あの英国で見たロイヤル・オペラ・ハウスの感動をそのまま日本で!5年ぶりの来日が実現!
2月に行った英国の様々な施設の中でも、その豪華絢爛さと気合いの入りっぷりに度肝を抜かれた、ロイヤル・オペラ・ハウス。まるで高校の時初めて渋谷に降り立った時のような、あの得も言われぬワクワク感が非常に印象的でした。
そんなロイヤル・オペラ・ハウスが、来日します。しかも指揮者はパッパーノということで、これは本気の本気じゃないですか…!
パッパーノというラテンの指揮者
パッパーノはイタリア人両親の元に生まれた、まさにラテン系ど真ん中の血筋をもちながら、英国で育ちアメリカで学ぶという経歴を持つ指揮者です。そのキャリアはオペラ指揮者の王道的で、オスロを皮切りにベルギーのモネ、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン、そしてバイロイト音楽祭と、オペラ指揮者ならば一度は憧れるような現場を次々と経験、そうして辿り着いたのがひとつの最高峰でもあるロイヤル・オペラ・ハウス(コヴェント・ガーデン王立歌劇場)です。ということで、経歴はもう十分過ぎるほど。
ただ、残念ながらパッパーノの実演奏に触れたことがありませんでした。ということで、買ってみましたよパッパーノ。
R・シュトラウスの「4つの最後の歌」や「サロメ」のCDです。
聞いてみての感想ですが、パッパーノが素晴らしいなあと感じるのは、ちゃんと主張どころを心得ている点でした。あくまで伴奏としてのオペラのオケ、主旋律としてのオケ、そしてドラマチックに盛り上げる、歌い手としてのオケをしっかりコントロールしているのは、さすがROHの指揮者という感じです。しかも歌わせる部分では、ラテン系ならではの良い意味で大げさな、だけど憎めない表情付け。これは間違い無く「生で聞いた方が圧倒的」なタイプの演奏家ですね。CDだと伝わりきらないやつです。不思議だけど、本当にそういうのあるんですよね。肌で感じることが重要。
そんなパッパーノが、ロイヤル・オペラ・ハウスのオケ、いわゆるコヴェント・ガーデン王立歌劇場と5年ぶりに来日するというのだから、これは注目ですよね。
演目は「マクベス」そして「ドン・ジョヴァンニ」。どちらもドが付く定番です。それだけでも注目されているのに、マクベスの演出家はかの「フィリダ・ロイド」。映画「マンマ・ミーア」や「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」などでお馴染みといったほうがわかりますでしょうか。僕も驚いたんですが、彼女、オペラの演出もやるんですね…。
一方のドン・ジョヴァンニは、かの「カスパー・ホルテン」が演出です。かの、というのは、彼は歴任した劇場において、数々の斬新な演出を行い、名声を勝ち得てきたからです。定番オペラ「ドン・ジョヴァンニ」がどう変わるのか!?これは見た人しかわからないでしょう(僕もまだ見ていないのでわかりません!)
のりおのまとめ:ロイヤル・オペラ・ハウスは攻めている
ということで、今回は訪問したばかりのロイヤル・オペラ・ハウスが来日するということで、少し角度の違うところから公演のオススメをしてみました。何度もいいますが、ロイヤル・オペラ・ハウスは世界有数の演奏団体であり、また5年ぶりの来日なことを考えると、次がいつになるのかさえわかりません。毎年くるわけではないのです。
またロイヤル・オペラ・ハウスと聞くと、王室所有のオペラハウスですし、さぞ伝統を重んじる…とイメージされそうです。が、そこはロックの国イギリスですから、演出家の顔ぶれを見てもわかるとおり「攻めて」いるんです。ウィーンやドイツとはまた違った攻めのオペラ。なかなか面白そうではありませんですか。
ちなみに日程など詳しいことは以下からどうぞ。会場は東京文化会館とNHKホールです。