人間味溢れるユーザから発せられる憎悪が耐え難い件

2009/05/07一発ネタ系記事,読み物communication,mixi,SNS,web,匿名性,悪いこと,読み物

「今日もたくさんの子供が苦しんで死にますように」

そんな日記が、ある程度個人情報を含んだ個人のアカウントから世間に対して発信されてしまうmixi (をはじめとした匿名性の低いWeb)の現状について思うところをつらつらと。

mixi ニュースへのレスポンスがどす黒い

mixi にはmixiニュースというコンテンツがあって、そこではヤフートピックスのごとく最新のニュースが紹介されているのですが、mixi らしいというか、日記にてそのニュースへのレスポンスが書けるようになっており、同時にニュースからレスポンスのある日記がリンクされるようにできています。

このレスポンスを含んだ日記がかなりどす黒く、耐え難いのです。

「人間味あるユーザ」からの憎悪はキツい

「目を背けたくなるような酷いコメント」というのは昔からありました。それこそパソコン通信の時代からです。それが世間に広く知られるようになったのは、Webサイトの掲示板や2chによって一般の人々の目にも晒されるようになってから、という気がしています。

ですが、そういったコメントを発するユーザには、どこか人間味が欠けていました。言うなれば匿名であったり、その場限りの捨てアカであったり。もちろんハンドルネームを持ったある特定の個人がそういったコメントを残している場合もありましたが、それはごく稀であったり、その人のキャラクターであったりして、「普通の人」ではない「作られたキャラクター」が発しているような印象で、ある種の気持ち悪さを感じることはあまりなかったように記憶しています。

ところが、です。このところmixi で散見される「酷いコメント」は、人間味たっぷりのいわゆる「普通の人」が発していることが多いように思え、それが気持ち悪く感じられてならないのです。

人間味あるユーザが発するだけで、ここまで違うのか

この現象は自分でも驚いてしまったのですが、自分はいままでインターネットの様々な側面を見てきたつもりであったのに、まさか今さら「この発言は気持ちが悪い」などと思うとは夢にも思わなかったのです。そしてそこに「人間味」という要素が大きく関与しているということにも驚きました。

SNSのようなサービスがはじまるまでWeb上のユーザのキャラクターには、どこか作られ演じられているような側面がありました。いわゆる「電話線の向こうの顔も知らない誰か」という感じで、そのキャラクターが悪さをしようと、酷いことをしようと、なんとなく苦笑いで済ますことができたような気がするのです。

でも、SNSが登場してから、Web上のユーザは突然人間くさくなってしまいました。いや、それは僕だけが感じていることなのかもしれませんが、とにかく僕にはSNSにいるユーザは人間くさく感じられて仕方がないのです。そんな、人間味溢れたユーザが突然文頭のようなセリフをアップするわけです。

それがなんとも耐え難いというか、気持ち悪いというか。この感覚についてどれだけの人に同意してもらえるかはわかりませんが、とにかく人間味あるユーザから発せられる憎悪が僕には厳しくてしかたがないのです。

インターネットの匿名性はとかく悪いように語られがちですけど、匿名を廃したところで、生々しすぎていまよりさらにギスギスしたインターネットになっちゃうんじゃないのかなぁ。

こんなこと考えるの、僕だけですかねえ。

お断り

ちなみにmixi を非・匿名の代表例として挙げただけですので、なにもmixi だけが問題というわけではないということだけ断っておきますね。

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