念願の英プレミア「スパーズ×シティ」でサポーターの迫力に号泣 #夢見た英国文化
9月に機会があり訪れたロンドンでは、2日半の滞在時間がありました。しかもタイミング的にはちょうど週末。というか、週末に合わせてロンドン滞在にしたんですけどね。それは何故かって?プレミアリーグを見に行くためですよ!
遠く日本より各チームの公式サイトへアクセスすること幾ばくか。公式ルートより元値でゲットに成功したそのチケットは、プレミアリーグ トテナム・ホットスパーとマンチェスター・シティの試合という、ほぼ最高に近いビッグマッチでした!ラッキーすぎる!
日本からでも元値でチケットは取れる
そもそも今回の試合について、最初は現地のチケット取得代行会社を使おうと思っていました。ところがですね、高いんですよ。当然ですが手数料が乗っておりまして、その額はチケットの元値をゆうに2〜3倍にしたもの。さすがに今回の旅行ではそこまでの大盤振る舞いをすることができません。そもそもこのチケットだって、元値なのに81ポンドですからね!日本円にして約16,000円。どうなってんだ(笑
そこで調べましたよ。日本からでも公式サイトから直接チケットを買う方法を。するとですね、なんてことはなかったんです。ちゃんと公式サイトの会員になって、チケット発売日にアクセスすれば、シーズンチケットで抑えられていない席は普通に買えたんです(注:もしかしたら誰かが手放した席かもしれませんが、仕組みはわかりませんでした)。
とにかく大事なのは、公式サイトから元値で買えたことと、なにより日本にもちゃんと配送してくれるということ!心配になって「本当に日本に送ってくれるの?」「もう送ったから安心しなよ!」みたいなやりとりをしてしまいました。というか公式サイト返事早い!
で、送られてきたチケットはこちら!本当に来た!!!!!
というテンションで英国入りし、前日までのアイラ島とエディンバラ城でテンションを振り切ったまま向かったのがトテナム・ホットスパーことスパーズのホームスタジアム「ホワイト・ハート・レーン」です。
そもそもね、最寄りの駅からもうものすごいことになっているわけですよ。サポーターの波が押し寄せているんです。スタジアムの最寄り駅は同名の駅ですが、通常はひとつ手前の乗り換え駅「セブン・シスターズ」から1キロ半くらい歩いて行くみたいでした。僕は電車にのりたかった(おそらく凄いことになっているだろうと思って、それを体験したかった)ので、あえてセブン・シスターズ(地下鉄)から徒歩5分でセブン・シスターズ(地上駅)へ乗り換え。ちなみにこのセブン・シスターズが、名前とは裏腹にわりとワイルドな空気を醸し出しておりまして、けっこうドキドキしたのはここだけの話。
さて地上駅のほうに着くとですね、もう大変なことになっているわけです。日本の山手線の混雑目じゃないほど。ものすごい大混雑。そして電車が到着すると…電車の中からすでに応援歌が!これはシティだ、シティのサポーターだ!シティの歌が流れながら入線してくる電車。シティの歌を流しながらホワイト・ハート・レーン駅へと向かう電車。とにかくこれはもはや非・日常もいいところな空間です。
ホワイト・ハート・レーン駅では謎のチラシを渡され(実はこれが帰りに重要なのだが僕は気がつかず)、スタジアムまで徒歩8分ほどの道のりを歩きます。途中、公式のマッチガイドなどを買いつつ、お釣りを間違えられつつ、スタジアムへ。
きたーーーー!ホワイト・ハート・レーン!!!!!
あまりに巨大で、もはや外から見るとなんの建物かわかりません。ビル?みたいな。
ホワイト・ハート・レーン!
簡単にホワイト・ハート・レーンのことを解説しておきますと、前述のとおりトテナム・ホットスパーの本拠地であるこのスタジアムは、1889年にオープンと100年以上の伝統を持っています。そのぶん収容人数については36,310人とプレミアリーグでは小ぶりなスタジアムでもあります。しかしながら、その小ささを補っても余り有るほどにホットでホットなホットスパーのサポーターが、毎試合ぎゅうぎゅうにつめかける名物スタジアムでもあるのです。この日はシティとのビッグマッチということで、スタジアム周辺は人、人、人。スパーズの白と、シティの水色2色の人々でごったがえしていました。
さて、初めてのホワイト・ハート・レーンで困ったのが入り口です。日本よりもチケットごと厳格に分けられた各入り口は、けっこうなわかりにくさ。特に今回はバックスタンドだったこともあって、ゲートが見つかりません。
結局さまようこと15分。自動車の検問をやっているVIP入り口みたいなところの脇が僕のチケットで入る一般客の入り口でもあると気がつき、事なきを得ました。
ゲートに到着すると!この細さ!これだよこれ!みたいな世界が目の前に広がります。
無骨なコンクリートの階段を上ること4階ぶん。ついに、ついにきたぞホワイト・ハート・レーン!!!!!!!
なお係員にカメラ使ってもいいかどうかを聞くと、キックオフまでは一眼の使用もOKとのこと。それ以降は一眼はNGとのことで、いまのうち!とホワイト・ハート・レーンを撮りまくります。
まだ本格的なアップもはじまっていない、現在はキックオフ1時間チョイ前。
日本よりも入りは遅いですね。本当に満席になるのかドキドキしたくらい。
ガラガラです。
ところが、20分前くらいから急に続々と集まってくるサポーターたち。どうやら周りは全てシーズンシートのようで、まったくつながりのないような老人と若い女性が「イエーイ!」とかやったりしています。そうか、この人達は何年もずっと同じ席で応援しているのかもしれない。
と!その時はじまったのが公式練習ですよ。うおおお、スパーズの選手とシティの選手が…たまりませんなこれは…と思っていると右のほうからものすごい歌声!声の発信源はゴール裏コーナー付近の一角。そう、そこはアウェーでの応援に臨むシティサポーターの数少ないゾーンです。
し、か、し!
しかしですよ、この声量のなんたることか。これが、これがプレミアリーグ!!!!
多少裏事情を申しますと、このスパーズとシティはどちらもいわゆる「労働階級」のチーム。ユナイテッドやアーセナルのような上流階級のチームではない、この無骨な男臭い雰囲気を前面に押し出すサポーターが特徴なのです。だからですね、とにかくどちらも応援が熱い!歌が熱い!そして音量がものすごい!!!!(とはいえシティは最近のマンスール殿下による金満政策でずいぶん上流寄りになったそうですが)
気がつけば選手紹介もおわり、あれよあれよという間にキックオフです。ああああああついにはじまった、はじまったよ夢の一戦が。夢見た英国文化のひとつがいま、目の前で叶いはじめています。
そしてですよ、信じられない、本当に信じられないのですが、シティサポーターの声が、また一段階大きくなったのです。隣の人とも話ができないくらいなど迫力のチャント!!ものすごい声!あまりの声に感動してなぜかぼろぼろ泣いてしまいました。なんだこれは、こんな感覚がこの世の中に存在するのか!?というほどです。だって、アウェーのチームの応援がものすごすぎて泣けるなんて、今まで一度も味わったことないんですから。完全に心を動かされてしまいました。
一進一退の攻防…と思いきや、スパーズが!
ところで試合のほうです。前半の前半はわりと一進一退の攻防…いや、シティがそのスキルでボールを回し、期待の星であるスターリングがむちゃくちゃな切り返しでスパーズDF陣をあざわらいつつ、アグエロのペナ内局所におけるものすごいフィジカルでの突破でゴールを襲います。とにかくアグエロの動き、エグイです。他の選手より体を動かすまでの反応があきらかに早い。もちろん動きも速い。ゴール前、敵が何人いようともゴリゴリと突撃していくのは迫力満点です。これで怪我明けだってんだからなあ。注目のヤヤ・トゥレもものすごい動き。なんなのあの動き。1歩の大きさが尋常ではないうえに、足下の旨さが…これがアフリカ史上最高クラスの選手!
そんなことを思っていると、シティの素晴らしいカウンターからデ・ブライネが美しいゴール。噂には聞いてたけどこいつはうまい。この試合中も何度か違いを見せてくれておりました。もちろんさきほどまででもものすごかったシティサポーターの歌声は最高潮に。2度目の泣きそうな感情が襲ってきます。だからなんなんだこれは!
シティの先制点に静まるホーム。シーンとした空気を切り裂いたのは、こちらスパーズ側のおなじみな応援歌(チャント)「Oh When The Spurs Go Marching」でした。本物だ!!!これは僕でも歌える。段々と重なってくる手拍子。わきあがる声、声、声!日本でいう「聖者の行進」に載せられたシンプルな歌詞がスパーズの選手を後押しします。この一体感たるや!周りではおじいちゃんも子供もOL風の女性もみなが歌います。これこそホームゲーム!
さて、シティリードで前半を終えるかに思えた試合は、想定外の同点劇を迎えます。スパーズのド、ド、ドオフサイドもいいところな(笑)展開からこちらは美しかったダイアーの20mはあろうかというミドルシュートで同点に。いやあスタジアムが震える震える。ここ、3万人強しか入ってないはずなのにこれはどうしたことか。じゃあ7万人入るブンデスのスタジアムとかどうなっちゃうの??いやいや、今は純粋にスパーズサポの凄まじさを体感しておきましょう。
後半は早々にスパーズがアルデルヴァイレルトのヘディングで逆転。おお、これは面白くなるぞ!と思っていたらまたオフサイド気味のゴールでケインに、今季不調かと思われていたあのケインにゴールが。さすが、持ってます。そして今日の副審、いけてません(笑
シティサポのゾーンがどんどん怪しくなってきて、気がつけば警備員も増えてきたり。そりゃそうだ、これはちょっとかわいそう。こころなしか、シティ側で心が折れた選手が出てきているような。
ところでスパーズの選手は、とにかくエリクセンとアリが良かったですね。さすが2人とも話題になっているだけはありました。そしてロリス。昔から良いキーパーだっと思ってましたけど、実際に見るとさらに良さがましました。もっとビッグになって欲しかったなあ。そしてラメラ。ラメラもなかなかブレイクしなくてなあ。でもこの日のラメラは報われます。
そう、とどめはこの日獅子奮迅の活躍だったラメラがキーパーをかわしてゴールだったんです。うんうん。かわいそうなところはあったけど、シティの今日のGKはちょっと対応悪かったな。実はもっとも切れちゃってたのはGKだった、ってオチでした。ラメラはさすがの冷静さ。こんだけ試合中がんばってたら、この特典はご褒美みたいなものですよ。
さて、さすがに4点も入るとスタジアムはお祭り騒ぎ。僕も見知らぬ周りのスパーズサポとハイタッチしまくって大変に楽しい。興奮しすぎたおじいちゃんサポがイスからずっこけて周囲を騒然とさせたのはご愛敬。とにかく!これぞホーム!疑惑の判定でもなんでもいいんだ、勝てばいい、なによりあの金満シティをしてやったぜ!!!!!!!!!
というこのストレートな雰囲気がたまらない。たまらないよ。告白します、本当はアーセナルの試合が見たかったんです。でもいいんです。この雰囲気!ホワイト・ハート・レーンに来れて本当に良かった!!!!!!!
ということで、4点目を見たシティサポは早々に退散。試合が終わったとき、スタジアムはほぼスパーズサポだけで埋め尽くされ、お約束のチャントを歌い、この日は終了となったのでした。いやあ、見るぶんにはたまらない試合を見てしまった。最高。最高すぎた。
帰りには知らないと大変な罠があった!
あとは単なる蛇足なのですが、今後ホワイト・ハート・レーンに来る人のために一筆をば。
行きに利用したホワイト・ハート・レーンの駅、実は帰りには閉鎖されていて、利用できない!というのがお約束なのでした。実はこのこと、最初にもらった紙に書いてあったんですが、そんなことに気がつかなかった僕は軽いパニックに。おいおい、次の予定があるのに、これって…。
とりあえず1.5k先のセブン・シスターズまで早足で歩いたわけですが、そこは地下鉄、3万人の観客をさばけるわけもなく、ちょっと…というレベルの大行列が。これはやばいと思ってさらに1キロ歩き、そこでバスに乗ることで事なきを得ました。ふー。
のりおのまとめ
それにしてもですよ。たった数百人しかいないだろうシティサポのものすごいチャントの声で感極まって泣いてしまうとは思いませんでした。これはまさに超体験。その歌声をかき消すホワイト・ハート・レーンが揺れるチャントも最高。なんなの、なんで3万人強がこんなに息を合わせられるの?日本みたいにスタンドごとでなく、スタジアムが本当に一体になっていて、ちょっと、言語化しづらい経験がそこにありました。もう2度と味わえない感動かもしれません。本当に来て良かった。がんばってチケット取って良かった。ひとつの夢がかない、そしてまた来たいという新しい夢が生まれたのでした。次はノースロンドンダービーが見たい!!!!
スペシャルサンクス
航空券と飛行機代をプレゼントという形で提供してくれたエクスペディアさん。
アイラツアーで便宜をはかって取材扱いにしていただいた英国政府観光庁さん。
さらにヒースローエクスプレスや特急などに乗れるブリットレイルパスを提供してくださったレイルヨーロッパさん。
スーツケースレンタルをモニターで提供してくれたアールワイレンタルさん。
そして海外での通信を一手に引き受けるモバイルルーターを提供してくれたグローバルWi-Fiさん。
最後に、ありがとうシルバーウィークですね。この連休がなければこの日程は考えられませんでした。仕事関係のみなさんにもありがとう!
なお、全て現物支給という形で提供していただいておりますんので、記事に対する対価はいただいていません。記事のほうは自由にいつもの調子で書かせていただこうと思っています。プレミアリーグ、本当に最高でした。
では。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません