グアムには酸いも甘いも知り尽くした「日本人」がいた #visitguam
グアム政府観光局にお呼ばれして、5日間ほどグアムに行ってきました、というのは既にお伝え済み。そこで衝撃的な人物に出会ったので、そちらについてレポートしておきます。
その人の名は…ハマモト・ヒサミツ ー 濱本久允、そう、れっきとした日本人です。彼は、グアムで人生の絶頂からどん底までを味わい、今は東京ドームの6倍とも言われる大農園「ハマモト・フルーツワールド」を経営するという、不思議な経歴の人物なのです。
まさにジェットコースター人生
ハマモトフルーツワールドの紹介によれば、ハマモトさんの人生はまさに「上昇」と「転落」を激しく繰り返しているとしか思えないものです。以下、もうカットのしようが無いので7割方引用します。
外国に行くことが簡単ではなかった時代のことだ。 大学卒業後、当時エリートコースと言われていた銀行へ就職が決まった。けれど「銀行に入ったらこのまま一生がおわってしまう。それよりも1度でいいから海外に行ってみたい」と進路を変えた。身を置いたのは当時日本にあった唯一の外資系ホテルヒルトンホテル。「銀行を蹴ってまで」と、親戚中からは白い眼で見られた。
ミュンヘンオリンピック開催の年、ドイツに移る事を決心。
ところが翌年のオイルショックでビザの発行がスムーズにいかない。1年間ビザの発行を待っている間にグアムのヒルトンから「うちへ来ないか」と誘われた。悩ましい決断だったが「2年の契約が終わってからヨーロッパに行けばいい」と申し出を受けた
ナウル共和国の大統領から「一緒にホテルの開発をしよう」と誘われた。世界一小さく世界一裕福な国。その国の大統領との友情はホテルマン時代に築き上げたものだった。融資、建設、開発。一連の流れを学んだ後は、ホテル経営者として残る道を選ばず「自分で開発の仕事がしたい」と事業に乗り出した。ちょうどバブルの時代だった
手掛ける事業は次々と成功。面白いほどにお金が入った。毎晩のお金の使い方が噂になるほど、夜の街を遊び歩いた。「俺は死んでしまった-」。金に翻弄され感謝の気持ちや喜び、希望もなくなっていた。「全部の金を捨ててもいいから、自分を取り戻したい。」そう強く願った。麻痺した感覚、横柄な態度は自然に触れればもとに戻るのではないか。
自然の中で生活が出来たらどんなに素晴らしいか。「金や物は人を幸せにしない。」身をもって体験した彼は現在の土地を購入し、たった一人で開拓をはじめた。フルーツワールド開業に向けた新たな一歩だった。
96年のオープンまでには5年の歳月がかかり、その間の収入は赤字続き。四方八方から借りつくした借金は大幅に増えていた。オープンから1年。翌月の収入がなければ先のない状況になった。
12月16日。グアム島が台風の大惨事に見舞われる前のことだ。全てが一夜にして消え去った。眠れぬ夜が続き、前進し続けた彼もついに息の根を止められた心地がした。
けれど人生のどん底で一筋の光が差し込むことになる。昔、政治関連で争ったはずのの相手が手を差し伸べてくれたのだ。「せいぜい3ヶ月」。援助は受けたものの再起より処分の方法を考えた。「どうせお終いになるのなら。」と資金をかき集め、念願だった広報誌に今までの人生を集約、発行した。すると、彼の文章に感動した人々が次から次へと援助を申し出た。絶望の底から再び人生がまわり始めた瞬間だった
ハマモトフルーツワールドとは|ハマモト フルーツワールド|グアム オプショナルツアー
ホテルマンとしての大成功。バブルにのった成金生活。そして、空しさからの事業転換、大失敗…とどめを刺すように襲来した、巨大台風。首をつろうにも、首をつる木さえ残らなかったそうです。
そんな濱本さんを救ったのが、人間関係だというから不思議ですね。こうして彼は、いまやグアムでの観光ツアーの要所に組み込まれるような、大農園を経営しているのです。
1年に4回夏の来る島
グアムには四季がないと言います。正確には雨期と乾期がだいたいある。それくらいで、1年中夏という扱いだそうです。しかし濱本さんの話を聞くと、実は1年に4回夏の来る島なのだ、ということがわかりました。というのも、夏にしか収穫できない植物が、1年に何度も収穫できるからです。もしグアムの季節を農作物の収穫で感じるのだとしたら、それは1年に4回夏がきているということなのです。
このジャングルのような農園の中を、トラクターに引かれてのんびり40分ほど。これは本当にグアムを味わっている感じで、すごくいいかも。
農園を見学後は、散々見てきたトロピカルフルーツが食べ放題です。たまりません。驚いたのは若い椰子の木の内側を削ったもの。なんと見た目はイカの刺身そのもの。そして醤油とワサビで食べると刺身そのもの。なんだあれ…。
ということで、ハマモトフルーツワールドには、トロピカルフルーツと、味わい深い日本人がいたのでした。
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