東京都の自転車シェアリングの上手な利用法とコツを解説しておこうかな

2016/04/19東京都,読み物FeliCa,ポートマップ,港区,生活,自転車シェアリング,虎ノ門

港区自転車シェアリング

会社が虎ノ門に移ったこともあり、虎ノ門のある港区の情報を集めていると、行政のほうで「自転車シェアリング」というサービスを行っていることがわかりました。これは、30分150円にて共有自転車を使うことができるサービスで、指定ポートであればどこでも乗り捨てができるという便利な仕様のため、なかなか使いどころがあるのでは!と思われました。

が、実際サービスとしては大変にわかりにくく、罠もたくさん。ということで、今回はこの港区を中心に実施されている「自転車シェアリング」をわかりやすく、また落とし穴に落ちないよう使う方法を紹介します。

FeliCaを巻き込んだ登録方法がわかりにくすぎる

港区自転車シェアリング

そもそもですね、この自転車シェアリング、利用するまでの手続きが大変にわかりにくい。

手順としてはネットで登録して、登録番号をもらって、登録用パスコードとFeliCaを紐付けて、そこから利用ができる、というもの。こうして文字に起こすとかなりシンプルなんですが、この手順についてのWebや冊子における説明がわかりにくすぎて、とっつきにくい印象を持ってしまいます。

なによりわかりにくいのが、登録用パスコードを用いた、FeliCaとアカウントの紐付け方。わかりにくさの原因は「会員証」という言葉にあります。というのも、このサービスではFeliCaこそが会員証となるのですが、それは紐付けた後での話。まだ紐付けてもいないFeliCaに対して「会員証」という名称を使っているので、ユーザーはいったい何が会員証で、どうやってFeliCaを紐付けるのかが謎なのです。

たとえば案内のメールではこんな文面です。

■会員証登録方法
1.自転車の操作パネルで「START」ボタンを押下後、「ENTER」ボタンを押してください。
2.操作パネルで、会員証登録用パスコードを入力してください。
3.会員証をカードリーダーにかざしてください。

会員証を作成/登録するための方法なのに、会員証をかざせって、矛盾してますよね。これ、会員証という言葉を「FeliCa」や「ICカード」と読み替えることで、わかりやすくなります。

■会員証登録方法(改訂後)
1.自転車の操作パネルで「START」ボタンを押下後、「ENTER」ボタンを押してください。
2.操作パネルで、会員証登録用パスコードを入力してください。
3.FeliCa/ICカードをカードリーダーにかざしてください。会員証として紐付けられます

わかりやすくなりました。

また、わかりにくさはもう一つあります。実際にFeliCaを登録するための端末が「各自転車に搭載されている」のですが、これ、意外と盲点で気がつきません。先入観では、自転車のポートに独立した端末があるように思えてしまうんですよね。よく駐輪場や駐車場にある、料金支払機的なイメージです。

恐らくですが、それを助長しているのが案内の絵と、端末の名称。

screenshot-docomo-cycle.jp 2016-04-15 16-31-35

端末の表面インタフェースだけを絵にしているので、この端末が「どこにあるのか」「実際にはどんな形をしているのか」のイメージが沸きにくいのです。しかも名称は「自転車操作パネル」。「自転車についている操作パネル」と少し工夫するだけでもう少し直感的にはできるんですけどねえ…。

このわかりにくい問題、実は動画の解説を見ると解決できるんですが、それに気がつくまでが一苦労というよくあるパターンなんですね…。

ちなみにスマホページからだとそもそも動画の案内がありません(笑

 

利用を始めても大きな罠がある

そんな自転車シェアリングですが、はじめてみるとまたいくつかの罠があります。

まずひとつ、とても大きいのが、ポートマップのわかりにくさです。一見Googleマップ利用でわかりやすそうですし、冊子も親切なのですが、大きな2つの問題点があります。

・区を横断するサービスなのにまたぐと別の地図を探さなければいけない
・ポートマップに自転車を置いていないポート(ではないところ)が同席している

前者はもうどうしょもない縦割りの話で、例えば千代田区で借りた自転車を港区で乗り捨てすることもできるんですが、このあたり、不親切な設計になっています。区を横断した全てのポートマップが一覧になっている図がありません。なぜ…!?

screenshot-docomo-cycle.jp 2016-04-18 13-57-46

観光客の利用者も見込んでいるとのことですが、観光客に区の区切り、わかりませんよね…。上記画像は港区のマップですが、もちろん千代田区のマップも別に存在します。一覧を作ろうとしないところがね…。

 

また、後者は本当に残念ななことで、例えば僕は新橋の駅前に乗っている「有人窓口」というポートに行きました。するとですね…無いんですよ、自転車が。えっ?と思いますよね。なんとですね「有人窓口は本当に窓口だけで自転車は置いていない」というものすごくわかりにくい仕様になっているんです。これ、酷すぎるよ。ちなみにポートマップからはその情報を読み取ることができません。

screenshot-docomo-cycle.jp 2016-04-18 14-11-30

なんで「ポートマップ」に載せるのかな。せめて(自転車はありません)ってことを追記できないのかね?信じられないですよ。どこにもこの情報無いですからね、いままでいったい何人ががっかりしたのかな、って気がします。本当に観光客に使わせる気、あるのかな。

screenshot-www.google.com 2016-04-18 14-23-36

Googleマップで開かないとポート名もわかりません。そしてポートの説明には、自転車がない、ということは書いてないんですよね…。がっかり。「ポートマップ」だよね?

 

また、貸し借りについてもふたつの罠があります。

・ポートに自転車があっても、予約車で使えない可能性がある
・自転車が返却されたかどうかがとてもわかりにくい

まず前者ですが、実際に個別の自転車まで行って、借りる手続きをしてはじめて「予約車」ってことが表示されるんですね。仕組み上仕方が無い部分もありますが、これ、予約しないで使うのはけっこうギャンブルです(幸いにして予約で全車うまるほど人気がないので助かっています)。

 

また、後者はけっこう深刻で、というのもこのサービスは30分150円のサービスなため、しっかり返却できていないと、延々と課金されてしまうわけなんです。返却の仕方は施錠から返却手続きと2つの手順を踏む必要がありまして、若干複雑。さらに返却時には自転車側で「ここが返却ゾーンである」ということを勝手に判断するという、人間には見えにくい仕組みになっていまして、たとえば何らかのエラーで自転車側に「ここは返却ゾーンではない」と判定されてしまったら、返却が完了しないことになってしまうんですね。わりと怖い。

この際、本当に返却されているかどうか確認するには、登録時のメールアドレスに「返却」を伝えるメールが来ているかどうか、これを確認する必要があります。現場の自転車で100%返却されているかどうか確認するのは、不可能では無いですが、自信が持てません。もう少しわかりやすくしてくれればいいのに!

ちなみに、実際にこんな感じのメールが来ます。これが届いていれば返却成功です。かならず確認するようにしましょう。

screenshot-mail.google.com 2016-04-18 10-32-09

なお、問い合わせ先が4つもあるところに、このサービスの業の深さを感じますね…。

 

(2016/04/20 22:24 追記)
少し誤解があるかもしれないということで、追記します。

返却に関しては、手続きが成立すると自転車操作パネルに「返却」という文字が表示されます。この表示を見逃さなければ「返却できた」と確認することができます。ただし表示は数秒しかなく、日中はパネルが読みにくいため、確実な返却確認の方法としてメールでの確認をおすすめしています。そもそも初回はどうなったら返却されているか自信もてないと思いますので、メール確認が間違いないと思います。

なお、返却ミスと考えられる場合は、事務局から電話がかかってきて返却したかどうかを聞かれるようです。このあたりは親切というか、やはり返却ミスが少なからず発生しているんだなあと思われました。

 

(2016/04/30 追記)
さらに何度か利用してわかったハマりやすい点を解説しておきます。

このサービスは自転車を返却するポートを自転車のほうで(ビーコンを使い)自動認識するのがポイントなのですが、ポートが混み合っていて所定の位置に停められなかった場合、自動認識が仇になって永遠に自転車を返却処理できないことがあるようです。
(つまり自転車側で「ここは返却ポートじゃないですよ」と判定されてしまう)

この場合、さっさと自転車に書いてある問い合わせ先に電話して、返却処理をしてもらうのが確実です…というか、唯一の返却方法になりますのでご注意を。

(追記ここまで)

 

のりおのまとめ

ちょっと変えるだけでとても親切で使いやすいサービスになる気がするんですよね。拠点間の移動には大変便利ですし、なにより電動自転車なので坂道も楽々で、赤坂方面なんかも行きやすいです。いまは本当に使いにくいんです。ポートも駅から遠く、観光客に使って欲しい仕様とは思えませんね。ちなみにJR駅前ですと東京駅の丸ビル南側か、有楽町の駅前がわかりやすそうでした。

ということで、もっと使いやすいサービスになることを願っています。やる気、だそうぜ!

 

続報です

【最終版】都内の行政シェアサイクルサービス利用のポイントまとめ – 写真とレビューのブログ「エアロプレイン」

 

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