「杭州飯店」にぼし・太麺・背脂なラーメンの始祖!?燕で創業80年
新潟の燕三条に行ったら何を食べたら良い!?という質問に、速攻で、しかも複数人から返ってきた答えがこちら、杭州飯店です。聞けば、この地域のご当地ラーメン「三条ラーメン」発祥の店と言われているのだとか。果たしてその味は?そして三条ラーメンとはいったい!?
創業80年、いまも人気店は伊達じゃない
お店は燕三条の先、西燕にあります。燕三条から行こうとするなら、車で15分くらいかけていくか、西燕駅から10分歩くかの選択になるようです。
この日は夕方におじゃましたのですが、それはもう、ひっきりなしにお客さんが入ってきます。1人客からファミリーまで、老若男女問わず様々なカテゴリーの人がひしめきます。
懐かしい感じの中華料理店とラーメン店を足して2で割ったような店内。
有名人も多数訪れているようです。
たいていの人が注文しているのは、「中華そば」と「餃子」。ということで、僕もそれにならって、中華そば、餃子、ライスを注文しました。まさか…あんなことになるとは知らず…。
ところで三条ラーメンってなによ
ところでこの三条ラーメンですが、そもそも燕三条は食器や雑器を作る職人の街で、戦後のバブル期にはそれこそ遅くまで残業を続けなければ生産が追いつかないほどだったそうです。
そこで好まれたのが、夜中でも営業している店の多かったラーメン店。特に出前を頼んで、工場にて止められない機械の脇で食べるスタイルが多かったのだとか。その結果、冷めにくいラーメン=表面に油の膜を張ったモノ、汗だくになるので味の濃いラーメン=にぼしで強烈に出汁をとったモノ、しばらく置いておいても伸びないラーメン=極太麺を採用したモノ、が生き残っていき、最終的には
・にぼし出汁
・背脂チャッチャ+油層
・極太麺
のスタイルが三条ラーメンとして親しまれることになったのだと、地元のパンフレットに書いてありました。
して、ずばりそれがこちら、杭州飯店(当時は福来亭)のラーメンだったわけです。
渋谷に出店したら行列間違い無しの味だぞこれは!
しばらくすると来ました!中華そば+餃子(4個)+ライスです!…って、餃子とライスでかッ(笑
そう、こちらのお店は餃子の巨大さでも有名なのでした。知ったのは後からで、到着した時には「しまったッ…」と思いましたが、後の祭り。すでにこの段階で「餃子は残して持ち帰ろう」と決意したのでした(実際、餃子は持ち帰ることが可能でした)。
さてラーメンですが、1口食べて思いだしたのは、渋谷の人気店「ラーメン凪 煮干王」や往年の「たけちゃんにぼしラーメン」などの、強烈なにぼし出汁をうりにしているお店。あれらのお店に勝るかも知れない勢いで煮干しが攻めてきます。特にこの極太麺との相性が最高で、麺にこれでもかとからみついたスープが、麺をすする度に、口の中をにぼしにしていきます。これは強烈だ。
表面の油の膜もかなり厚く、ラーメンはいつまでたっても熱々のまま。この油は背脂が含まれていて、ほのかな甘みがあり、しょっぱめのラーメンスープを良い具合に中和してくれます。というか、これはうまい。すげーうまい。うまさとジャンク感のバランスが完璧で、これは渋谷など都内に出店したら行列間違いなしだよ…。餃子の量も気になりつつ、夢中でラーメンを食べてしまいました。基本的には全て同じタイミングで完食することを目指す僕にとって、これは異例なこと。ラーメンうまかったんだなーって後からも思いました。
その後は餃子と格闘です。ニンニクも野菜も肉もたっぷり、かつ羽根がついているという全部入りな感じのこちらの餃子も、相当にレベルが高い。餃子とライスだけを頼んでいる人がいましたが、それも十分に理解できる満足感です。ただ、メニューに「餃子(2個)=半餃子」という記載があった時点で、そのボリュームに気がつくべきでしたね。
ということで、2個を食べ、2個は持ち帰ってホテルで晩酌のつまみとなりましたとさ。
三条ラーメン恐るべし
詳しく調べたわけではありませんが、三条ラーメンなんて都内でもなかなか見かけることが無いように思えます。これは、次のご当地ラーメンブームは三条ラーメンがかっさらうかもしれないな…ぐらいのうまさでした。いまどきの流行にバッチリはまってるんですよね。前述の通り、煮干王やたけにぼが好きな人なら、間違いなくはまりますよこれは。
ちなみに余談ですが、燕三条としては「カレーラーメン」をB級グルメとして売り出そうとしているのだとか。僕はこの三条ラーメンをもっとプッシュすればいいのになあ、と思わずにはいられませんでしたね…。
ということで、もし燕三条まで行かれることがありましたら、この杭州飯店の中華そば、ぜひご賞味ください!
>背脂ラーメンの杭州飯店が開業80年、80周年を祝う会には120人余りが参加、初めての周年感謝祭も(2013.6.22)