写真の腕を上達させるためにずっと守っている、たった3つの教え #tbmu

2014/02/21イベントレポート1枚,posted,中井,最終的

EOS 5D Mark III Body

2月19日(水)に行われた有志のブログ勉強会「第16回東京ブロガーミートアップ」は、写真がテーマでした。このイベントでは毎回3分ほどのライトニングトークが必須となっておりますので、今回は僭越ながら「師匠から教わった写真撮影のすべて(3分版)」として、僕がライター時代にプロカメラマンの方からいただいた教えを紹介しました。といっても、大切なことはたった3つだけなんですけどね。

とにかく、とにかく、シャッターを切る

最初に僕がそのカメラマンさんに教わった、最も大事なこととは「とにかくたくさんシャッターを切ること」でした。

フイルム時代ならいざ知らず、いまは大容量メモリーカードに数百枚以上も記録できる、なんともシャッターの切りやすい状況です。これを生かさない手はないぞ、と。写真の善し悪しも、構図の善し悪しもわからないレベルなら、とりあえずたくさん撮影すること。失敗があるのは当然で、その失敗を枚数でカバーできるくらい撮る。とにかく撮る。最初はなにもわからなくてもいいから、気になるものにカメラを向けて撮り続ける。

とは言っても、撮りっぱなしなだけでは必ずしも上達に結びつきません。たくさん撮影した後に大切な作業があります。それこそ次に言われた

・自分で写真を選ぶこと
・選んだ写真を誰かに見てもらうこと

でした。

自分で写真を選ぶ=自分の軸を作る

自分で自分の写真を選ぶことは、自分の中で「この写真は好きだ」「これは嫌いだ」という軸を作ることにあたりました。それまではとても漠然と撮影していたのですが、この作業を経ることで、「こんな構図を撮りたい」「前に成功したあの写真をもう一度撮りたい」といった「どう撮影したいか」の意思が生まれるようになりました。中でも著しく効果的だったのが、似たような構図の中から自分が最もしっくりくる写真を選ぶことです。9割方同じ写真なのに、なぜ残りの1割で評価が変わるのか。そこを見極めることで、自分の撮りたいもの、狙いたいこと、狙わなくていいことが見えてきました。また撮影時のシャッター速度や絞りなどを確認することも大事です。自分の感覚を数字に落としていくのです。最終的には、100枚に1枚だった成功写真を50枚に1枚、20枚に1枚など、向上させることができれば御の字だ、ということでした。

ただし!この作業で注意することが1つだけあります。それは、自分が選んだ写真=世間が評価してくれる写真ではない、ということです。もちろん自分の趣味嗜好は大事です。なんらかの考えがあって傾けたり、ホワイトバランスを崩したり、不安定な構図を選んだりすることもあるでしょう。でも、やはり世間の目というのは大事で、大多数の人が「良い」と言ってくれる写真は、ある程度の説得力を持っていたりするんです。

そこで必要になるのが、次のプロセスです。

選んだ写真を誰かに見て評価してもらう=世間と自分の目をアジャストする

考えてもみれば、そもそも何が良くて悪いのかわからないレベルでは、写真の善し悪しなんて直感でしかありません。しかし写真の世界にも歴史があり、ある程度の黄金律というのは数値化・言語化されているわけです。細かいところは割愛しますが、美しく見える構図、主題が映えるライティングなど、人を引きつける写真というのは説明ができるのです。

そこでこの作業です。この作業では、先の作業でできた自分の軸を、世間一般の軸と比較する作業です。間違って欲しくないのは、軸を揃える必要は無いんです。ただ、自分の軸がいまどこにあるのか。世間と近いのか遠いのか。それだけでも理解することが大事なんだろうなあと僕は理解しました。このアジャスト作業をおざなりにすると、おいしく無さそうなご飯の写真や、行ってみたくならない風景写真、何も感じない動物写真などになってしまいます。これでは単なる「記録」です。せっかく写真を撮るのだから「記録」を突き破って「作品」にしてみたくありませんか?(もちろん記録写真も大事ですよ!)

最終的に大事なのは、繰り返し続けることである

最後にもう一度整理します。

まずは、たくさん撮影します。とにかく撮影します。別に連写する必要は無いですよ。たくさんのシチュエーションや構図、カメラの設定を試しましょう。そうすると、なんとなく見えてくるものがあります。

次にたくさん撮影した中から選びましょう。まずは良いものとダメなものを選びます。選んだ後に、打率がどれくらいだったのかを考えましょう。この打率を上げたいですよね。打率さえあがれば、最終的にはシャッターを切る密度があがります。3年前の1万シャッターと、3年後の1万シャッターでは質が変わってきます。

最後に人に見せましょう。ブログでもFlickrでもいいです。とにかく見てもらいましょう。うまくいけばお気に入りに入れてもらえたり、コメントをもらえたりします。ぶっちゃけ、レスポンスをもらえる写真なんて希です。でも、その貴重なレスポンスをもらえた写真は、きっとなんらかの魅力を秘めているはずです。

これらの作業を繰り返していくと

A:自分が好きで世間も評価してくれる写真
B:自分が好きだけど世間は評価してくれない写真
C:自分はあんまり好きじゃ無いけど世間が評価してくれる写真

が出てきます。

このABCどこを目指すのかは、その人次第です。そして

D:自分はあんまり好きじゃなくて、世間も評価してくれない写真

は絶対に減らせます。自分が好きか、誰かが評価してくれるか。どちらかさえ満たせれば、きっとカメラってどんどん楽しくなってきますよね。世間的に「上達」ってのはAかBなのかもしれませんが…。

なお僕の中で A の代表例がこちら。

takeda castle
竹田城の写真です。自分でも好きな写真だし、評判も良かったです。

また C の代表例がこちら。

PATISSERIE APLANOS Shinpei Asada
まだ単なるケーキの写真ですが、tumblerでリブログされまくっています。評価というか、需要があった感じですね。

ということで

とりあえずこれからカメラをはじめよう!と思ったら、重たい参考書を読むよりも、とにかく撮って撮って撮りまくるのが良いのではないかと、僕は思います。そして自分で選んで、人に見せる!これを繰り返せば絶対に上達するはずです。

あと念のため書いておきますと、僕ももっともっと上達したいと思っています。最近の僕の悩みは「キレイな写真」は撮れるようになったけど「うまい写真」「すごい写真」が撮れないことに壁を感じていることです。もうどこか教室行って来ないとだめだよなあ、とか思っています。

 

とは言っても、本でも勉強したい!ってあると思います。僕が最も信頼した本は、以下のレイルマン中井さんの本。最高でした。

 

 

2014/02/21イベントレポート1枚,posted,中井,最終的

Posted by norio nakayama