LightroomCCがHDR対応!そこで1枚の写真から「なんちゃってHDR」を作ってみよう!

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Liverpool Cathedral -HDR Sample 1-2

最新のカメラにも対応した、待望のLightroomCCですが、その他にもパノラマ写真やHDR写真に対応したという特徴をもっています。中でもHDR写真への対応は、往年のPhotoshopでのHDR生成を彷彿とさせる手軽さですので、ぜひ紹介しておこうと思います。

手軽な「なんちゃてHDR写真」を作ろう

HDR写真は、本来であればブラケット撮影(=露出を変えて同じ構図の写真を撮ること)を行い、露出オーバー、露出アンダー、適正露出の3種類の写真を合成することで、ハイダイナミックレンジの写真を生成する技術です。このあたりは友人のまゆみんのHDR本がわかりやすいのでオススメ。

HDR写真 魔法のかけ方レシピ ~撮ったあと生まれ変わる、写真のあたらしい楽しみ方
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写真集としても大変に良いです。

 

さて、ここからが本題。

とはいっても、ブラケット撮影からのHDR写真づくりには、「全く同じ構図」を実現するための三脚が必要だったり、撮影枚数が3倍に増えるという問題もあったりして、なかなかに手間がかかります。そこで今回おすすめするのは、普通に撮影した1枚の写真からつくる「なんちゃってHDR写真」の作り方です。この方法はずっとPhotoShopでやっていたんだけど、今回のLightroomCCにおけるHDR写真への対応により、Lightroomでできるようになりました。

 

なんちゃってHDR写真の作り方

早速作り方なんですが、これは大変に簡単です。

用意するのは1枚のRAW写真。JPGでもいいけど、クオリティを少しでもあげるために、RAWであることが望ましい。

この1枚を「仮想コピー」によって2〜3枚に増やします。

そしてその増やした写真に対して、露出の調整を行います。1枚に「-2.0」、もう1枚に「+2.0」など露出を調整することで、仮想的に露出のオーバー/アンダー写真を生成するのがこの方法のお手軽なところ。同じ写真を元にしていることもあり、100%同じ構図ってのもポイントですね。

以下は実例です。元画像から露出の異なる2枚をLightroomで作り、合成しています。

HDR base01

↑こちらが元画像。これでも悪くないのですが、もう少しステンドグラスの部分のディテールがほしい感じです。また、レンガやイスも少しつぶれ気味。ここから、露出のオーバー/アンダーを作ります。

HDR base04

HDR base03

↑この2枚を作りました。そして、合わせて3枚をLightroomCCで合成します。

その結果完成したのがこちら。

Liverpool Cathedral -HDR Sample 1-2

元画像に比べ、レンガの暗いところはもちあがり、ステンドグラスなど明るいところは押さえられ、それぞれの特徴がよりくっきりとわかるようになりました。まさにいいところ取りですね。

 

もう1つ作例を。

IMG_3795.jpg

外が明るいため、人物の顔を暗くしないために露出のオーバー気味で撮影しています。そのため、外が少し明るすぎる感じ。

こいつから以下の2枚を作って合成をします。

IMG_3795-2.jpg

IMG_3795-3.jpg

この2枚。ポイントは、元画像からオーバー/アンダーを作ったのではなく、元画像を露出のオーバー扱いにして、標準露出、露出アンダーを作ったところですね。

そして元画像を合わせて3枚を合成したのがこちら。

IMG_3795-HDR.jpg

ばっちりじゃないですか?外もくっきり、人物の顔もくっきり。

もちろんHDRじゃなくてもがんばれば可能な表現ですが、なんちゃってHDRなら大変お手軽にこの結果が得られるので、とても良い感じです。とくにこのケースは人物撮影なんかではとても良くあるケースなんで、大変実用的な予感がしますよ。

ちなみに、この2つの作例は、過去に撮った写真を選んで作例にしました。ブラケット撮影していない過去の写真を蘇らせることができるのも、この「なんちゃってHDR写真」の良いところ(だと思っています)。

 

のりおのまとめ

このテクニックを使うときのコツは、元画像を露出アンダー(つまり暗め)に撮っておくことです。露出オーバーで飛んでしまっている部分は、いかにHDR化してもディテールが得られません。暗めの写真から、標準露出、露出のオーバーを作る方法を使えば、今回の作例よりもよりHDRっぽい画像が得られるはずです。

と、まあ大変に邪道?な「なんちゃってHDR写真」ですが、最終的に得られる写真が自分の好みなら、バンバン使ってもよいテクニックなんじゃないかなって思います。個人的には「ここぞ!」って時に使いたいですけどね。

そんなわけで、Lightroomがまた大きな進化をしたわけで、オススメしちゃうわけです。

 

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Lightroomカテゴリ | エアロプレイン
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