ヨハン・クライフ氏永眠。僕の永遠のヒーロー、最高の14番よ安らかに
これ以上ないくらいにショッキングなニュースが入ってきました。僕のサッカー観の根底でもあり、永遠のヒーローでもある背番号14番、元オランダ代表で元バルセロナの監督でもあったヨハン・クライフ氏が亡くなったと、公式サイトで報じられました。享年68歳、肺がんでした。
楽しくなければサッカーではない
クライフといえば、攻撃的サッカーの伝道師。勝敗は二の次、とまでは言わないまでも、楽しくない、美しく無い退屈なサッカーは存在価値がないと考えていたほどです。最近では、日韓ワールドカップをカウンター戦術で制したブラジル代表に対して「優勝は素晴らしい。しかし魅力は感じない(退屈だ)」と辛辣なコメントをしたほど、とにかく守備的な戦術、カウンター戦術を嫌っていました。とにかく嫌いなサッカーに対しては「退屈だ」というのが口癖だったように思えます。それは自身が愛したバルセロナについても同じで、たとえバルサであっても退屈なサッカーをしていれば、辛辣なコメントを浴びせたことは1度や2度ではありません(ちなみに現ユナイテッド監督のファン・ハールに対してはかなり辛いです)。
このあたりはスピリッツで好評連載中の「夕空のクライフイズム」を読むとわかりやすくていいなあと思いますのでオススメですね。
様々な逸話を持つレジェンド
さて、そんなクライフには数々の逸話があるわけですが、細かいところはWikipediaに譲るとして、ここでは僕が最も好きなエピソードだけを紹介しますね。
時は90年代前半、バルセロナの監督となったクライフが率いたチームには、絶対的エースとして、当時最高のテクニシャンと呼ばれていたブルガリア代表の「ストイチコフ」がいました。彼は素晴らしいテクニックを持っていましたが、であるがゆえに、自分より下手な者(つまりみんな)からの指示を聞きいれない問題児でもありました。
そこでクライフは、そのストイチコフにテクニック勝負を持ちかけます。方法は、コーナーキックを10本蹴って、何本ゴールポストに当てることができるか、というものでした。10本中8本(だったかな?)を成功させたストイチコフに対して、なんとクライフは10本中10本を当ててみせるという圧巻の技術を見せつけまして、以後、ストイチコフはクライフの言うことを聞くようになったとのことです。これ、現役最高峰の選手と、引退した過去のスターの勝負ですからね。どれだけクライフが上手だったんだよ…という話なんですよね。技術にこだわるクライフらしいエピソードだなということで、僕はこの話が一番好きです。負けを認めて素直に従うストイチコフも潔くて気持ちいいですね(笑
いま、ストイチコフはどんな気持ちでこの訃報を聞いているのかな…。
永遠の14番
僕の永遠のヒーロー、ヨハン・クライフ。今僕がサッカーを見るのもプレーするのも楽しめるのは、このクライフの影響が多分にあるといっても過言ではありません。あのバルセロナの衝撃的なサッカーがあったからこそ、ここまでサッカーが好きになれたんですよね。
本当に、本当に今日までありがとうございました。安らかに眠って下さい。
金子さんの本は好きじゃ無いけど、これはほとんどクライフのインタビューなのでオススメ。本人の言葉がいちばんいいね。
夕空のクライフイズムもぜひ。
クライフ公式サイト
Johan Cruyff 1947-2016 – The World of Johan Cruyff
*冒頭のスクリーンショットは公式サイトより。
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