美術館とも言えるクロムニェジーシュ宮殿は映画撮影のメッカであり、世界遺産でもある #visitCz

2017/11/17チェコクロムニェジーシュ,クロムニェジーシュ(Kromeriz),チェコ,チェコブロガーツアー,チェコ政府,世界遺産,

北海道ほどの面積しか無いチェコには、たくさんの世界遺産が存在します。今回訪れた小さな街「クロムニェジーシュ」は、中心部にある宮殿と庭園がまるごと世界遺産というなかなか贅沢な感じなのですが、恐らく日本ではとてもマイナー。ということで、がっちりレポートしておきたいと思います。この建物丸ごと美術館な感じは、かなりビックリすると思いますよ。

チェコ政府観光局のブロガーツアーにて、プラハ以外のチェコの魅力を求めて、引き続き旅をしています。

 

作品の器として存在してきたクロムニェジーシュの宮殿

クロムニェジーシュ #visittCzech

チェコに数多存在する中世からの建物の特徴は、ほぼ当時の姿そのままで今日まで推移できていることでしょう。このクロムニェジーシュ宮殿も同様で、途中大戦の占領時に少なからずの略奪を受けているようですが、それでも(火事から建て直された)17世紀からの姿をそのまま留めています。

そもそもこの建物は、当時の首都であったオロモウツの大司教が夏の別送として建築させたものでした。まず13世紀にゴシック様式として設計され、その後所有者の移行や流行などもあり、15世紀にバロック様式として生まれ変わります。ところがその後の30年戦争でスウェーデン軍に壊されてしまい、今度は17世紀後半に再びゴシック様式として再建築されました。現在の外観はこの時のものである、とのことです。

ところが、1752年に火事が起きて、外観を残して内部は焼けてしまいました。ということで、外観は17世紀後半のもの、内装はここ200年ほどのものという、不思議な構造になっているんだそうです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

そんなクロムニェジーシュ宮殿最大の特徴は、内部がほぼ美術館のようになっていることです。なぜそんなことになっているのか?

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

ひとつの可能性としては、この宮殿が時の権力者たちの会談や、ヨーロッパの運命を決めるような重要な議会のために使われていたから、ということがあります。ようは、豪華にする必要があったからというものです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

さて、ではその豪華、いや豪華絢爛な宮殿の内部を見ていきましょう。

 

各部屋ごとのコンセプトがぶっとんでいる

クロムニェジーシュ宮殿は部屋ごとにコンセプトがあり、そしてそのコンセプトがかなり個性的なところがポイントです。

早速ですが最初の部屋である「ハンティングルーム」がこちらです。

クロムニェジーシュ #visittCzech

ええええ?って声が出ますよね。僕らも出ました。全員出ました。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

この部屋は当時の主要なホビーである「ハンティング」の成果を自慢しつつ、ゲームに興じるための部屋。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

だからこのようにハントされた動物たちの剥製がところせましと飾られており…なんですが、実はこれ、頭部そのものはイミテーションだそう。ちょっと安心。しかし角や牙はホンモノなんだそうですよ。なお、武器もホンモノだそうです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

いくらイミテーションが主とはいえ、この数には圧倒されます。イミテーションがゆえに全ての目がこちらを向いているような錯覚さえ受けてしまいます。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

引いてみるとこんな感じ。ここでビリヤードやカードゲームができるのか!?と思ってしまいますが、当時はハンティングが一般的なので、僕らと感じ方が違うのかもしれません。

ちなみに時のロシア皇帝アレクサンドル三世の短期滞在ために作られたのがこのビリヤード台で、特注性だそう。なんと玉は象牙でできています。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

お次がこちらローズルーム(ローズサロン)。歓迎の間ですね。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

ハンティングルームが剛の部屋なら、こちらは柔の部屋でしょう。色使いもポップな感じです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

絨毯をはじめ、そこらじゅうに船のマークがあしらわれています。これは歴代の所有者の中でも最も重要といわれるテオドルコーン家の家紋だとか。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

シャンデリアは巨大なボヘミアンガラス。すごい、いくらするのか想像できないレベル。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

とても装飾が細かく、気が遠くなりそうです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

調度品も豪華なものばかり。このサイズの大理石の置物(花瓶?)とかどうなってるんでしょうか。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

とにかく豪華な部屋です。とにかく置いてあるものは貴重なものばかりで、普通に美術館に収蔵されるレベルなんだとか。つまりここ、建物そのものがほぼ美術館なのです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

さて、お次は皇帝の間。

クロムニェジーシュ #visittCzech

当時ここで会見をおこなったロシア皇帝アレクサンドル三世と、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の肖像画。ここに后であるエリザベートの肖像画もあります。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

ドアの装飾からしてレベルが違う感じ。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

ダイニングルームにはとても豪華なイスが。主人が座る場所だったのでしょう。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

そしてそれを囲むようにして美術品が。特に壁には一覧の絵画です。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

中には歴史的にも貴重で高価なものが含まれているそう。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

さらに絵画まみれのダイニングルームが続きます。圧巻のひとこと。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

美術的な作品が多く、個性的なものも少なくありません。これはキリストなんだそうです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

最後に大広間。ここでヨーロッパで最も重要な議会が開かれたこともあり、大きさと豪華さに圧倒されます。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

ものすごい、のひとこと。実は映画「アマデウス」などの収録にも使われたことがあるそうですが、想像しうる豪華なバンケットルームの上をいくようなつくりで、もはや夢の世界です。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

当時リアルタイムでここを利用できた人は、どんな印象を抱いたのでしょうか。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

天上画まであって、手抜きなし。どうやってメンテナンスするのか不思議になるくらい、良い状態で保たれていますね。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

当時の権力というものは、単なる億万長者とはまったく異なるレイヤーで生きていたんだなあと痛感しますね。なお、この部屋はヨーロッパ最高の部屋と評されることもあるそうですよ。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

外の花は、先に紹介した庭園で育てられているそうです。

クロムニェジーシュのクヴィエトナー庭園に行こう!【世界遺産】 #visitCZECH [エアロプレイン]

 

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

さて、実はこの宮殿には広大な英国式の庭が付いています。英国式は自然を重視した庭の造りが特徴です。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

これはThe 英国式ですね。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

池も美しい。

歩いてもいいのですが、この日は時間の都合でカートに乗って庭を見学しました。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

クロムニェジーシュ #visittCzech

庭の象徴的な木です。どうやら複数の木が融合してしまっているようですね。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

カートでさらっと30分くらいです。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

クロムニェジーシュ #visittCzech

庭園は出入り自由なので、子供の遊び場になっていました。うわあ、こんなところで遊びたい。

 

クロムニェジーシュ #visittCzech

砂地のところでは、ヨーロッパのスポーツ「ペタンク」に興じる人も。なんとも地元に愛されている宮殿のようですね。

 

のりおのまとめ

何度も火事になったり、持ち主が変わったり、内部が美術館のようだったり、かと思えば広大な英国式庭園があったり。なんとも味わい深いお城でした。

それにしもこの近所に住んでいる子供が羨ましいことです。

 

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クロムニェジーシュ宮殿

Czech Republic – クロムニェジーシュの庭園群

 

 

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