにこちら「モータ スクレーパ」という整地作業を行う車。簡単にいうと、巨大なとんぼかけをするやつです。

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この絵本のすごいところは、全てがイラストなところもそうですが、このように各自動車の機構までもイラストで解説しているところなんですよね。子供の頃はこの本を読んで、様々な自動車の「仕組み」にわくわくしたものでした。ゴミ収集車とか、ずっと「どうなってるんだろう?」と思っていた疑問も解消したのを覚えています。

この表紙の色使い。最高だよなあ。

当時とまったく同じ内容に、子供に読み聞かせている親が今さらながらわくわくしてしまいます。

 

と、ここまで読んで勘の良い方は気がつかれたかもしれません。僕が子供の頃にあった本が、そのままの内容で今でも存在する…つまり、中身はとても古いのです。

たとえばVol4の「しょうぼうじどうしゃ」に載っている救急車は、日産キャラバンだったり、いまはもう走っているのを見かけないような、1970年代の自動車がたくさん登場します。この本が誕生した1970年代後半から、その内容はほぼ据え置き。国鉄がJR表記になったくらいかな?とにかくいま30台後半以降なら「懐かしい!!!」というタイプの自動車がたくさんたくさん登場するんですよ。たまんねえ。

これ、資料としてもなかなかに優れているのでは??

とにかく、大人と子供が様々な意味で「いっしょに楽しめる」そんな絵本であると思います。ぜひみんなにもこれを読んで欲しい!

 

のりおのまとめ

この本を見つけたとき「うおおお!!!」って声が出ちゃったんですよね。うちの子も気に入ってくれまして、なんと抱えて眠るほど。うむ、親子だ。

子供向けの絵本って、だいたいふんわりした絵と色使いで、リアル系はもはや写真以外のものってほとんど見ないですよね。でも、この本はイラストで、独特の力強さがあり、それが何年何十年と子供と大人を魅了しているのです。ほんと、まだ売っていてくれてありがとう。そんな「絵本」ですね。

ちなみに「のりもの絵本作家」と肩書きのある作者の山本さんは、ちょうど13年ほどまえに亡くなっており、そして今年は生誕100周年という節目の年なんだとか。これ、運命なのかなあ。

まずはお試しで1巻を、良さそうなら4巻まで、そしてさらに振り切った硬派な絵本シリーズを読んでみていただければと思います!

 

はたらくじどうしゃ

 

山本忠敬さんがイラストを担当し傑作となだかい「じぷた」

 

山本忠敬公式サイト

のりもの絵本作家山本忠敬の世界 – 山本忠敬(やまもとただよし)の世界を紹介するサイトです。