ブラジルサッカー留学の現場(前編)

2010/06/08サッカー/フットサル,読み物soccer,グレミオ,フットサル,ブラジル,ブラジルサッカー,読み物

ブラジルサッカー留学は、今どうなっているのか?前後編でお届けします。

サッカー留学といえば…欧州?南米?

このところのサッカー留学といえば、ブラジルよりもヨーロッパというイメージがないだろうか。少なくとも日本人が海外にチャレンジしたという話を聞くのはヨーロッパがほとんどだろう。しかし、一昔前までサッカー留学といえばブラジルというイメージだった。少なくとも私はそうだった。そこでブラジルへのサッカー留学の現状はどうなっているのか、サッカー留学を斡旋しているさいたま市桜区の『有限会社フィフティファイブ』専務の堤(ツツミ)さんにお話をうかがった。

サッカー留学の仕組みとは?

−今日はよろしくお願いします。そもそもサッカー留学の斡旋をはじめたきっかけは?

もともとユニフォームの輸入をする仕事をしていたんです。そんな時、地方の中学生から「グレミオに留学したいんだけど、どうにかならないか」という相談をいただいたんですね。で、断るんですけど何度も何度も電話をしてくる。聞いてみると、ブラジルでも強豪のグレミオにどうしても行きたいんだと。しかしグレミオはブラジルでも田舎にあるチームで、弊社としても現地でケアできないし、ちょっと無理だと。結局その話は実現してあげることはできなかったんですが、その時のことがとても印象深くて、「これはいつか役に立つことなのかもしれない」と思ったんです。

その後ブラジルのほうでお世話をしてくれる代理人を見つけまして、1994年くらいから留学のほうが斡旋できるようになりました。

−どういった仕組みになっているんですか?

まず留学にはチームで固まっていくものと、個人で行くものと2種類あります。また個人の中でも1ヶ月ほどの短期で様子をうかがいにいくものと、1年単位の長期でチャレンジしてくるものとで2種類の方法がありますね。

目的というのはずいぶんとまちまちで、チームでいく場合は武者修行といいますか、現地のチームに胸を貸してもらってチームを育てるという趣旨が強いようです。一方で個人の場合、現地で実力を試したり、ハングリーに練習して成長したいという想いが強いようですね。ただし個人の場合は注意が必要で、「1度は失敗したけど次は成功する!」ということがなかなかできません。サッカーでの長期滞在ビザは生涯に1度しか取ることが出来ないのです。そんなこともあって、高校生くらいの少年が夢を追いかけたりハングリーさを求めたりするのは素晴らしいことだと思うのですが、しっかりとした覚悟が無い場合は断ってしまいますね。ちなみにサッカーの技術レベルで断ることはありません。

サッカーでの長期滞在ビザは20歳くらいまでの子供におりるもので、滞在期限は1年くらい。認可にはサッカー留学の受け入れクラブが必要です。このクラブですが、実際には日本人の留学を手配する現地の代理人がいて、その代理人の顔が利くクラブになることがほとんどですね。

現地では何が行われている?そして言葉の問題は?

−現地での練習の内容としてはどんなものになるのでしょうか?

実際に受け入れ先チームの練習に参加してもらいます。留学生だからといって特別なプログラムがあるのではなく、現地で現地の選手が行っているメニューをそのまま行います。そのままチームに合流するので、体験としては良いものが得られるのではないでしょうか。もちろんレベル分けはあるので、まったくついていけないことは無いでしょう。ボールやユニフォーム、食事は支給されるので、極端な話、サッカーだけを考えていれば大丈夫です。

みなさん気にするのが語学だとは思います。1ヶ月の留学の場合、最初の1週間くらいは通訳が付きますが、残りの3週間は通訳なしで過ごしてもらう場合が多いです。現地のスタッフや選手も留学生に慣れているので、あまりにも浮いてしまうという心配は無いでしょう。このところアジア、特に中国からの留学生も多いようですね。

実際サッカーをやっている時間意外は暇になってしまいます。現地の選手の中には夜学校へ行く者もいますが、留学生はそうもいかないので。その結果、遊んでしまう子もいなくはないようです。

留学成功のポイントとは

留学を成功させるポイントは、どういう時間を過ごすかということに尽きます。現地ではお客さんとしてもてなされる雰囲気もありますので、成果が出るか・成長できるかどうかは本人次第の部分もあります。

ちなみにまったくツテのないチームに行った場合、日本人ということで練習にも満足に参加させてもらえないというケースもあったようです。お客さん扱いされるのも嫌ですが、そういったリスクを冒すのも考えものだと思います。

団体(チーム)で参加した場合、指導者の意向が強く反映されたものになります。強化試合を多く組む場合も多く、中には田舎のチームを回るようなケースもありました。一方でリゾートのように安全な場所で練習に打ち込んだケースもありますね。

−なるほど、様々な思惑があるのですね。

後編へ続く

留学を手配している堤さんにお話をうかがった前編はここまで。後編では、実際に留学へと1年間旅立った方に実際のところどうなのか?という質問をぶつけた内容をお伝えします。

ちなみに今回お話をうかがったフィフティ・ファイブの運営するフットサル場「グラマード」は僕もたびたび個人参加に参加するオススメフットサル場の1つです。

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著者プロフィール

Norio NAKAYAMA ブロガー、ライター、フォトグラファー、アドバイザー。 2000年よりテキストサイト、ニュースサイト時代を駆け抜けそのままブログへ。国内外への旅行やガジェット、日々の出来事などを紹介中。 旅と大宮のブログ「エアロプレイン」運営。Yahoo!ニュースさいたま市担当。三島市出身。アイラ島、青ヶ島上陸済。JFA公認C級サッカー/フットサルコーチ。チェコ親善アンバサダー。ScanSnapプレミアムアンバサダー。エスパサポ。中小や飲食マーケアドバイザーとDX支援、広報PR。お仕事相談はお問い合わせより。