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Category : コラム , サッカー2004
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7 5, 2004 19:02
    EURO2004総括      

EURO2004が終わりました。全ての結果を踏まえた上で、今大会がどうだったのか、一視聴者そして一サッカーファンの視点でお伝えしたいと思います。


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   ( --以下、話の続きや解説-- )

まず今大会、だれでも気がつくのが優勝候補の敗退とジャイアントキリングの多発でしょう。初戦のギリシャに始まり、そして決勝のギリシャに終わりました。優勝候補筆頭といわれた中でも、イタリア・フランスは負けるべくして負けた(または落ちるべくして落ちた)という感じでした。まずはそのようないわゆる「大物チーム」が負けたことから始めましょう。

大物チームの敗退
今大会、優勝候補のチームが負けたことにはいろいろな理由がささやかれています。メジャーな意見としては「油断」「緊張」「モチベーションの不足」「リーグ戦による疲労・怪我」「戦術的失敗」などなど。油断はもってのほかですが、緊張はわかる気もします。初戦のポルトガルはまさにこれでしょう。疲労や怪我もたしかに感じられます。特に猛暑のポルトガルで行われた今大会は、クラブでもレギュラーであるベテラン選手には手厳しかったのでしょう。
しかしながら、優勝候補の大物チームが次々とふがいない結果で敗退していった理由は間違いなくそれだけではありません。僕が考える最大の理由は「モチベーションの不足」と「戦術的失敗」であると考えます。
例えばモチベーションの問題。欧州サッカー界では昨日までは華やかなEUROの世界でしたが、今日からは再度ドロドロの移籍市場の世界へと落ちていきます。でも、本当はEUROの裏でも移籍市場の世界は動いていました。例えば「EUROが終わるまで結論を出さない」と語ったダービッツや、EUROで敗退と同時に移籍を決めたラーションなど。たしかにEUROの舞台は「自分をアピールする場」であることは確かですが、頭の中がクラブに戻った後のこと、その後のことばかりでは今現在の結果を取りこぼしてしまうことも不思議ではないでしょう。
また、もうひとつの問題は戦術的失敗です。これはポルトガルの例が顕著だと思うのですが、思い切った選手起用、つまりは名のある選手でも結果が出なければ変えるといったことをできたチームは勝ち残ったように思えます。これはEUROに選手を連れてくる時点でも同様です。イタリアでいえば、リーグで絶好調のジラルディーノを落とし、いまいちだったビエリやデルピエロをつれてきたことが敗退の一因であったことは明確でしょう。同様に大会で結果のでなかったアンリを変えなかったフランス、ラウールを外せなかったスペインは記憶に新しいところです。
また、戦術的失敗はこのような例だけではありません。フレキシブルにそのとき必要な選手を起用できなかったオランダも、戦術的失敗と呼んで良いでしょう。

この2つの原因を考えると、監督と選手だけが悪いように思えてしまいますが、結果的にはあることないこと書き立てすぎてしまう最近のマスコミも原因でしょう。選手を使って失敗すれば非難され、使わなければ非難され、監督はたまったものではありません。その点を考慮にいれ(?)外国人監督で冷静な起用を実現できたポルトガルが決勝まで残ったのは、非常に皮肉ではないでしょうか。


スター選手の凋落
前述のように、ビエリ、デルピエロ、ラウール、アンリに代表されるような俗に言う「銀河の戦士になれそうな選手」が活躍できなかったことも今大会の特徴でしょう。逆に全く注目されていなかったチェコのバロシュや、大物ルーキーであるルーニーが活躍したことも記憶に新しいところです。ではなぜスター選手が活躍できなかったのか?こればかしは理由がわかりません。試合数をあげるなら、ポルトガルの選手の大半はUEFAで優勝しているポルトの選手です。最も試合数が多かったわけで、試合数による疲労は原因になりにくいかと思います。ただ、ホームだということもあり相殺された可能性はあります。

監督の差
今大会は、監督の手腕の差が如実に現れた大会でもありました。まともな選手起用ができなかったオランダやイタリアと、選手起用が明確で確実だったギリシャやポルトガル、チェコとの活躍の差を見れば一目瞭然でしょう。では、なぜ今大会はこうなったのか?僕が思うに、すでにチームごとの選手個々の平均能力には差がなくなってきているのでしょう。特に欧州はEU枠で頻繁な移籍が繰り返されます。自国のリーグが弱くても、選手は育つのです。一握りのスターが決める試合も確かにありますが、試合の大部分はやはり監督の起用にかかっています。各選手の特徴をつかみ、なおかつ適所適材を実践できた監督が成功したのが、今大会なのでしょう。

チーム内の不和
これは非常に新しい問題ですが、先に述べたEU枠もあり、選手は代表としての時間が減ってきていることがひとつあります。また、国籍の選択が一般化したことにより、各国代表チームというより各国国籍チームといったほうが相応しいのは実際でしょう。これはすなわち、チームの一体感を減少させたりチーム内の不和を呼び起こす原因となっています。
例えばポルトガル。当初から言われていたのは、国籍変更のデコと、フィーゴをはじめとした地元軍団、そしてルイコスタとの微妙な関係でした。実際、デコはフィーゴやルイコスタと問題があったようなことが報道されていました(真意は不明)。また、オランダでは以前より人種によってチームが2分されている問題(最近は解決したとの声も)があります。国籍の変更を非難する気はさらさらありませんが、実際にチームに不和が発生していることは事実であり、今後も尾を引く問題となるでしょう。少しだけ趣旨は違いますが、個性と技術を持っている選手が集まるほど、監督から離れていくのも問題かもしれません。もちろんギリシャも不和がなかったわけではないでしょうけど、相対的に伝わってくる量が少なかったことは、チームがマイナーだったからという理由だけではないでしょう。ただ、監督の力量がここにも現れているのかもしれません。

総括
さて、以上のような問題を踏まえてみたときに、問題が一番少ないチームは?ということになります。すると、残るのはラトビアとギリシャだけなのではないでしょうか。デンマークも入るかもしれません。以上であげたのが全ての問題だとはいえませんが、リスクのみで結果を予想したのならギリシャが優勝したのは、別段不思議なことではなかったのかもしれません。

僕はギリシャが優勝したことは、「監督や戦術に忠実」「最後まで走る」「勝負どころを逃さない」といった基本的なことがほぼできていたので当然だったのではないかと考えています。こんな小学生や中学生レベルで教わることができないチームの多いこと!ギリシャが優勝したことにより、ひとつ間違えると誤った方向へ進んでしまいそうなサッカー界に一石が投じられることを、切に望みます。

最後になりますが、ギリシャおめでとう。きみたちは「弱い国の戦い方」を最後まで貫き通し、カウンターの美学を実践し、そして個人技だけではないまっとうなサッカーを見せてくれた。弱小チームといわれていた君たちだけど、シュートの決定率やパスの精度、そしてチームの集中力がトップクラスだったことは数字が語ってくれている。心無い選手に失礼なことしか言えないファンをよそ目に、精一杯勝利をかみ締めて欲しい。
負けてしまった大国たち、次のEUROではもう一度まじめにサッカーに取り組み、次世代のサッカーを見せて欲しい。まっとうにやれば、もっとできるはずだよ。

追加だけど、今大会のベストゲームを。2つ選んで良いとすれば、オランダ―チェコ戦とポルトガル―イングランド戦を選ぶでしょう。ギリシャの試合は面白いけど、ベストゲームじゃないのは仕方がない。見ていて面白いのはやっぱり点の取り合いでしょう。

では、これにて僕の中のEURO2004を終了します。






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