音楽会議3とオートボコーダーボックス(ベータ)
金曜日に行われたのは、YAMAHAと百式プレゼンツ『 音楽会議』の第3弾でした。昨年よりイベントには積極的に参加しているのですが、特に今回のYAMAHAのプレゼンにはビックリさせられることがたくさんありました。だって、あの「 初音ミク」をはじめとした『VOCALOID』があんなことになっちゃうんですから・・・。
音楽会議3 概要
音楽会議3は、御茶ノ水にあるデジハリで行われました。スポンサーはおなじみのYAMAHAさん。進行及びプレゼンは、お馴染み須田っちです。
今回の音楽会議のテーマは「音をもっと楽しもう!」。そして題材は…初音ミクでお馴染みのVocaloid(ボーカロイド)です。
事前投稿から
百式の会議では、お題に対する事前投稿がお約束となっています。今回のお題は
2008年末、あなたはマイクを使った画期的なウェブサービスを考え付いてしまいました。そのサイトでは、マイクを使って(A)を入力すると、驚きの(B)をすることができました。さて、(A)と(B)には何が入るでしょうか?
でした。で、僕が投稿したのは…「A:魂の叫び」「B:音量に応じた寄付」だったのですが、嬉しいことに田口さんチョイス12個へ入ることができました。「気持ちはわかる」とコメントが書いてあって笑いましたね(笑
他の回答は…すみません、カメラの電池がギリギリでメモし切れず、です・・・残念。
さて、ここからが本番です。
VOCALOID 合成のしくみ
Vocaloidについては開発者で「ミク廃」を自認する(笑)YAMAHAの剣持秀紀さんが解説してくれました。
↓スライド内容
- 実際の歌手から取り出された音声の素片を、周波数領域で接続し加工することで歌声を生成
- 音韻データベース
- –ある音素から次の音素へ移り変わりの部分+伸ばし音
- –データベースにはあらゆる音素の組み合わせが格納
- —-日本語の場合、約500個
- —-英語の場合、約2500個
- 例えば “sing" [sIN] という単語は、"#s" “s-I" “I-N" “N#" という5つの素片を接続することで合成
つまり音は「前の音」「発音したい音」というセットによってできているということですね。例えば「か」と「おか」という言葉で比べると、「Ka」と「O-ku-Ka」という感じに違いが感じられると思います。
合成部 素片使用タイミングの調整
人間の発音は、発音前に余計な音が入ります。「さ」と発音すると、「su-Sa」という感じになるのがわかるかと思います。ということで、Vocaloidに自然な発音をさせるためにはその部分を考慮する必要があるとか。なるほどー。
VOCALOID製品の流れ
VOCALOIDは2004年の発売以来9つの製品があると紹介されました。
Version 1(2004年より発売)
Version 2 (2007年)
- SWEET ANN
- VOCALOID2 キャラクターボーカルシリーズ01 初音ミク HATSUNE MIKU
- VOCALOID2 キャラクターボーカルシリーズ02 鏡音リン・レン KAGAMINE RIN/LEN
- VOCALOID2 PRIMA
このPRIMAがすげーんですよ
ちょうど製品紹介で『PRIMA』のデモがあったんですが、これがまた驚くような完成度。すごかった。再生環境の影響もあるんでしょうが、使い道は相当ありそうな感じでした。以下はクリプトンで紹介されているデモです。
どうです?凄くないですか??これは知らなかったんで、ビックリしたなぁ…。
VOCALOIDの弱点
須田さんと剣持さんによれば、VOCALOIDの弱点は
- Mac版マダー?(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン → すみません
- VOCALOIDを読み上げソフトに応用できますか? → できませんが…検討中
- 自分の声で歌声ライブラリを使えますか? → 使えません
とのこと。中でも読み上げの部分には思うところあって対応を考えているそうだ。たしかに、絶対音感の人は会話もメロディーに聞こえているらしいし、あながち方向としても間違いではないですよね。
ただしMacと自分の声のものは、まだまだ…ということでした。
だが、しかし
On-line VOCALOID
ここでショッキングなものが公開されます。曰く「さっきまで作ってた」というそのサービスとは、『On-line VOCALOID』。なんと、オンラインで初音ミクや鏡音リン・レンが使えるという優れものです(もちろんまだサービスインしてませんが)。
サービスでは、音階(楽譜)画面上で作りサーバに送ると、すぐに曲(歌)が生成され、返ってきます。しかも結構高速。さらにさらに、一度楽譜を作ってしまえば、初音ミクの声にするも、鏡音リン・レンの声にするも自由。かなりショッキングなシステムです。
クライアント型とサーバ型の違い
大きなメリットは、Macで使えること(笑)と、皆でわいわいメイキングを行えることだそうです。これはYAMAHAのテーマでもある「感動を・ともに・創る」という理念にものっとっているとか。確かにみんなでやるのは楽しいよね。
というわけで、ショッキングなオンラインボーカロイドの発表により、プレゼンは終了…
…するはずだったのですが。
One more thing!
ということろでサプライズ。これをやりたいがために「MacBookを用意した」という須田っち渾身のプレゼンがここからはじまるのです。
キーワードは『オートボコーダーボックス』。
オートボコーダーボックス
そもそもボコーダーとは? IT用語辞典によれば
ボコーダーとは、音声圧縮技術の一種で、人間の声をシンセサイザーで解析し、機械的に合成し直して音を鳴らす技術のことである。
ボコーダーは、人間の声帯が持つ音声周波数を、シンセサイザーにおける同じ周波数に当てはめることで、声を出力させている。ボコーダーを通すことによって、人間の声と機械音が合成されたような効果が出る。
つまり、適当に歌ってデータとして突っ込むと、好きな音階で歌っているように鳴らすことができるシステムなのです。それがオンラインでできちゃう。これはすげえ。
実際その場で須田っちが森山直太郎の「さくら」を全て同じ音で歌い、実際の歌の音階に直してみせたり、ヒカルゲンジの「パラダイス銀河」を歌って、上下のハモリパートを重ねてゴージャスにしてみせたりと、それはもうすごいインパクトの実演が行われました。すごい。これはすごい。
で、ふと気が付くわけです。さっきのOn-line VOCALOIDと組み合わせたら、オンラインでなんでもできてしまうのでは??と。
歌詞と声とメロディを持ち寄って
曰く、例えば歌詞は作詞家やコピーライター、ブロガー、文章が好きな人が作り、声はVOCALOIDや歌いたい人、声には自信がある人が入力し、メロディは作曲家やアレンジャーや打ち込み、頭にメロディーが歌う人が作ると、幸せになれて面白いのでは?ということ。これはすごい考え方です。もしこのシステムが実現されたなら、音痴でも「声」だけを提供できるようになったりするわけです。いままでとは次元の違う一大コラボレーションが可能になるわけです!
まだまだサービスインは見えないようですが、もしこれが実現されたなら、何かが変わる気がします。音楽業界が一変してしまうかもしれません。いやーすごいもん見せてもらったわ。
あとはお馴染み全体会議
ちょっと長くなりすぎちゃったので、全体会議は割愛(笑
グループでは優秀賞候補にまで残ったのですが、あえなく落選してしまいました。僕がオートボコーダーボックスを「オートデブボアコーダーボックス」と噛んだのが悪かったかもしれません…グループのみなさまごめんなさい。
その後は朝まで
その後は久々に朝まで打ち上げに参加しました。みなさまありがとうございました。
追記
今回商品として提供された『Music Production Synthesizer MO6』ですが、約10万円ほどのものだそうで。会場では「20万くらい」と勘違いしていて何名かに興奮気味に話したかと思います。すんません(笑
すだっちのプレゼンではそんぐらいの価格だと書いてあった気がしたんだけどなぁ。勘違いでした…。
関係ないけどオススメ。ドロンジョ x キューピーの根付。かわゆす。
音楽会議3の関連リンク
→ 『音楽会議3 sponsored by YAMAHA』へ参加してきました (オンライン版初音ミクのデモ等々)@sta la sta
→ On-line VOCALOIDのプロトタイプを見てきた@mashpadの勝手にワーカー
→ newzy.jp – 『音楽会議3 sponsored by YAMAHA』に参加しました。
→ あの「初音ミク」の「VOCALOID」オンライン版が本邦初公開
→ 秋葉原に通う女子大生@Ayaka+ブログ – 音楽会議!!
→ 『音楽会議3 sponsored by YAMAHA』に出席したよ – ごんざれふ
→ 音楽会議3でオンライン版初音ミクが登場 – F.Ko-Jiの「一秒後は未来」
→ チミンモラスイ? : 「音楽会議3」sponsored by YAMAHA
→ TOKYO HUNGRY GO AROUND 「初音ミク」オンライン版登場!
→ オンライン版の初音ミク、オートボコーダーボックスなどなど・・・『音楽会議3』イベントレポート
*随時追加します。
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