NANOCOMPO NANO-UA1 音で勝負できるOlasonicの極小アンプ
Olasonicの東和電子さんから発売される、新しい製品シリーズ「NANOCOMPO」。一足お先に東和電子さんにて体験したことは、先日のエントリの通りです。
>ナノコンポ NANOCOMPO NANO-UA1 をいちはやく体験しました! | エアロプレイン
さて、そんなNANOCOMPOの製品第一号、超コンパクトアンプのNANOーUA1を1週間ほどお借りしてレビューする機会をいただきましたので、以下まとめておきます。結論から申しますと、上記写真のサイズ差が信じられないほどに、本格的な音と満足感が得られるアンプでした。
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掟破りのサイズと「ACアダプタ」に驚く
こちら、送られてきたNANOCOMPOの製品版です。左に写っているベルデンのケーブルは僕のほうで用意したものです。これがアンプ!?と驚かざるを得ない大きさ。正直申しまして、最初に宅急便で送られてきた時、あまりの小ささと軽さで「あれ。なんだっけ?」とわかりませんでした。
こちらが全内容物です。左上から説明書、USBケーブル、本体、リモコン、下段左に進んでACアダプタ、電源ケーブルです。
…ってちょっとまった、純アンプでACアダプタかい!と驚きます。というのも、アンプのほとんどは電源で決まるからです。パワーを得るためには巨大な電源が必要になるため、普段目にするアンプはあんなにもでかくて重いわけです。
下が標準的な本格派アンプの大きさですよね。ちなみに重さは18キロ。よーくみると、棚がたわんでいるの、わかりますか?これ年々酷くなっているんです。ちなみにNANOCOMPO のNANO-UA1はたったの890グラム。下手したらカメラより軽いです。
今回は縦置きのオプションも体験させてくれました。別売りです。
リモコンはこんな感じ。スタンダードなカード型リモコンですね。将来的に使えるCD操作ボタンがついています。
さてさて、先ほど電源がACアダプタだよ!と驚きましたが、さらにさらに、本体にはこうして電源極性を合わせてくれということが、別紙ではりつけられるほどアピールされています。電源極性とは、ACコンセントの+側と−側をあわせるということ。実は、オーディオの世界では、この電源極性が大きく音質に左右するのですよ。
しかも個人的な感想を言わせていただければ、このNANO-U1の電源極性に左右され具合はとてもものすごいものがあります。コンセントを逆に挿すと、驚くほど抜けが悪くなってモコモコした音になってしまいました。このあたり、Olasonicの「小さいボディで大きな音を出す」例の仕組みが影響しているのかもしれません。例の仕組みことSCDSについては、下記リンクをご確認ください。
>Olasonic TW-S7:USBパワードスピーカー:Olasonic
さて本体チェックは続きます。裏面はこんな感じ。USB入力と、光入力が目立つところでしょうか。バナナプラグ対応です。
底面。試作品ではネジが見えていましたが、ゴム足でふさがれました。
気になるフロントビュー。とてもシンプルです。電源、セレクター、ヘッドホンジャック、そしてボリュームと、リモコン受光部です。ボリュームはメカニカルボリュームで、とてもまわして心地よいタイプ。僕はここをとても評価します。
ちなみにリモコンのボリューム使用時は、一時的にメカニカルボリュームの値が無視されるというユニークな設計です。回した瞬間にメカニカルボリュームの値が再度適用されます。使ってみるとわかりますが、思いのほかこの方式は使いやすいです。
入力はUSB、光、COAX、LINEの4種類。とつぜん写真がモノクロになったのは趣味的なものです。
ほかにMUTEランプとBASSブーストモードを示すランプ、そしてメカニカルボリュームが一時的無効になっていることを知らせる「RM」のランプが備えられています。
天板の質感も良い感じです。
背面にプラグをさすとこんな感じになります。
そうして5日間ほど使い込んでみました。
小さい=迫力が無い、音が出ない、の時代は終わった
ざっくり説明しますと、このアンプは十分に従来の大きな純アンプの入門機(だいたい10万円前後)と「戦える」アンプです(ちなみにNANO-UA1は定価73,500円税込)。このサイズから想像できないというか、きっと言わなかったら誰もが下のアンプで音を出していると考えるだろう、豊かな音。小さな音でもしっかりアンプを鳴らしてくれるのは、高品位な機器の証拠でしょう。 そう、大きな音を出せば「鳴らせる」コンパクトアンプこそ多々あれど、小さな音でも「鳴らせる」コンパクトアンプは意外に少ないものです。特にコンパクト中のコンパクトさであるアンプであればなおさらでしょう。
音質には好みがあると思いますが、従来使っていたA-927が「やわらかくて厚みのある音・クラシックなどが得意」という特徴だったのに対して「元気があってカッチリした音・生音からバンドサウンドまでオールマイティに合う」という個性があるように感じました。東和電子の山本社長も「何にでもあうサウンドづくりを目指した」とおっしゃってましたから、この感想はあながち間違っていないように思えます。
元気があるという印象は、低音から高音までしっかりと音が出せていることに起因しています。エレクトロ系サウンドの深い深い低音も、オーケストラやピアノが出すきらびやかかつ繊細な高音も、どれもがNANO−U1ではなんの苦労もなく鳴っている印象でした。これをもって、「小さいアンプって鳴らないんでしょ」という僕の先入観はガラガラと崩れたのでした。
また、音のアタックや瞬発力も気持ちが良いもので、これはSCDSの仕組みがかなり効いているように思えました。いったいこの小さな本体のどこにそんなパワーと俊敏性をそなえているのか、不思議で仕方がないというのが正直な感想です。
とにかく「元気で力強い音がする」これが僕のNANO-U1に対する音の印象でした。
リビングにおけるオーディオの復権が可能に
さて、若干ですが余談的なことを。僕がこの製品にもっとも期待していたことは、「場所がとれない場所へのオーディオの設置」という、矛盾した難題の解決でした。具体的には、リビングに純オーディオが設置できるのでは無いかという夢を見ていたのです。
結果は以下の通りでした。
これは「ねーよw」と言われてしまう極端な例ですが、ダイニングテーブルにも今回のセットは設置可能でした。それもそのはず、今回の最小構成は
- NANOCOMPO NANO−U1
- AirMac Express
- スピーカー2本
という、本当に信じられない世界ですから。PCからAirMac ExpressにはWi-Fiでデータを送り、アンプには光ケーブルで入力するため、変なノイズが乗る余地は無いはずです。ケーブルも電源以外にはほとんどないので、ぶっちゃけ、スピーカーを置く面積さえ確保できれば本体なんてどこにでも置けます。ああ、ケーブルが足りないよとか、あの巨大なアンプをどこに置くんだよとかで悩んでいた世界は終わったんだなあ…と感慨深いものがありますね。
ちなみにスピーカーを置いていた場所は、お茶菓子を置いていたスペースでした。お菓子の箱が2つおけるくらいのスペースで、オーディオ設置が可能です。これを革命と言わずして、なんと言うのか。しかも音質にはある程度のレベルにおいて妥協無しですよ…。
このコンパクトさはあきらかに革命ですね。
「大きさ」だけで語るのは失礼なアンプ
ということで、NANO-UA1は想像を遥かに超える満足度を与えてくれました。このアンプは「小さいから」と大きさだけで語るには失礼な製品で、あくまでも「音で勝負したい」という心意気に溢れていたのが印象的です。10万円以下アンプのランキングには間違いなく入ってきそうで、これはすごい商品が出てしまったなと思わざるを得ません。そう、このアンプは「たまたま小さかっただけ」なんですよ!
かといって、大きさが素晴らしい個性であるのは、疑いようのない事実です。凄まじいほどのアドバンテージです。設置場所が無いからなくなく純オーディオをあきらめていた世のお父さんたちが、こぞってこの製品を買い求める姿が目に浮かぶようです。はやくたくさん売れて、組み合わせるのに最適なスピーカーの答えがはやく出て欲しいところ。
日本の純オーディオの世界に革命を起こしそうなNANOCOMPOシリーズ、これからも注目なのは間違いないですね…。1日でもはやく、Amazonでも売られますように!→Amazonでもきました!
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>Olasonic NANO-UA1:NANOCOMPO(ナノコンポ):Olasonic